映画感想「ボルテスVレガシー」

-あらすじ-
地球が、プリンス・ザルドス率いるボアザン帝国の軍に侵略される。
地球防衛隊が奮戦するも、全く歯が立たない。
ザルドスは、大詰めとして巨大な獣型ロボットであるビーストファイターを出陣させる。
その頃、秘密基地ビックファルコンでは、訓練させられていた、スティーブ、ビック・バート、リトル・ジョンのアームストロング三兄弟とマーク・ゴードン、ジェイミー・ロビンソンの5人に緊急招集がかかる。
ここで初めて彼らは、ボアザン帝国と戦うために訓練させられていたことを知る。
そして彼らは、今が訓練の成果を見せる時だと、秘密裏に製造されていた5機のマシンに乗り出撃するのだった…。

-概要-
1977年に、日本で放映していたTVアニメが、フィリピンで大流行し、実写版が90話のドラマとして作られた。
この映画は、その実写版を再編集したものとなっている。

私は、元のアニメも実写版ドラマも見ていないため、これが初「ボルテスV」となる。
何も知らない人間が見た感想であることをご承知いただきたい。
以下感想

-イマイチだった部分-
1.テンポ
戦っていないときの日常パートなどで、テンポが悪くなるのは割り切れるが、戦闘中のテンポが悪いと感じた。
色んなキャラの表情を見せたいためだと思うが、戦闘中にキャラの表情カットや、台詞が多く戦闘のスピード感が損なわれるのは残念に感じた。

2.展開
もしかしたら、原作準拠なのかもしれないが、ご都合的なストーリーだった。
ビーム受けても死んでなかったり(射撃が下手なだけかも)、通信が都合悪く切れたり繋がったりなど。
もしかしたら理由が、アニメ版なりドラマ版であれば描かれているのかもしれないが、そうなると私のような完全新規が見に行く映画ではなかったのかもしれない。

3.続く
続くんかい!と心のなかで突っ込んでしまった。この一作でまとまると思っていたので。
アニメ版は全40話、ドラマ版は前述した通りと、相当長い事を鑑賞後に知ったので、当然といえば当然だと納得はできた。

-気になったところ-
1.絵面?画質?
どう表現したらいいか分からないが、ハリウッド並の美麗なシーンがあったかと思えば、毎週放送の特撮のようなカットがあったりと、場面ごとの絵面が違うところが気になった。

-良かったところ-
1.ボルテスV
シンプルにカッコいい。
これを見に来たと言っても過言ではないくらいなので、そういった意味では満足できた。
変形合体するシーンも良くできていていた。
武器も、天空剣が印象的だったが、鞭も使うのが、渋くて良いと感じた。
独楽を武器として使うのは、時代を感じた。

2.歌
すごいキャッチーなメロディで鑑賞後も頭に残る。
変形合体するシーンで流れるのも良かった。

3.キャラクター
マーク・ゴードンが天涯孤独、プリンス・ザルドスが、中間管理職のような立ち位置だった等の設定が面白かった。子供向け…?
あとは、コメディリリーフ的なキャラが好きなので、敵幹部のズールが気に入った。

4.ビーストファイター
デザインが好みだった。
同じロボットだが、ボルテスVとは違い、より生き物に近いようなデザインが良かった。
残念ながらこの映画では2機しか見ることができなかった。
もっと他のビーストファイターも見たい。

-まとめ-
ファンが作ったファンのための作品といったイメージ。
新規がここから入るには厳しいのかなと感じた。ちゃんと予習が必要な映画かも。
ただ、ロボットのデザインは良かったので、そこだけと割り切って見に行くのも有りだと思った。
「シン」シリーズのように、子供向けだったものを、大人でも納得できるような雰囲気を出す作風というより、この作品は、子供向けのものをそのままハイクオリティに、という印象を受けたので、あまり難しく考えすぎずに見るのが正解なのかもしれない。
おそらく、全体を通してみても未だ序盤だとは思うので、続編でまた違った色が見えるかもしれないのは楽しみでもある。
あと、新しいビーストファイターも。
せっかく作ってあるのだから、ドラマ版をそのまま、日本語吹き替えで放映では駄目だったのだろうかと思った。

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