【File4 呪われた社内ビデオ】ドラマ『この動画は再生できません』第4話　感想・考察

この作品は『視聴者投稿の恐怖動画』を、オカルトライターの『鬼頭』と動画編集マンの『江尻』の２人で観て、「動画の変なところ」を暴き出していく内容になってます。

とうとう最終話ですよ〜
終わっちゃうの寂しい……！😭
今回は毛色の違った動画で始まります。

◎動画パート　あらすじ

これは大手広告代理店『株式会社フィナコル』が作った、新卒採用者向けの会社紹介動画である。

営業部門　広瀬くん
クリエイティブ部門　崎田くん
デザイン部門　槇原さん
広報部門　烏川さん

入社２年目のフレッシュな若手社員4名が、会社の魅力を伝えるべく作ったと説明されるこの動画、一見何の変哲もないのだが……

広瀬くんが話をしている後ろに一瞬、足の無い人影が映り込む。

そして、最後は同じシーンが細切れに何度も繰り返される異様な終わり方をしている。

現在は『権利者の申し立てにより削除』された。

◎謎解きパート　あらすじ

・結局、DVDの10本目は過去映像の再検証でお茶を濁したらしい。

江尻のナレーションが、めちゃ上手くなってる(笑)
第1話は棒読みだったのに……
おわかりいただけただろうか〜……

・江尻は、いつもの中華屋に打ち上げ用の料理を注文し、鬼頭はリラックスモード。

そこに、江尻は「こんな投稿来てるんですけど」と動画を見せようとする。
見たがらない鬼頭に「見てください」って有無を言わせず見せる江尻の圧よ(笑)

・この動画は「足が無い人影」のせいで『心霊動画』として話題になり、鬼頭のもとへ送られてきた模様。

しかも、動画内でインタビューを受けていた若手社員は全員、このあと会社を辞めてしまった、という曰くつきである。

・横文字が多くてペラペラな内容の動画に、興味が薄そうな鬼頭。

その気持ちわかる……たまにビジネス系の人で、横文字ばっかで何言ってるのかサッパリわからん人いるよね😅

・「こいつら同じようなことばかり言ってて頭に入らない！」と文句を言う鬼頭に対し、江尻は「みんな『ちゃんと見ろ』って言ってますよね……」と動画の真意に気づく。

◉動画の真実（ネタバレ！）

・これは就活生へ向けた『会社の魅力説明』の皮を被った『ブラック企業の告発』動画です。
第４話、一番好きだな〜

・この動画の至る所に、それとなく『ブラック企業』のヒントが散りばめられています。

◈ピントが合ってない背景に『エナジードリンクの缶』がやたら映ってる。
しかもシーンで増減する。
意図的に置いてることが窺えますね。

◈社員が休憩するボックスシートには、まくらとアイマスク……
何度も映る。

◈窓に面したフリーデスクでは「”夜景”を見ながら仕事をする社員もいる」と説明が入る。

⇩
これらから、夜遅くまでの残業。
何なら家に帰れない日もあることが透けて見えます。

・次に、４人の若手社員による仕事紹介。

◈営業部門　広瀬くん
・「Action　まずは行動する！」

・こういう大事な動画撮るってのに、ネクタイが曲がったまま。
→ネクタイを直す余裕もない職場を暗示？だらしない職場の印象は与えるよね。

・この動画作成には「若手が手を挙げた」と言ってたものの、会社には「若手に全部ぶん投げる体質」もあるのでは？

《広瀬くんが伝えたかったこと抜粋》
・「言葉以外にも沢山の情報を無意識に受け取ってる。それに気づけるかどうかが成長の第一歩」
・「この映像も漫然と見るのではなくて、どういう思いが込められているか。僕たちが伝えたいメッセージを意識して、画面を通してコミットしてほしい」

◈クリエイティブ部門　崎田くん
・「Happiness！　幸せを創造する」

・動画撮影中に、明日のプレゼンについて相談。
→時間的余裕がなく、常に仕事に追われている？

・崎田くんの後ろで、槙原さんが疲れた様子でストレッチしてる様子が映っている。

《崎田くんが伝えたかったこと抜粋》
・「いかに相手が求めるものを”創造”できるかが大事」
→創造ではなく”想像”と言いたいのだろう。
・２年目の「若い社員でも上流工程からプロジェクトにアサイン」して「仲間と自由でフリーダムな働き方」ができるらしい。
→ろくに教育されないまま（＝フリーダム）現場で大きな仕事を任されるということか？

