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ソーシャルディスタンス・パラドックスとは?
アフターコロナの時代の経営
今と今後の時代、いわゆる薄利多売の飲食店は、苦戦を強いられることは必至だ。また、脱サラして、ラーメン店を経営したいというような夢を抱いている人は、今すぐにでも、その夢を白紙に戻したほうが良いかもしれない。
そのくらい、この新型コロナで、世の中の構造が変わってしまった。そのことに、ちゃんと向き合って気がつくべきであり、そうしたことを見ようともせず、とっとと早期退職などして、どこかのフランチャイズオーナーに、何も考えずになるようであれば、おそらくそこにはひとかけらの夢のかけらも残らないに違いない。
今はコンビニの最大手、セブンイレブンですら、店によっては利益を上げるのに必死だという。実際、コンビニで働いている従業員は、都内は外国人比率が圧倒的に多いようにすら感じる。これは、長時間、低時給で働いてくれる日本人が少ないことによることは明らかで、かつ、今は外国人のほうが有能だと聞く。
確か、ユニクロの会長だったと思うが、以前、有能で真面目なのであれば、同じ条件だったら、外国人のほうを雇う、というようなことを言っていたような気もする。ニュアンスは違えど、要するに、今となっては、ボーダレスの時代でもあるし、国籍にこだわる必要もないので、同じ条件で、同じかそれ以上「いい仕事」をしてくれるのであれば、国籍など関係ないので、働いてくれるのであれば誰でもいいんだというようなことを言っていて、なるほど、と思ったのを記憶している。
でもこれは、アパレルや、小売の店舗だからできるような気もする。薄利多売の飲食店では、こうもいかないのが現実だ。
薄利多売の店舗の利益率とソーシャルディスタンス
いわゆる「販売業」であれば、今はバーコードをレジで「ピッ」と読み取ることさえできれば、とりあえずの接客は終了する。それ以外ももちろんあるが、それがメインであることには違いはない。そういう意味で、ユニクロのような店舗も、セブンイレブンみたいな店舗も同様だ。
でも、飲食店となると、別の様相を呈してくる。
いわゆる「箱物」としての業態の場合、その箱に、その時間当たり、どれだけの人が入り、どれだけ回転してくれるかによって、利益率が変わってくるからだ。しかも、コロナ以前にギリギリでやってきたところは、自然と赤字が必至となり、それを別の「なにか」で補わなくてはならなくなる。
それが、テイクアウトであったり、通販であったりする。しかし、頭の固い経営者だったりすると、こういう対応ができないものだ。働く側は、それを見極める必要がある。今までは、そんなことは考えもしなかったかもしれないが、これからの時代はそうもいかない。それが、自分の身を守ることにつながるのだ。
こういう経営者は、まず、率先して人件費の削減を行う。当然といえば当然なのだが、前線で働いてくれている人の人件費を、まず削るのだ。でも、そうなると、最前線で働いている人たちの勤労意欲が失われてしまう。正社員だけでなく、アルバイトも疲弊してしまうのだ。人件費が削られるというのは、今まで5人でやってきた仕事を4人でやるということであり、要するに、単純に仕事がきつくなるというに他ならない。
仕事はきつくなり、労働時間は減り、疲れと不満ばかりが増していく環境。
薄利多売の飲食店が、一番こうなりやすい。そもそも論として、ピーク時に満席であることが、利益を生む構造・前提条件だったりするのが、ソーシャルディスタンスを守ると、自動的に満席にできないというパラドックスが生じてしまうからだ。
ソーシャルディスタンス・パラドックス
ソーシャルディスタンスを守ろうとすると、利益を出せないが、店としては、社会的にやらざるを得ない。ただ、売上は欲しい。でも、どうやっても利益は付いてこない。これが、ソーシャルディスタンス・パラドックスだ。私が勝手に言いだした(今、思いついた)言葉である。
要するに、単純に言えば、負のスパイラルなのだが、これに対応できなければ、これからの世の中、生き残ってはいけない。
とすると、働く側としては、やることはひとつ。自分の働いている環境が、適切かどうか、見極めるということだ。経営者は、自分の会社が存続していけるように、頭を使うしかない。経営者は、それが仕事だ。
そういう意味では、このコロナ禍で、占いやスピリチュアルが繁盛したというのも、うなずける話だ。皆、先が見えないから、何かにすがりたいのだ。ただ、占いは大体怪しいものだし、スピリチュアルはもっと怪しいものだ(笑)。一般的に、「当たるか当たらないか」というものであれば、競馬で当たるかどうかというのと、あまり大差ない。でもでも、それでもすがってみたくなるというのが人情だ。だから、それをどうこう言うつもりもない。
私がやっている「名刺リーディング」なんてものも、一般的でない分、もっと怪しい(笑)。ただ私は、比較的、客観的に物事を判断するようにしているので、自分のやっているサービスを、怪しいものだと、自分から言うようにしている。
占いは、だいたい生年月日などを伺うものですが、私は、相手が特定できれば、それだけで十分。写真があれば、なお結構。でも、私がやるのは、その相手とあなたとの関係性を見て、方向性を示唆するというものです。こっちの方が良いと思いますよ、くらいにしか言いません。最終的に決断するのは、あなただからです。
また、私のサービスは、あくまでも、人脈の断捨離サービスです。でも、「あなたが働いている環境が適切かどうか」は確実に判断できます。上司や社長などの写真があれば、それで判断できます。相手の思考を読むような感じなので。そういう意味では、恋愛の相談も可能なんですけどね(笑)。
しかし、ソーシャルディスタンス・パラドックスが存在する限り、これからも様々な業種のお店が潰れては、また新しいのが誕生して、というのが繰り返されていくでしょう。働く側にとっては、たまったものではありませんが、これが、アフターコロナという時代です。
最終的に、そこに必要なものは、あなたの「考える力」となります。それが不足しているのであれば、占いでもなんでも、他の人から知恵や意見を求めるのが、これからの時代には必要なことなのかもしれません。