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teenager
心が弱っているとき、なんかちょっと将来が不安なとき(この歳にもなって将来を不安に思うとは!)は、無意識に昔のことを思い出す。
幸か不幸かに関わらず、もう変わることの無い、絶対的な生活が、非常に魅力的に映るのかも知れない。
それはたいていティーンエイジャーの頃で、もうその頃に戻れないことには目もくれず、ひたすら心の退行を繰り返すのである。
最近読んだスローターハウス5という小説では、未来も現在も過去もなく、常に存在しているという描写があるが(小説では主人公が時間旅行者として様々な時間を往来する)、自分の終わりを既に知っていることは、もしかしたら幸せなのかもしれないと思った。
(言っておくと、小説はまったく幸せな物語ではない)
少なくとも、見通せないこれからに悩むことはなくなる。
また最近読んでいる内田百閒氏の東京焼盡という戦争時の日記では、故郷の岡山が空襲に合い、遠く東京にいる氏が故郷を思い出す時、いくらアメリカだろうが、B29だろうが、思い出の中の故郷を焼き払うことは出来ないと書いている。
私の喜びの故郷も、現在や未来に関係なく絶対的なものとして、そこにあり続けて欲しいと思う。
何を言いたいのか忘れた。
電車の車窓からは、役目を終えた太陽が山の向こうへ帰っていくのが見える。
とりあえず帰り道に聴いているフジファブリックのTEENAGERのアルバムが最高ということは言っておきたい。