【情報整理】『イシナガキクエを探しています』【考察】
今回は2024年4/29、5/10、5/17の深夜にテレ東で放映された『イシナガキクエを探しています』についての記事です。
◉『イシナガキクエを探しています』とは?
……というテイのフィクション番組です。
・『奥様ッソ』や『このテープもってないですか?』『祓除』などのモキュメンタリーホラーを手掛けたテレ東の大森時生さんが新たに立ち上げた番組で『TXQ FICTION』と呼称されます。
フィクション作品のシリーズ物を扱う番組として企画されてるようで、今回はその第一弾だそうです。
・『イシナガキクエを探しています』は3話完結で、現在はTVerで無料配信されてます。
今作は、ホラークリエイターの有名どころ……寺内康太郎、近藤亮太、皆口大地(敬称略)が集結して作っているので『フェイクドキュメンタリーQ』とか好きな人には刺さりますね。
オバケがバーン!とは出ずにジワジワ嫌な雰囲気を感じられます🤗
あと、番組のテーマメロディ?がキタニタツヤさんが作曲したものだそうです。
絶妙に不安を覚える音……☺️
・平成の時代は、よくこういう捜索番組がたくさんありましたよね〜
懐かしさを感じつつ視聴してみると、なんだか違和感がチラホラあるぞ……という内容になってます。
この物語、謎が多くてスッキリとはしない結末なので、「結局どういうことだったの……?」となりました😅
Xでは色んな考察が飛び交っていて壮観ですよ!
・「テレビ放映では伝えきれなかった情報」が、後からネット配信で出てくるんじゃないかと期待しつつ、考察もどきをしていこうかと思います。
・頭の中を整理するために、各話での情報を書き出しつつ、最後に考察を書いていこうと思ってます。
以下からはネタバレ配慮はしてませんので、未視聴の方は気をつけてください〜
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ネタバレ
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◉1回目放送の情報
◎人物情報
◎経緯
・米原さんからのコンタクトで、テレ東スタッフが「イシナガキクエ」という人物を捜索することになる。
・米原さんは2023年10月〜2024年1月まで、キクエ捜索に関しての密着取材を受けていた。
(第1話では2023年12月の映像を流している。)
・しかし、捜索の途中で米原さんは他界。
番組は、米原さんの遺志を継いで、今回の捜索番組を放映することになった。
◎いろいろメモ
◈米原さんによるキクエ情報
・似顔絵を描いたとき「えくぼ」に言及していたので、キクエの笑った顔を見たことがある……?
・「イシナガキクエ」という名前は音で知ってはいるが漢字では見たことがないという不自然さ。
・「家族みたいなもの」というセリフの意味するところは?
◈米原さんの捜索スタイル
・おそらく失踪直後に書いたであろうビラを何十枚も印刷しストック。
お世辞にも「本気で探してるのか?」といった内容のビラ。
・近隣住民に配り歩いたり、電柱に貼ったりしている。
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しかし、近隣住民は頻繁にビラを渡されているようで、困惑している様子。
「この前も会ったじゃないですか」「これ(このビラの内容)だけじゃわからない」「妄想だと思う」など、ビラ配りに辟易してる。
◈あとから出てきたキクエの写真
・番組スタッフによる捜索の末、「キクエの存在自体が疑わしい」と結論付けられた。
・それを米原さんに告げると、雰囲気が変わり、番組スタッフたちを信用したうえでキクエの写真を見せてくれた。
→当初は「キクエの写真は無い」と言っていたのに。
最初から見せず、何ならビラにも掲載せず隠していた意図は?
・あの写真、ぼやけて背景透けて見えるんですけど〜?
心霊写真じゃないんですかぁ??なんで誰も突っ込まないの?
・あと、家族アルバムで不自然に真ん中がスペース空いてるページ。気持ち悪いね……
◈番組がしたこと
・米原さんの密着取材と並行してキクエの捜索→見つからず
・特別捜索番組を公開して、日本全国で目撃情報を募る
・キクエの写真をAI補正
◈捜索時の不自然な点
・生きているならば、現在76歳の高齢女性であるはずのキクエ。
しかし、番組に寄せられた目撃情報はどれも失踪当時の20代の姿のよう。
・ビラに書かれていた特徴も、比較的どこにでもいそうな容姿であるし、そもそもAI補正も正確さは怪しい。
◈他界後の米原さん宅動画
・米原さんの近隣住民からの情報。
米原さんの他界後、夜中に米原宅付近をうろつく人影を見かけて動画を撮影した。
女性の声も聞いたと証言。
・しかし実際に番組に送られてきた動画は、真っ暗な米原宅の “中“ で複数の人間が懐中電灯片手にうろつく姿。
白いビニール袋を持って出てきた人も映していた。
→この人たちは何をしていたのか?家の中で何か探してる?
