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はじめに


更年期症状の一つに胸痛がありますが、これまでなかなかこのことについては書けないでいました。

しかし、更年期以降の女性は心臓病も増えて気をつけなくてはいけない症状です。

特に微小血管狭心症は更年期以降の女性10人に1人の割合で起きるといわれている病気で、私の所に胸痛があり相談に来られる方もおり受診を勧めたいのですが、私の知っている限りでは診療してくれる病院がなく、私自身も困っています。

相談をお受けしてもジレンマを感じることが多いのですが、今わかっている範囲での対処法をお伝えしています。

ここでも少しお伝えしたいと思います。

「女性」「心臓病」で検索してみた結果

近年女性の心臓病に関して注目されていますので、まず女性と心臓病で検索をしてみました。

1位 女性の心筋梗塞 40歳を過ぎたら生活スタイルを見直し対策を

女性の心臓病は、女性ホルモンのエストロゲンに大きな影響を受けており、エストロゲンが減少する閉経後に発症することが多い。そのため女性の心臓病は男性よりも5〜10歳遅れて発症するケースが多いという。

 米国では心臓病による死亡者数は女性が男性を上回っており、毎年約50万人の女性が命を落としている。

もともと米国は心臓病が多い国ですから日本にそのまま当てはまるとは限りませんが、エストロゲンの減少が一因ですので見過ごすわけには行きません。

2位 閉経後に変化する?女性の更年期と心筋梗塞の関係

閉経によってエストロゲン(女性ホルモン)が減少し血管や心臓を守る効果が薄れることで、心臓病の発症率が上がってしまうのです。
特に、心筋梗塞や狭心症など虚血性心疾患と呼ばれる心臓病が多くなる傾向があります。

これは日本の病院のコラムですが、更年期以降心臓病が増えることが書かれています。
また、微小血管狭心症についての説明もありますおで、気になる方は一読してみてください。

3位 更年期女性に多い狭心症「微小血管狭心症」 原因不明の胸痛に注意

閉経後の女性に多く、カルシウム拮抗薬やニトロも効きにくいと言われています。疾患概念としては比較的新しく、治療法も含めて十分確立したとはいえない状況でしたので、今回取り上げませんでした。ある程度キャリアのある循環器医師にはむしろなじみがうすい可能性があります。女性専門外来の方が治療のノウハウをもっているところが多い可能性がありますので、そういった微小血管狭心症の診療を得意とした医療施設を探して受診した方が良い可能性があります。

NHKの健康からの記事でQ&Aの中の文章です。
専門家でさえも悩んでいるのがうかがえます。
ただ、ヒントとして女性専門外来の受診を勧めていますね。

4位 バムルンラード健康ブログ 第5回 女性と心臓病


エストロゲンは心機能に関係があるとされており、まだ閉経していない女性においては心臓疾患のリスクが低いといわれています。加齢に伴い閉経し、エストロゲンが低下すると心疾患のリスクは上昇し、また心臓発作後の生存率も低下します。

変化する心臓発作の症状

エストロゲンの減少は、閉経後の女性における心臓発作の症状自体にも影響があることがあり、女性であっても男性によくみられる以下の諸症状を覚えることがあります:激しい胸痛
腹部や背部の痛み
片腕あるいは両腕の痛みや違和感
首や顎の痛み
動悸や心拍の異常
異常な発汗

加齢により心臓発作のリスクは高まります。閉経をきっかけとして定期的に健康診断を受診して医師のアドバイスを受け、健康により気を配るようにしたいものです。

エストロゲンの減少と心臓発作の関係、症状が書かれています。男性と症状の違いについても書いています

5位 閉経後に潜む心臓病のリスク

http://www.gotou-clinic.jp/14930562001519男性に比べて、”あごやのどが痛い”、”肩が痛い”、”背中が痛い”、”腹痛・吐き気”など典型的な”胸痛”で発症しない場合があり、受診や発見が遅れることがあります。


また、”微小血管狭心症”というカテーテル検査でも分からないような微小な心臓の血管の血流障害をおこす病気も閉経後の女性に圧倒的に多いといわれており、診断をわかりにくくする要因のひとつです。

そのため、気になる症状がある場合は、一度医師にご相談されることをお勧めします。

微小血管狭心症の診断には心臓カテーテル検査が必要です。

しかし、ここに書かれているようにこの検査をしても必ずしも診断がつかない疾患のため、治療に結び付かないことがあるように思います。

実際に婦人科や心臓専門の病院を受診しても何もしてもらえない方が、私のところに相談に来ます。

このように「女性」「心臓病」で検索した結果、上位5位までの記事をみても閉経前後のエストロゲンの減少と心臓病の関係が書かれているにも関わらず、私の知っている婦人科の医師の中には積極的な治療を行う医師は、残念ながらいません。

解決策がなかなかないのが現状です。


エストロゲンの減少と胸痛の関係


エストロゲンの減少と動悸・胸痛の因果関係は、今の所はっきりしていないようです。

多くは、呼吸や心拍を司る自律神経のバランスが崩れているためと説明されていることが多いです。

ただ、エストロゲンが減少することで血管拡張物質の一酸化窒素が産生されなくなり、末梢の細い血管が拡張されず狭心症様の症状が出ることも示唆されています。

胸痛の対処法

1.受診をしてみましょう。


       
  更年期の症状と思っていたら、病気が隠れていたということもあります。調べてもらってなんともなければ安心できます

できれば婦人科と循環器の医師のいる女性外来がいいと思います。

2.まずは、生活習慣を整えて、自律神経を整える

3.一酸化窒素を増やす
  ↓ 下記の記事に一酸化窒素を増やす食事と運動を書いています。

4.更年期障害の治療、ホルモン補充療法を受ける


エストロゲンが減少が原因であれば、エストロゲンを補充することが有効の可能性はあります。

HRT治療ガイドラインには、微小血管狭心症の治療の第一選択は、カルシウム拮抗薬とされています。
エビデンスに乏しいが、HRTが有効であるという報告もあることから、もし他にも更年期症状があって少しでも生活に支障をきたしているのならHRTを試すのも一手でしょう、婦人科の医師と相談をしてみてください。


更年期障害に関する研究が進んで、更年期と胸痛の関連性がもう少し解明されれば治療法や対処法も増えていくことと思われます。


新しい情報がありましたら、この記事に追加しますね。


もし、受診する前に相談したい、どこを受診すれば良いのかわからないという方は、ハイジアの相談サービスをご利用ください。

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