ひとりでしない、ひとりにしない
Ⅰ.はじめに
強度行動障害に対する魔法の杖はないが、本人の生活の質を向上させながら行動の問題を減らし、周囲の人も楽になる考え方や方法論はほぼ確立されている。しかし複雑困難事例ではそこにたどり着けず本人と周囲の少数の人が姑息的な対応でしのぎながら疲弊している現状がある。家族の自己犠牲的な支援、スーパーマン的人材に頼った属人的な支援、支援者の自己満足的な支援から、知識と余裕のある人が助っ人に入り、本人と支援者の思いを傾聴しつつ伴走して対話の場をつくり本人を中心とした多職種多領域