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代表挨拶~私と「母めし」との歩み
こんにちは。私、母めし研究所の代表、大久保久江(おおくぼ ひさえ)と申します。
現在は店舗などを持たずに、仲間と「母めし」の研究をしながら、知恵の発信や、食堂のコンサルティングなどをしています。
この度「母めし研究所」は10周年を迎えて、また新しいメンバーが加わり、オンラインでも活動の場を持つことにしました。
「母めし」との出会い
私が人を元気にする、食の仕事に目覚めたのは、前職の物流会社の一畳足らずの給湯室。皆で食べようと、お昼ごはんを作り始めたのがきっかけでした。
料理上手で、味覚の優れたスタッフたちが周りにいたことが重要な要素となり、ついには2010年に日本の伝統的な家庭料理を「母めし」と名づけ創業しました。仲間も増え、食べた人の笑顔に触れ、どんどん食の仕事の楽しさにのめり込んで行きました。
さらに、2012年には古民家で「母めし」食堂をオープンさせ、毎日食材の仕入れに奔走する時期も経験しました。全国の食材の生産者さんを見て回った経験は、大変ながら私の大きな財産になりました
創業してからは、迷いや反省ばかりの10年でしたが、それでも「母めし」で皆を元気したいと思って起業したことに微塵の悔いもありません。
思えば、実家が八百屋を営んでいたことも、今の私に少なくない影響を与えていたように思います。
いつも真ん中には、ごはんがありました。たくさんの人が一緒にごはんを食べ、皆が元気に働いている場所が大好きで、私はそんな場所を作りたかったのかもしれません。
多様化する食と日本の家庭料理
日本は、優れた和食文化を持っています。同時に海外の食材や調理方法も積極的に取り入れ、柔軟に食文化を発展させてきました。今も目まぐるしく変わっています。
これからも時代が変わるなかで、残っていく大事な価値もあるし、合理化して便利にしていった方がいいこともあるでしょう。
一方、多くの情報の中から何を選んだらよいのか、迷う事も多いと思います。美味しさだけでなく、安全性、栄養価、家計のこと、時間…と考えていくと、せっかくの食事が嫌になってしまうぐらいに。
さらに、2020年春以降のコロナ禍で、生活スタイルが変わり、家で食事をする機会が増えた人も多いと思います。
そこに答えをくれるのが、和食に現代の知恵を加えた「母めし」だと、私は考えます。
自分の中に軸をもつことで、食の多様性を、なお一層楽しめるようになるのではないでしょうか。そのための体験的な知恵を、仲間達と丁寧に磨き直しています。
レシピ研究班の活動
迷いの時間を、美味しい時間に
私たちは、毎日ごはんを食べます。一日3回も「あ~!美味しい」とか「ふ~、落ち着いた~」とか「温まったわ~」とか、しみじみ思えることって素晴らしい、と私は思います。
迷ったときは、まずはご飯を炊いて、お味噌汁を作ってみてください。そして、家にある材料で、シンプルに味付けしたおかずを頬ばってみてください。素朴で懐かしい味付けで、あったかいごはんに心も体もホッとすること間違いなしです。だから、肩の力を抜いても大丈夫。
「そうだっ!今日は、あれとあれで『母めし』にしよう!」と、気軽に思いつく人が増えますように。何より、毎日を元気に笑顔で過ごせる人達が増えますように。温かなごはんを頬張ったら、きっといつの間にか元気になっているはずです。
オンラインでも「母めし」の魅力を伝えていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。