◈デザイン部　槇原さん
・「ROOTS！　根源まで掘り下げる」

・後ろにエナジードリンク缶

・「24時間365日仕事って感じ」
「居心地が良すぎてずっと居たくなる」→常に仕事に追われていて、会社に缶詰めのことを指す？

《槇原さんが伝えたかったこと抜粋》
・「デザインって細部が大事」
「伝えたいことをそのまま伝えるのではなく、配置して、見た人が頭の中でイメージを形作るというもの」
・机の上の手の模型の形がカットごとに変わっている。
→これは「助けが必要であることをビデオ通話や対面において相手に知らせるハンドサイン」を Signal For Help（シグナル・フォー・ヘルプ）である。

◈広報部門　烏川さん
・「LOVE！　会社を愛する」

・「若い世代の皆さんがすごく頑張ってる」
→若手に仕事のしわ寄せ？

・「他部署にいても、繋がってる」
→隠された意図が他部署の仲間と繋がってることを暗喩

・背景に置いてあるボトルの水が、カットが変わるとコーヒー？になっている。→ブラック企業の暗喩

《烏川さんが伝えたかったこと抜粋》
・「まずは、疑えってことですね」
「常にデータの裏側を見る」

・最後に若手社員4人で並んで集合写真を撮るシーンの左からの並び順と、各々がスケッチブックに書いていた言葉の頭文字を合わせると……

広瀬「アクション」→槇原「ルーツ」→崎田「ハピネス」→烏川「ラブ」
『ア　ル　ハ　ラ』＝アルコールハラスメントという単語が出てくる暗号となっていた。

最後の締めは
「この会社で働く私達が本当に伝えたいことを動画にすることができました」「私達の想いが、いつか仲間になるかもしれない皆さんに届くことを祈っています。」
当たり障りない台詞が意味深に聞こえますな……

・上司のカットが不自然に沢山切り替わる謎は江尻が解いた通り。
長いカットと短いカットの繰り返し
→モールス信号で『ニ・ゲ・ロ』の暗号です。

今回は鬼頭さんが、意外と推理のアシストしてて良かったですね！

◉その後……

・ブラック企業を辞めた4人は、起業しアプリゲーム開発で大ヒットを出していた。

タイトルは『DEEP SLEEP』……会社辞めて、熟睡できるようになったんだろな(笑)

・この記事の端っこにドラマの他の話に関連したようなニュース記事も載ってて、芸が細かいです。（「女子高校生殺害事件に新展開」とか「DV被害者救済」とか。「フィナコルが粉飾決算で役員逮捕」にはスカッとした！）

・謎も解けたし、若者の活躍は知れたし、良い気分のところに、打ち上げ用の料理が届く。

・しかし、中華屋の一言でその場は凍りつくのだった〜（心霊ナレーション風に）

「あの〜……ずっと気になってたこと、聞いてもいいですか？」

「何でそんなに食べられるんですか？いつも、１人で２人分頼まれるじゃないですか」

その言葉に固まる江尻。

一方で、鬼頭は何気なく眺めていたネット記事に、自分の名前を見つける。

『オカルト作家の鬼頭和弘氏　死去
山中で遺体で発見…』

・おわかりいただけただろうか〜

ここで【ガチ恐】と同じ【REPLAY】画面になる演出がニクい！

これまでの２人のやりとりが、中華屋視点で見ると、鬼頭の姿が見えてないことがわかる。
幽霊だから！！👻

・江尻の「1回くらい本物の心霊映像撮ってみたいですね」の言葉は本当に叶ってしまったし、鬼頭の「それ撮れたら【ガチ恐】最終回だけどね(笑)」は自身の死亡により最終回にならざるを得ないという……

・軽妙なやり取りで弛緩してたところに、急なホラーぶっ込みEDですよ！
ひぇ〜〜〜

最後、引き攣った顔の鬼頭が言う「……撮っとく？」に頷いて、恐る恐る録画ボタンを押す江尻。

この２人いいな〜、ってなりましたね(笑)

・はい、まさかの”本物の心霊現象”がここにあった……！というオチです。
素晴らしい。面白かった。

鬼頭がサイフもケータイも持ってなくて、ポッケに葉っぱ入ってたのは伏線だったんだよ〜！よく出来てる〜！
中華屋さんに意図的に無視されたんじゃなくて、オジサンには見えても聞こえてもなかったんだよ〜
他にも思い当たるフシはありますね。

ロケで山中で死んだのに気づかないで編集部屋に帰ってきての第1話だったんだろうね。
でも鬼頭さん死んでたのには泣ける😭
山で撮った祠がヤバいものだったのか、ただの不運な事故だったのか……

・そういえば、会社名の『フィナコル』って何だろうと思ったら『huinakolu』はハワイ語で三角形を意味するそうです。
この作品、４話とも三角形のモチーフが出てきますよね〜
タイトルから考えると『再生マーク』なのかな▶️

・ぜひ、続編を希望しちゃうけど……
鬼頭さん死んでるしな🤔
この4話でうまく1つの話になってるの面白かったです！