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俳句「心構えしていたつもりでも・・・」

あした死ぬかも知れぬ母からす瓜

 今年の9月4日にこんな句を詠んでいる。私は母の死を予感していたのであろうか。いや、そうではない。これまでにも母の死にまつわる句は何句か詠んでいる。余命を宣告されたわけでも、体調を崩したわけでもなく、むしろここ2年ばかりは発熱もなく、血液検査の結果も良好だったにもかかわらずだ。

 私は、突然の死がやって来たときにすこしでも哀しみを和らげようと、そう思うことにしていたのだと思う。いつ旅立っても不思議ではないと思うことで、いざ旅立ちの日が来たときに「やっぱり来た」と心の落差を小さくしようとしていたのだ。

 そのとおりに「やっぱり来た」だが、哀しみは和らがなかった。来るべきときが来ただけなのに……。

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