蕎麦の季節
親父は大工だった。子供の頃、近所の現場の時は結構遊びに行っていた。
昼時には現場の向かいの蕎麦屋で親父と食事をしたっけな。
その頃小学生だった俺は偏食家であったが、親父に連れられて食べた立ち食いの蕎麦屋が俺の蕎麦の始まりだった。これは前にも書いたっけ…
理由はわからんが”ざる2枚を食べる”ことに魅力を感じた俺は、その現場の終わり頃にそれを達成したことは覚えている。
関東出身であるせいなのだろうか?うどんよりも圧倒的に蕎麦が好きだ。
近所のスーパーで初対面だったのだが、これにはハマった!
"元祖 乱れづくり"の冠がしめすとおり、切りの太さが様々で食感が実にいい!
茹で上がった蕎麦を水でぬめりを取ってざるに上げて食べる…
最強である。
難しいのはそばつゆなんだよな。
未だ温かい蕎麦を自宅で楽しむまでには至っていない。
ざるで楽しむなら現段階ではこれが最強だ。
ストレートでいけるのが良い!希釈のうつろいを気にせず味わえる。
やたら九条ネギのスライスを買ってくる俺に嫁さんが呆れたのか九条ネギを栽培し始めた。
海苔を炙って庭から収穫した九条ネギとともに刻み、あとはわさびだけで充分だよ。
親父と酒を酌み交わしながら蕎麦でも喰いたかったが、そういうことができたであろう時期を俺は自分から捨ててしまってたからな…おまけにその時分は親父のこと嫌いだっただろうからな…
親父が他界して久しい今では、考え直したところで屁の役にもたたない…