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若者が仕掛けたドッキリが思わぬ結末へ……【映画『グッド・ネイバー』の感想を書き綴る】

2016年のアメリカの作品。


部屋の固定カメラと手持ちカメラを多様していて、一見POVっぽい。

が、これらの映像はとある裁判の証拠品という体なので、構成はちょっと違いました。

「えっ、次はどうなるの?」と続きが気になる感じで、私は好きな作品でした。

何か悲惨な出来事が最終的に起こるんだろうけど、誰が、どうなったか、を疑心暗鬼で予想するのが楽しい。


◎あらすじ

ひとり暮らしの孤独な老人の家に侵入し【ドッキリ】を仕掛けたショーンとイーサン。
ドアが急に開閉する/クーラーが急稼動する/オーディオから音楽が聞こえてくる・・・等さまざまな仕掛けで老人を驚かせて、反応を楽しもうというのだ。
隠し撮りカメラの映像を家のパソコンに映し出し、老人の反応を楽しもうとしたが、意外にもその反応は冷静なもので、逆に老人の常軌を逸した行動に奇妙さを感じてしまう。
さらに、老人が頻繁に地下室に出入りしていることを不審に思ったふたりは、地下室に何か人には言えない秘密を隠しているのではと疑いはじめる。






◎3行ネタバレ

若者が仕掛けた心霊ドッキリが

爺さんと亡き妻の思い出にヒット

妻に呼ばれたと思い爺さん自殺


◎ネタバレ感想

・まさか仕掛けたイタズラが、ことごとく、爺さんと亡き奥さんの思い出に重なっちゃうとは……運が悪かったというか……
逆に、家中どこもかしこも奥さんとの思い出に溢れてるってことか?

寒い地下室に何時間も籠もって、爺さんが何を思ってたのか考えると、ラストはやりきれない気持ちになります。

もちろん、若者2人は不法侵入して細工して、かなり行き過ぎたイタズラだったとは思う。良くない行為!

・イーサンとショーンは、当初の目論見の『幽霊を信じさせる』というのは成功してたんですよね。

ただ、それが『愛する奥さんの幽霊』だと思っちゃったから、怖がらなかっただけで。

・冒頭の語りにあった「人々は見たいものを見る。」って、劇中の人物たちもそうだし、観客側の私たちもそうだな〜、って思いました。

イーサンはハロルド爺さんに悪いイメージしか持ってなくて、爺さんは地下室に犯罪を隠してるかもしれないと思い込む。

ショーンも観客側も、イーサンの主観の証言しか判断材料がないから『爺さん=悪人』と決めつけて見ちゃうんですよね。

近所の人に暴言吐いたり、ドアを斧で破壊したりするシーンから、暴力的な人物なのかと想像しちゃうし。

あと映画ポスターの煽り文句も、ミスリードだな……
「このジジイ、かなりヤバい」ですよ(笑)
絶対、爺さん何かやってそうだと穿って観ちゃうじゃない〜

爺さんは人工的ポルターガイストを「奥さんからのメッセージ」だと思い込んだ。

そして、たまたまイーサンが動かした物が『奥さんが使う呼び出しベル』だったもんだから、奥さんのもとへ行こうとして自殺してしまった。

みんな「見たいものを見てた」せいで起きた悲劇ですね。


◎総括

イーサンとショーンの若者らしいバカっぷりは嫌いじゃなかった。
やったことは許されないけどね。

POVを裁判資料として出してきたのは、面白いと思った。
若者たちの主観が、これでもかと詰まってましたね。

結果として、独りの寂しい老人の命が無くなりましたが……

奥さん亡くしてから、思い出と愛情と悔恨とないまぜになった心情で暮らしてたんだろうなぁ。

ハロルド爺さんは、最後に『奥さんの霊』を信じることで心は救われたんだろうか?

まさか、こんなにしんみりした気持ちになる映画とは思いませんでした。
面白かったです!

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