◉2回目放送の情報
◎番組宛の電話番号について
・1回目放送でキクエの情報を集めるために示された電話番号。
これ、フェイクじゃなくて本当にかけることができたんですってね。すごい!
(私はかけませんでした😅)
・大森さんの対談記事を読むと、想定より多くの人がかけてきて対応しきれなかったみたいです。2000〜3000件来たみたいよ……
・そして2回目放送では、電話をかけてくれた視聴者に折り返し電話をするスタッフのやり取りが放映されました。
好奇心でかけてみただけの人は、めちゃドキッとさせられたでしょうね……!
・折り返した相手の中には、キクエを霊視して「閉鎖的で負のエネルギーを感じる」「すでに亡くなっている」などの情報をくれた方もいたそうですが……
◎追加取材
1回目放送の番組中で取り上げられた目撃情報について、その裏付け調査が行われたとのこと。
❉〈30代男性〉
訪問介護先のイシナガさんという家で似ている女性を見かけた。
→「キクエ」という家族はいない
❉〈40代女性〉
地元の病院で名前を呼ばれてる声と、その後ろ姿を見た。背格好も似ていた。
→該当患者おらず
❉〈20代男性〉
夜中に米原宅に出入りする人を映した動画。
→追加情報は得られず、不明。
・ここでコメンテーターの2人から「友人、知人からの情報がない」「全国各地、バラバラの地域から目撃情報が集まっている」などと言及。
→確かに変……なんか漠然としてるんだよね。
◎心霊YouTuberキラフ
・ここで、心霊YouTuberのキラフ氏から番組に提供された動画を見る流れになる。
2024年2月9日に雪がちらつく山中の一軒家で撮影されたものだという。
・そこは15年前から空き家になっている心霊スポットで、家に出入りする人影や大きな唸り声が聞こえる噂があるとか……
中は雑然と物がたくさん残っていて埃も少なめ。
書斎と思しきところには、引き出しや戸が開け放たれた家具がある。
・そこで見つけたのは紙袋に入った古そうな写真。
ボケたり透けてる女性が写ったものが40枚近くある。
その女性の服装や撮影場所は写真ごとに違っているが、同じ人物なのだろうか?
写真の裏には番号が振ってあり、35までは確認できた。(残り数枚は何も書かれてない)
・米原さんが見せてくれたキクエ写真と雰囲気が似ている……と思ってたら。
この数十枚の中に、キクエ写真と同じ場所、同じ人物を撮ったものが紛れていた!
また、番組がキクエ写真を “AI補正して作った顔“ と似ている顔の写真もあったという……
◎池で見つけたビデオテープ
・次の情報提供者は中学1年生の上田さん。
(番組の取材日は2024年5月6日)
学校の部活動で近所の池に行き、そこで落ちていたビデオカメラを発見したようだ。
カメラは古めかしいもので壊れていたが、そのテープを再生したところキクエに似た人物が映っていたので番組に知らせてくれたという。
→ビデオカメラが池の側に打ち捨てられていたことを考えるに、おそらくこの撮影後に男性たちに何事かが起きたことが予想される。
命を落としたとか、這々の体で逃げてこの件との関わりを絶ったとか……🤔
・あの人型のナニカは今も池の底に沈んでいるのか、あるいはあの男たちが引き上げてしまったのか?
ぱっと見、何か封印してる感じだったよね……😨
◉3回目放送の情報
◎スタジオの異様さ
今回はなんと!
