優しい森

赤い木々の集まる
冷たい風と優しい木漏れ日が照らす森。

赤く輝く木々の中で
垂れ下がったボロボロの縄は風で揺れていて
"足跡なんだ"と鳥達は歌った。


苦痛から開放されるこの森の
風冷たく暖かい木漏れ日が照らす花は
体液を栄養として群れで咲き、寂しさを感じさせない。


森に訪れる者は下を向き救いを求めて歩き
辿り着いて安心感を覚えると、蝉が音楽を奏で迎える。


"まだ愛を求めていますか?
強い誓いを立てて旅立つのでしょう"
と頭上に伸びる枝はそれを感じ、そして微笑んだ。


真っ赤な森はいつも風は冷たく暖かい木漏れ日が人間と花を照らし出迎える。

"手に握る無機質な縄は足跡となる"と鳥達は歌った。

"何も知らぬまま先を見ようとしたのね、お眠りなさい"
と赤い木々と縄が首を抱き締める。


疲れた者は安心感を覚え安らかに眠る。

優しい木々と共に、永遠に。


赤い木々の集まる冷たい風と優しい木漏れ日が照らす森。

赤く輝く木々の中で
垂れ下がったボロボロの縄は風で揺れていて
"足跡なんだ"と鳥達は歌った。



最期に辿り着く優しい森。

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