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大阪礼賛 目標は目標として篇
2023年元日
この一年にやりたいことに
「富士登山」を掲げていた。
富士山に登れるシーズンは決まっていて
7月から9月までのほんの2ヶ月ほどだ。
体力をつけ、準備をしていこう。
登山、そして登頂するまでは
ライブへ行くのはお預けだ。
行ったことの無いところへ行こう。
1月、2月はまだ、そんな風に考えていた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
3月。
寒さもまだ残る頃
ライブへ行きたい欲求とストレスは
早くも限界を迎える。
均衡を破ったのは
3月8日のHoSoBoSoさんのマルシェライブ。
そして3月19日に四日市で開催される
菅野創一朗さん&金谷好益さんの
「結婚しましたツアー」だった。
藤山拓さんも四日市へライブしにくるし、
四日市のバンド「雰囲気」もライブをする。
行けない理由が見つからない。
その頃、私は仕事で異動を命じられ
精神的にかなり参ってしまっていた。
自分が何をした?自分に何がある?
自力では太刀打ちできない理不尽さや
不遜な態度の人間に嫌気がしていた。
鬱屈する状況に、線路ばかり見る日々。
そんな折りに、とあるマルシェへ来ていた
HoSoBoSoさんの、垣野のない
柔らかな歌声を聞く。
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桜の花の咲く直前でした
この時、こう思った。
祝福すべき人間を羨む人間でいるより
素直に祝福を伝えられる人間でありたい。
いまの自分はどうだ?
根腐れをおこしかけているな。そう思った。
人の幸せに救いを求めたからだろうか。
丁度そのタイミングで
「結婚しましたツアー」を知る。
結婚という、どうあがいても祝福のベクトル。
これを面と向かって祝えないなど
どんな罰ゲームなのかと。
行かない理由が目標達成するまで我慢など
あまりに理不尽に思えてしまった。
ライブに行きてえ。
HoSoBoSoさんの歌を聴いた11日後、
幸せな二人を前に、歌に溺れる自分がいた。
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こうして、2023年のライブ生活が
無事、幕を開ける。
そして、目標だった富士登山はやんわりと
「まぁ、来年以降でもいいか」
ぐらいの目標へと、変遷していく。
結果的にではあるが
コロナが開けて、山開きとなった
今年の富士登山は、全体的にマナーやモラルが
よろしくないといったニュースが聞かれた。
下手に行かなくて正解だったのかもしれない。
目標は、目標としてあり続ける。
それは自分の人生の采配であって
達成しないことは罪ではない。
ただ選択しない人生の道を歩いているだけだ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
そして今。
私は大阪へ向かう新幹線で
このnoteを書いている。
件の菅野さん金谷さんは、
住み慣れた大阪から
北海道へ引っ越しをすることになった。
なかなかこれまでのように
本州でのライブ活動はできなくなるようだ。
今夜は、引っ越し前の大阪、ラストライブ。
私は、ただただ、お礼を伝えたい。
私のこの一年の、何もかも。
そのきっかけは紛れもなく
お二人なのですから。
新幹線が新大阪の駅に入る。
ありがたいことに
スケジュールが早く回っている。
銭湯へ行って身を清めよう。
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つづく