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俺を笑わせてくれる天才

「わたしは犬顔?猫顔?」と嫁さんが俺に訊く…

「なんやそれ?」

「家で犬みたいに旦那さんの帰りを待ってるほうが可愛いやん」

「どちらかと言えば俺が犬みたいに待ってるほうだよ」

「じゃあワタシはどうすると可愛くなる?ワタシは不細工なの?可愛いの?」

 さぁこの辺まで来ると面倒だ。ちょっとした言葉でヘタをうちかねない。

 いわゆるブスというのは目鼻立ちなどが美しいフォルムではない…というだけのものでもないですわなぁ。

 いわゆる美形でなくても笑顔が素敵とか表情が豊かであれば、それはいわゆるブスとは違うんじゃない?やはり内面的なモノが大事なのよ~。

 などと極力嫁さんを刺激することのないよう無難な回答をかましてみたのだが、その後の会話中、嫁さんがおかしい…
 
 不要に顔のパーツを右側に寄せながら俺の話を訊いている…

 なんて顔してるんだ…嫁さんよ、それは“表情が豊か”じゃなくて“キテレツな表情”なだけだよ。だいたい苦しそうだし…多分外ではやらないほうがいい、具合悪いのかと思われるぞ。

 だいたいそんな表情の奴とかいないじゃん?何の顔だよ?と聞くと

「昔あったじゃん?指を擦りあわせてけむりみたいのが出るやつ…あれのジャケの絵…」

 何を思ってそこ寄せになったのかもまるでわからないし、その商品自体駄菓子屋で買った記憶はあるがヴィジュアルが湧かない!

 

 画像を検索してさらに「どこがだよ!」他の画像を探しても目の前の顔真似らしいのは見当たらない…嫁さんの記憶が何かにすり替えられているとしか思えない物の怪具合…

 その後もちょいちょい顔面ようかいけむりが止まらない…

 大丈夫だ、お前はブスじゃないから…と心の中で思いながら涙が出るほどゲラゲラ笑わせてもらった。

 四十過ぎの女の変顔で五十過ぎのオッサン笑う笑う!嫁さんの真似たようかいけむりの元絵を嫁さんに描かせて、もう一回大笑いさせてもらおう。

 ずっとこうやって楽しく暮らしていこうな。

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