スタジオに安東アナしかおらず閑散としている。
セットはそのままなのが異様さを助長していて怖い……
もう、情報提供も求めてません……
◎37年前の地方局番組
・匿名の方から番組に寄せられた映像。
37年前の1987年に地方局で生放送していた「ワイドSHOW」という番組のビデオ映像なのだが……
その番組にかつての米原さんが出演していたのだ。
・昔のビデオのためノイズが酷く聞き取れなかった部分を番組で解析。
↓
という不穏な言葉が聞き取れる。
米原さんの鬼気迫る様子が怖いってのなんの😰
◎紙に書かれた住所、電話番号
・番組は追加取材として、37年前のビデオで米原さんが持っていた紙の電話番号にかけてみるも、現在は使われていないことが判明。
・次に住所の場所を訪れることにした。
そこは米原さんがいた場所から、かなり遠い土地であるらしい。
(取材時、雪がちらついていたので寒い地域か?)
・この住所に住んでいるのは稲垣義一さんという40〜50代くらい?の男性。
昔は母親と暮らしていたが現在はひとり暮らしだという。
・稲垣さんは、米原さんのことは知らない様子だったが、亡くなった母なら知っていたかも……という。
◎母親・稲垣 乙さん
・米原さんが持っていた紙の電話番号は、稲垣さんの母親「乙(オト)さん」が仕事で使っていたものだと判明。
・オトさんは、占い師や拝み屋のようなことを生業としていた様子。
当時の客名簿は見つからなかったが、留守番電話のテープを発見。オトさんは、客とのやり取りを手書きメモする代わりに留守録をよく使っていたという。
・義一さん曰く、オトさんに仕事関係の知り合いはいないようで、唯一の手がかりは留守録テープのみ。
・番組は、このテープを借り受け精査することに。
そして、その中から米原さんの声を見つける。
→米原さんが “お祓い“ 的なこととして、オトさんに「何かの処理」を依頼していたとわかる。
◎番組の締め
・「米原さんがオトさんに依頼したお祓いの理由」「代理人とは何なのか」などの謎に結論が出ないまま番組が終了することをアナウンス。
・そして番組がずっと伏せていた米原さんの死因についてのニュース映像が流れる。
▣考察
とりあえず、今出てる情報だけで色々考えてみます。
はっきりした全容はわからないので……疑問点を羅列して妄想を語ります。
一個人の解釈だと思ってお読みください。
40枚近く、キクエと同じような写真が実物としてあることから、怪異・オカルト案件として考察していきます。
ただのピンボケ写真をあんなふうにはしないだろ……
□私のイシナガキクエ像
・「イシナガキクエ」という名前は漢字がわからず、音でしか聞いたことがない……ということなので
①本人の口から聞いた
②キクエを知る人たちの間で口伝されていた
・キクエ本人の家族、知人からの情報が皆無だったことから、実在する人間ではない。
米原さんが捜索を始めるずっと昔から存在する怪異の可能性。
家族アルバムの意味ありげな空白部分、気になりますよね〜
・また、ビラのキクエ像が漠然としているのも、怪異だから。
写真に写った姿のようにぼんやりとしたことしかわからない。
たぶん実体としての肉体は存在せず霊体なのではないか。
・どんな害を持つ怪異なのかは不明だが、米原さんが55年かけて執念深く “処理“ する程の何かがあるはず。
・「イシナガキクエ」という存在が何体もいるというのも不気味ですね……
□キクエの処理、お祓い方法
・米原さんがオトさんに依頼していたもの。
・“「代理人」を用意する“というフレーズから想像するに、「キクエではない誰か(=代理人)」の身体に「キクエの魂的なもの」を入れて封印する、とかかな?
出てこられないように厳重にして、水没させてたもんね……
・キラフ氏が侵入した廃屋は、見つけたキクエを “処理“ をするための場所だったりするのかな……
□オトさんの仕事関係者
・息子の義一さんは、オトさんに仕事上の知り合いは全くいないと言ってましたけど……嘘をついている可能性もありますよね。
最初に母親の仕事聞いた時、「人生相談」とか「占い師」みたいな濁した言い方だったのが気になるんよね……
・オトさんが普段、どのような方法の “お祓い“ をしていたのかは不明ですけど。
少なくとも米原さんの依頼では人間の身体を使ってるようですし……力仕事もあるから協力者はいたんじゃないかと。
・池で見つかったビデオテープの撮影者たちは、あの “処理済のキクエ“ を見つけることが目的のようでしたし、オトさんから情報を聞いた同業者の可能性高いですよね。
・オトさんがいつ亡くなったのかは言及されてないので想像ですが、同業者に自分の死後の “キクエ処理“ を託してた可能性もあるけど……
逆にあの人たち、封印を解くために探してる雰囲気にも感じられたんだよなぁ。
・米原さん宅でうろついてた人たちも実は霊能関係者で、キクエについての情報やらを家捜ししてたのかも……
キクエは単に「人に害を為す怪異」ではなく使いようによっては何かに利用できる特性持ちだったとかある?
