【エッセイ】オクラと先入観
うちの家庭菜園ではオクラを植えています。ただいま旬で、日々花が咲いたり実がなったりしています。
このオクラの花、とても大きいのです。
初めて見たときは、あまりに予想外のビジュアルにビックリしました。
なんというか、南国風。まるでハイビスカス(見出し画像には本物のハイビスカスをお借りしています)。
てっきり、小さな白い花が咲くんだろうと思っていたんです。サイズ的には、このゴーヤの花くらいの。
それもそのはず、オクラってアフリカが原産地。熱帯などで栽培されてたんだそうで。どうりで南国風なわけだ。納得。
そして、花もビックリでしたが、実が成ってまたビックリ。
お店でパックされて並んでいるのしか知らなかった頃は、ししとうみたいな感じで、この写真のように実は垂れているものだろうと思い込んでました。オクラもししとうもたいてい同じ売り場に並んでますしね。
ところが! まさかの上向き!
初めて見たときは「うそやろっ?!」と声が出ました。
確かに植生が違う感じがする!
そして、南国の植物らしく成長が早い! そろそろ食べ頃かな? と思ってから、たった一日でも放置すると、信じられないくらいに巨大化する! そして、もう硬くなって食べられない……
お店に並んでいるオクラたちは、農家の方々が、食べ頃をすかさず収穫・出荷してくれた賜物だったのか……
先入観というのは、勝手に抱いているくせに、違っていると「裏切られた」感が湧いてくる。
先入観を抱くのは仕方ない。
人は、自分がその時点で持っている知識や経験でしか判断できないから。
ただ、その自分の先入観と事実が違っていたときに、受け容れられるかどうかが大事になってくる。もしも「裏切られた感」や「怒り」が湧いてしまったときは、一呼吸おく。
このオクラだって、ただオクラで在っただけなのに。オクラとして花を咲かせて実を成しただけなのに。「うそやろ」なんて言われる筋合いはないんですよね。
オクラ、あん時はごめんやで。
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