大人になって発達障害と診断された私の子どもの頃
大人になってから検査を受けて出された診断名は「自閉症スペクトラム障害、注意欠陥障害」でした。
私は、母が統合失調症、父は子どもにどう関わっていいかわからない人、という家庭で育ったため、私の障害に気づく人がいない状況でした。知的には問題がなく、学校の成績も悪くない。ただ、小学校の通知表に「計算が遅いようである」と書かれたことがあります。自分でも数字に弱い感覚がありました。
時々、すごい焦燥感に襲われることがありました。中学生になってからの学期試験の前です。勉強しなければ、と思うのですが、怖くなって、10分とか15分置きにいても立ってもいられない気持ちになります。そういう時は、仲良くしていた友人に、その度に電話していたんです。当時は子どもが携帯など持っていませんから、その都度彼女の自宅に電話をかけるんです。お母さんが取り次いでくれて、悪いな、悪いな、と思いながら、それでもかけないではいられないのです。よく彼女もお母さんも怒らずに、電話に出続けてくれたた思います。それでも、自分の両親も姉も、全く気にしないんですよね。私が何をしているのか、どんな表情だったのか誰も見ていなかったのです。
優先順位が決められず、宿題がギリギリ、いつも遅刻ギリギリ、何かに焦ってそわそわしていました。でも、ギリギリやちょっと遅れたで済んできたので、障害とは自分でも思っていなかった。こーゆー、うちだから、親も注意して見てくれないし、自分も落ち着かないのだろう、と。
電話をかける友達もいましたし、それなりに子どもの社会の中では生活できていたと思います。ただ、母の病気を言ってはいけない、という気持ちがあり、心からオープンにはなれず、いつもうちのことを聞かれたくない、と思っていました。秘密を持っているような、コソコソした、感じでした。家族が誰もこない運動会とか、どう過ごしていたのか、全く記憶に残っていないこともあります。
そして、一番大きな問題は「金銭管理」のことでした。これは、生涯私を苦しめることになりました。
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