□キクエ探しの発端は?
・とりあえず米原さんが始めたのは55年前。米原さん当時29歳。
・考えられる発端としては
①米原さんが怪異発生の原因
②家に伝わる業を継承した
……とかかなぁ。
・他の家族がみんな全滅してるから何とも言えないよね〜
他に情報源が無い!
もし②だとしたら、仏壇の写真には20〜30代くらいの家族もいたから、その人たちに継がせることもできたはず……なのにしてない。(不慮の事故、病死などで継承できなかった可能性もあるけど)
米原さん自身がやらなくてはいけない行為だったということ?
そもそも米原さんは結婚したり子供がいたりはしなかったのかな?生涯独身?
・そういえばXで、“家族はみんなキクエの代理人にされた説“ も浮上してましたよね。
もしそうだったなら闇深いな〜
でもめちゃ “有りそう“ だよな〜😌
□米原さんは本当に自殺?
・ニュースによると焼け焦げ跡が点在してたようなので、たぶん生きてる状態で火を……だよね?😣
・あと、殺害後に火を点けたとしたら検死でわかるんですってね。
なので自分で火を点けたか、生きてるまま誰かに点けられたか……
・ニュース映像でカメラがズームした先で、意味有りげに映ってた燃え残りは何だろう……?
繊維の何かだよねぇ……
関係ない?
□インタビュー記事から拾う
・ちょっとメタ的に考えてみます。
私、大森時生さんの作品が出るたびに、それに関連したインタビュー記事も拝見してるんですが……
その中で、ちょっと気になった部分があったのでご紹介。
『Hanako』でAマッソ加納さんと対談してる記事↓
この中で大森さんが言っていたこれらの言葉……
・つまり、大森さんの中では公開捜索番組とは「視聴者の誰もが見つかるわけがないと思って見ている番組」である。
⇨この考えを利用して「“探し人が見つからない“ ことを目的とした番組」を作ったんじゃないかと考えました。
これを踏まえてメタからフィクションに思考を戻します。
✢✢✢✢✢
・37年前の米原さんは、地方番組を通して多くの人に「キクエはいない」ことを知ってほしかった。
そして、今回も同様にテレビの力を借りて「キクエはいない」ことを日本全国へ知らしめようとしたのでは?
老い先短くなり、キクエとの因縁を断ち切るつもりで番組を頼ったのかと。
・これまでビラ配りでは「キクエを見た」という人は現れなかったのに、今回の捜索番組では沢山の目撃情報が集まりましたよね。
ビラと番組。
相違点といえば顔写真の有無。
たぶんAI補正した顔写真の効果だと思うんですよ。
はっきりした顔写真が出ることで、番組を見た人たちが「イシナガキクエ」をイメージしやすくなり目撃情報に繋がった。
・さらにもう一歩進んで妄想するならば。
漠然としていた「イシナガキクエという怪異」を、番組を通して「ひとりの人間」として多くの人に認識させ、存在を固定することが目的だったりするのかな〜、とか考えてみたり。
2回目放送では、1回目放送に寄せられた目撃情報の裏取りをして目撃情報の “キクエの存在を否定“ してるんですよね。
最初は「実在する人間」として「イシナガキクエ」という人物についてイメージさせる。
次に、番組を通して視聴者自身に「イシナガキクエという人間は存在しない」ということを自ずと理解させる作りだったのかな〜、と。
・米原さんが近隣住民に呆れられながらも、ビラ配りを続けていたのは、キクエを探すためではなく。
「イシナガキクエなんて人はいない」というイメージを人々に植え付けるため?
住民のみなさん、「米原さんは居もしない人間を探し続けてる」と思ってそうだったよね。
それこそが狙いだった……?
◉最後に
色々疑問や妄想を書き出してみましたが。
まぁ〜、まとまらない(笑)
今作は考察ありきではなく、この物語の雰囲気や異様さを楽しむ作品のようですし。
謎が残る物語の空白部分を各自、脳内で妄想・補完するのが良い楽しみ方なのかな……?
「TXQ FICTION」第二弾も楽しみにしてます!