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三鷹市吉村昭書斎

今年の3月に移築、公開された作家・吉村昭の書斎を見学してきた。


外観。京王井の頭線井の頭公園駅から徒歩3分ほどの閑静な住宅街にひっそりと佇んでいる。
交流棟。吉村昭と妻・津村節子に関する展示。
二人の著作を手に取って読むこともできる。
交流棟から書斎棟へ続く廊下の壁に書かれた年表。
書斎。中に入ったり物品に手を触れることはできず、部屋の手前からの撮影のみ許可されている。
資料や書籍の数々。
別アングルから。
静謐で、おごそかな空間。身が引き締まる。
茶室。執筆の合間にここで休憩し、駅気を養っていたのだろうか。


茶器。桜餅はダミー。
本人の筆によるものだろう。時間的、空間的に、はるかに遠い、という意味らしい。俗世から切り離された、まさに悠遠な空間である。


と、そんなわけで吉村昭の書斎を見学し、俺の執筆力も高まったかどうかはわからないが、深く静かな感動があった。

ちなみに俺が初めて読んだ吉村昭の作品は、『羆嵐』
1915年、北海道でヒグマが開拓民を襲った日本獣害史上最大の惨事である三毛別羆事件を題材にした作品だ。ヒグマが人を食う恐ろしい描写、そのヒグマと闘う老練な猟師の描写が見どころだ。

歴史ものはほとんど読んだことがないが、天明年間に船の難破で伊豆諸島の鳥島へ漂着し、12年に及ぶ無人島生活の後に故郷へ帰還した土佐の船乗りの史実を基にした物語である『漂流』もおすすめだ。
以前雑感をポストしたので貼っておく。

動物とそれに関わる人々を題材にした短編集も面白い。

まだまだ読んでいない作品がたくさんあるが、まずは動物ものから読もうかな、と思っている。
飾り気がなく力強い筆致で、記念館を建てられるような作家はやはり違うな、と思わされる。

見学の後は、井の頭恩賜公園を散策した。
蚊に喰われまくったw


俺自身の作品も、近々公開予定。
まずはnoteにアップするので、よろしくお願いいたします。

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