孤独な夜はどうやって乗り越えたらいい?
秋カヲリ(文筆家・心理カウンセラー)とモモモ♡スパークル(漫画家・イラストレーター)のお悩み相談コラム「オトナ女子の保健室」。
第6回目は「孤独の癒し方」について。人との関わりが減りがちな今、孤独な夜をどう乗り越えたらいい?
Q, ずっと家にいて孤独を感じます。自粛疲れなのか、やる気が出なくて心がしんどいです。
秋カヲリ:夏のお出かけシーズンなのに自粛ムードで、精神的に疲れている人も増えているよね。知り合いの会社でも、鬱っぽい人が増えているみたい。今年は梅雨も長いし、天気が悪くて気分がふさぎ込みやすいのも心配。
モモモ♡スパークル:ずっと雨や曇りだと気持ちもどんよりするよね…。
秋カヲリ:特に一人暮らしの独身者は鬱っぽくなる人が多いみたいで、自粛で家にずっといると孤独感が募りやすいよね。これだけ急な変化に心が追いつかないのは当然だと思う。
人は「慣れ」によって安定する生き物で、引っ越しとか転職とか、大きな変化ってすごくストレスなんだ。転職を検討しても、実際に転職しない人って多いでしょ? 良くも悪くも変わらないほうが楽だし、生きやすいんだよね。
モモモ♡スパークル:なるほど~! 確かに、今までずっと自由に外に出て生きてきたのに、急に「自粛です!」だとつらいよね。
秋カヲリ:相談者さんが孤独を感じているなら、人との関わりが減ってつらくなってるんだよね。「人との関わりを増やそう」と言うのは簡単だけど、実際にはそうはいかない状況なわけで、孤独感の原因をもう少し追究してみるといいかも。なぜ人との関わりを求めるのかっていう。
モモモ♡スパークル:さみしくなるからじゃなくて?
秋カヲリ:それもそうなんだけど、なぜ人と関わっていると気分がいいのか、安心するのか?ってこと。そもそも人は集団で生きる社会的動物だけど、現代社会では集団で生きなくても生命の安全はほぼ約束されているわけで、別にひとりでも生きていけるっちゃ生きていけるじゃない?
モモモ♡スパークル:野生動物みたいに狙われるってことはないもんね。
秋カヲリ:うん。それでも他人を求めるのは、だれかといっしょにいたほうが「自分」を強く認識できて、生きている実感が沸くからじゃないかな。何もない空間に自分だけポツンといると、だんだん自分の輪郭がぼんやりしてくる。自分が本当にここにいるのか、いる意味があるのか、存在価値がわからなくなるものだと思うんだよ。
モモモ♡スパークル:んん…?
秋カヲリ:たとえば、モモモちゃんが「あなたはこの家で一人暮らししてください。必要なものは支給しますから」と言われて、どこかの家でひとりぼっちで生きていたら「生きている意味あるのかな?」「私がいる意味あるのかな?」って不安にならない? 「漫画家・イラストレーターのモモモ♡スパークル」として人からお仕事をもらったり、友達と遊んだり、恋愛したりして、その場その場でモモモ♡スパークルとしてのキャラクターを出してコミュニケーションすることで、自分の存在意義を実感できるものだと思うのよね。
モモモ♡スパークル:確かに! ひとりぼっちじゃ自分のことがわからなくなりそう。
秋カヲリ:私、出産直後に息子とふたりでずっと病室にいたら、すごい不安定になったんだよね。だれかと会って私らしいキャラクターを出したコミュニケーションをしないと、アイデンティティがなくなっちゃう気がしたの。人間は他人を映し鏡にして、自己を認識するものだと思う。だから他人が必要なんだよ。人と関わらず孤独を感じている状態は、生きている実感がわかない状態とも言えるんだよね。
■たとえひとりでも、愛情の矛先さえあればいい
秋カヲリ:ビデオ通話でもいいから、人と話す機会を自分から設けてみるといいかな。リモート飲み会を自分で企画してもいいし、私は1対1が好きだからだれかとふたりだけでゆっくりビデオ通話することもあるよ。
モモモ♡スパークル:友達が忙しかったり、子育て中で時間帯が合わなかったりすることもあるよね。そういうときはどうしたらいいのかな?
秋カヲリ:ちょっと陳腐なアドバイスに思えるかもしれないけど、部屋に花とか植物を置いたり、可能であれば生き物を飼ったりして、いっしょに生きる存在を作るのがおすすめ。孤独を和らげられるっていうのもあるけど、一番のミソは「自分がお世話する」っていうこと。
モモモ♡スパークル:お世話する生き物が良いんですか?
秋カヲリ:うん。人ってなにかをしてあげたときに存在意義を感じて幸せになるんだよね。「愛されるより愛したい」っていうのは的を得てるの。本来は、愛されるより愛したほうが幸せなんだ。
実際、幸福度が高い職種は「教育関係者」「消防士」「理学療法士」とかで、人をサポートしたり助けたりする職種なの。取材でも「どんなときに仕事のやりがいを感じますか?」って聞くと、大体は「お客様からありがとうと言われたとき」って答えるんだよ。
花や植物に水をあげてお世話するだけでも幸せを感じるし、自分がいる意味が感じられて、孤独感を癒せると思う。たとえひとりでも、愛情の矛先さえあれば生きる気力がわくし、さみしくならないからね。
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▼プロフィール
秋カヲリ(文):平成2年生まれ。文筆家・心理カウンセラー。元恋愛依存症の既婚・子持ち。気になったら試さずにはいられない好奇心旺盛な心理オタクで、思ったことは大体口に出す。エヴァが好き。▶Twitter
モモモ♡スパークル(絵):平成5年生まれ。漫画家・イラストレーター。カリフォルニアでアートとイラストレーションを学んだバイリンガルで、来るもの拒まず去る者追わず、ぼーっとしているのが好き。ゆっくり動く。▶Instagram