1月自選短歌 9首 『100℃より高い温度で我を抱け』
こんにちは。萩原アオイです。
言葉を書くのは好きですが短歌歴はほぼゼロです。
稚拙なものばかりですが記録のためTwitterで詠んだもののうちのいくつかを自選短歌としてnoteに残していくことにします。
ツイートでも短歌でも自分で書いたものの解説をすると言うのは野暮なもの。
でも、一言ずつ添えさせていただこうと思います。
あけまして 初日の出の写メ送り合う ふたりの夜は未だ明けずも
RIUMさんの「初句:あけまして」縛り。まだ恋の始まらないふたり。
嬌声す 抜かず体位を変えるひと 人妻になり初めて知るらん
悲しいかな。私が女の楽しみ方を知ったのは人の妻になってからだった。
手の指の温もりだけに踏み留む 自分の理性に溺るる15時
そろそろ現実に戻る時間だから、これ以上は進めない。
でも、時間があったとしてもきっと二人は手を繋ぐ以上のことに進まない。
100℃より高い温度で我を抱け 若き血潮のお前が欲しい
この血が沸騰するほどに熱く私を求めてほしいのに、若いあの人はまるで私に興味がないふりをして。
「君にしか見せることはない」 なんて 囁くひとと、信じたアタシ
この頃はまだ、前の恋に引き摺られている短歌も多い。
こういう痛みを忘れないことが私らしいということと思う。
「せんせいの、いちばんのひとになりたいです」 卒業してから1年後のこと
先生はお元気かしら。アトリエと称したあの部屋にはまだきっと私の化粧品が転がっている。
正絹の帯で締めるは我が理性 ふた巻き解きたる君を待ち侘び
帯をきつく引き締めるたび、自分の理性はどこまで持つかと思案する。
そしてそれを強引に解いてくれやしないか、君。
刃渡は 数センチでいい あの人の 心臓の場所はようく知ってる
RIUMさんのテーマ「執着」。
耳を当てていたあの肋骨の間に包丁を差し入れる簡単なお仕事。
好きと言う 言い方絶対しないきみ そこも好きだよ そこが好きだよ