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はりこらむ コミュニケーションの目的と抽象度

最近「7つ習慣」という本を題材にして、社内と顧問先でスタンスの研修を行っています。その研修で、各人が読んできた本の章をもとに所感を発表したり、他者の発表に対して感じた事を述べたりするのですが、その時の内容が具体的でイメージが湧き、人となりが感じ取れる人と、発表内容が抽象的すぎて本質的に何を考えているか解らない人がいます。以前より感じていたのですが、私的にこのコミュニケーションの抽象度と具体性について考えてみました。
まずコミュニケーションの目的について2つに分けてみました。
A. 相乗効果を目的としたコミュニケーション(WinWin)→継続的長期成果
B. 相手をコントロールする為のコミュニケーション(Winlose)→短期成果
 
Aが目的の場合は、可能な限りの自己開示と価値観の相互理解が前提となる
Bが目的の場合は、開示ではなく情報操作を武器にする事が多い場合もある
 
Aは長期的なお互いのWinが目的になるので、最終的に出来るだけ2面性のない本音のコミュニケーションが必要なります。プライベートな関係でもそうですし、仕事でも長期取引やソリューション的な営業など本質的な課題に向き合わなければならない場合もそうです。
Bの場合は、その時だけの成果を目指す事が多いので、表面的なコミュニケーションになりがちで、むしろ本音や本当の情報を出さずに操作して相手を誘導したりしようとします。
単発取引の営業や、その日の売上を上げる事が目的の仕事などの場合はこういったコミュニケーションになりがちと思います。私自身も初めての営業経験が英会話カセットの個人向けの営業(リピートはない一度だけの取引が中心)だったので、当時はあきからにこのスタイルのコミュニケーションで、その後継続取引が前提の建築資材の会社に転職して、営業上大変苦労する事になります。
私たちの会社は、お客様や従業員も含め長期的なお互いのWinwinを目的にしているので、社員には、できるだけAのコミュニケーションスタイルを身に着けてほしいと思っています。もちろん目的によって効果性の違いはありますがコミュニケーションの抽象度とその影響について3段階に分けてみました。
 
レイヤー1 抽象度高いうわべゾーン
コメント内容例
この本は面白い、感動した。勉強になった。参考になる。勉強して前向きに取り組んで行きたい。あまり参考にならなかった。よく理解できなかった。
●事象と影響
こういっては何ですが、政治家さんのコミュニケーションに割と多いような感じですね。
B目的のコミュニケーションであれば、本音を隠せるし、
受け手の聞き方によっては合意しているふりを出来るし、いざという時には逃げられる
他者との軋轢を生み出す事はないので無事にその時間を過ごせる。
否定的なコメントでも和らげる事ができる。自分がちゃんと理解できていない事をごまかせる可能性がある
本質的には何も生み出さない事が多い
相互理解という意味でも、開示レベルが低すぎて、理解しあえない。
周りがつっこめないので、議論が深くなる事がない
 
レイヤー2 抽象度普通自分意見ゾーン
コメント内容例
この本に出ている、パラダイムという概念や人によって見方が違うという内容はとても勉強になった。
原理原則という意味がちゃんと理解できない。ノウハウとの違いはなん何だろう。
●事象と影響
少なくとも全体の中から、どの部分の感想やコメントなのかはしぼる事ができる。
聞いた人は、その事が書いてある場面や文章を想定したりできる。
(どこに関心をもったか自分との比較ができる)
 
レイヤー3 具体度高い、自己連動ゾーン
コメント内容例
この本に出てくる、電車の中でのシーンで、自分はこういう事を感じて、学んだ
私の人生であった○○な経験と、この本に出てくるこの内容や文章が自分に当てはめて、こう感じられた。これに対してみんなはどう思うのだろうと思った。
●事象と影響
Aが目的のコミュニケーションであればこのレベルが必要かと思います。
本の内容を、自分自身の体験や考えに落とし込んだ上での、コメントなので受け手の解像度がいっきにあがる。シーンが想像できるので、感情移入できる可能性も出てくる
一方捉え方や考え方の違いも見えてくるので、理解できるが共感してもらえないリスクもある。
コミュニケーションの場で、積極的に自己開示する事には勇気が必要ですね。過去に何か傷ついた経験があってトラウマになっている人もいるかと思います。でもリスクをとって自ら開示しないと何もはじまらない、有意義な時間にならない事も事実です。
会議や研修で、誰かが勇気を持って、自己開示してくれる事でその場の雰囲気が変わっていき、他の人も話し始める事ってありますよね。人が集まる機会ってみんなの時間を使っているので、出来るだけ意味のある時間にしていきたいですね。

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