更年期症状ー胸痛の対処法
はじめに
更年期症状の一つに胸痛がありますが、これまでなかなかこのことについては書けないでいました。
しかし、更年期以降の女性は心臓病も増えて気をつけなくてはいけない症状です。
特に微小血管狭心症は更年期以降の女性10人に1人の割合で起きるといわれている病気で、私の所に胸痛があり相談に来られる方もおり受診を勧めたいのですが、私の知っている限りでは診療してくれる病院がなく、私自身も困っています。
相談をお受けしてもジレンマを感じることが多いのですが、今わかっている範囲での対処法をお伝えしています。
ここでも少しお伝えしたいと思います。
「女性」「心臓病」で検索してみた結果
近年女性の心臓病に関して注目されていますので、まず女性と心臓病で検索をしてみました。
1位 女性の心筋梗塞 40歳を過ぎたら生活スタイルを見直し対策を
もともと米国は心臓病が多い国ですから日本にそのまま当てはまるとは限りませんが、エストロゲンの減少が一因ですので見過ごすわけには行きません。
これは日本の病院のコラムですが、更年期以降心臓病が増えることが書かれています。
また、微小血管狭心症についての説明もありますおで、気になる方は一読してみてください。
3位 更年期女性に多い狭心症「微小血管狭心症」 原因不明の胸痛に注意
NHKの健康からの記事でQ&Aの中の文章です。
専門家でさえも悩んでいるのがうかがえます。
ただ、ヒントとして女性専門外来の受診を勧めていますね。
エストロゲンの減少と心臓発作の関係、症状が書かれています。男性と症状の違いについても書いています
http://www.gotou-clinic.jp/14930562001519男性に比べて、”あごやのどが痛い”、”肩が痛い”、”背中が痛い”、”腹痛・吐き気”など典型的な”胸痛”で発症しない場合があり、受診や発見が遅れることがあります。
微小血管狭心症の診断には心臓カテーテル検査が必要です。
しかし、ここに書かれているようにこの検査をしても必ずしも診断がつかない疾患のため、治療に結び付かないことがあるように思います。
実際に婦人科や心臓専門の病院を受診しても何もしてもらえない方が、私のところに相談に来ます。
このように「女性」「心臓病」で検索した結果、上位5位までの記事をみても閉経前後のエストロゲンの減少と心臓病の関係が書かれているにも関わらず、私の知っている婦人科の医師の中には積極的な治療を行う医師は、残念ながらいません。
解決策がなかなかないのが現状です。
エストロゲンの減少と胸痛の関係
エストロゲンの減少と動悸・胸痛の因果関係は、今の所はっきりしていないようです。
多くは、呼吸や心拍を司る自律神経のバランスが崩れているためと説明されていることが多いです。
ただ、エストロゲンが減少することで血管拡張物質の一酸化窒素が産生されなくなり、末梢の細い血管が拡張されず狭心症様の症状が出ることも示唆されています。
胸痛の対処法
1.受診をしてみましょう。
更年期の症状と思っていたら、病気が隠れていたということもあります。調べてもらってなんともなければ安心できます
できれば婦人科と循環器の医師のいる女性外来がいいと思います。
2.まずは、生活習慣を整えて、自律神経を整える
3.一酸化窒素を増やす
↓ 下記の記事に一酸化窒素を増やす食事と運動を書いています。
4.更年期障害の治療、ホルモン補充療法を受ける
エストロゲンが減少が原因であれば、エストロゲンを補充することが有効の可能性はあります。
HRT治療ガイドラインには、微小血管狭心症の治療の第一選択は、カルシウム拮抗薬とされています。
エビデンスに乏しいが、HRTが有効であるという報告もあることから、もし他にも更年期症状があって少しでも生活に支障をきたしているのならHRTを試すのも一手でしょう、婦人科の医師と相談をしてみてください。
更年期障害に関する研究が進んで、更年期と胸痛の関連性がもう少し解明されれば治療法や対処法も増えていくことと思われます。
新しい情報がありましたら、この記事に追加しますね。
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