素朴な疑問。肌から栄養は吸収される?経皮吸収ってなに?
みなさん、こんにちわ。肌研究所ちゃんです。
前回の記事では化粧品とは何か、その効果について書きましたが、今回はさらにその詳細、肌からの吸収(経皮吸収)をメインに書いていこうと思っています。
肌から栄養なんて吸収するわけないと思ったそこのアナタ!!
よく考えてみてください、禁煙治療で有名なニコチンパッチという商品知っていますよね?あれ、肌からニコチン吸収してますよね?
ということで最後まで読んでいただければと思います!
前回の記事はこちらから
皮膚のメカニズム
そもそも私たちの皮膚はどのような構造になっているのか。
人間の皮膚は上から表皮、真皮、皮下組織と層になって構造されており、これらの組織が外部からの物質の侵入を拒んでいます。
イメージはこんなかんじ↓
よく見る皮膚の断面図ですね。まあこのように細かい目の篩(ふるい)のようなものが何層にもなっているわけです。
皮膚をすり抜けられる物質は
一般的な篩(ふるい)をイメージしてみてください。
スイーツを作るときに粉が固まらないようにフリフリするやつです。目が細かくてほとんどの食材は下に落ちませんが、、、粉、通ってますよね?
そうなんです、実はこの篩(ふるい)を通る粉と一緒で
何層にもなっている人間の皮膚をすり抜けられる物質も実は世の中にたくさんあるのです!!
この皮膚の狭き関門をすり抜けるにはいくつかの厳しい条件があるのですが、ここで最も重要になるのが分子量というキーワードです。
分子量とは
少しだけ難しい話をします。
中学校、高校、大学で習った記憶がある方もいるかと思いますが、世の中の物質は全て最小単位の「原子」が組み合わさって構成されています。
この「原子」が結合してそれぞれの物質の特徴を表す「分子」というものが構築されます。
例:C(炭素原子)、O(酸素原子)が結合してCO2(二酸化炭素)
めちゃくちゃ簡単に言うとこんなイメージ↓
前置きが長くなりましたが、この分子が小さければ小さいほど人間の皮膚をすり抜けて体内に吸収されます。前述の篩(ふるい)にかけられる粉と同じイメージです。
様々な研究結果がありますが一般的には分子量1000以下の物質であれば皮膚を通して体内に吸収されると言われています(細かい吸収のされ方は分子量によって異なるそうなので、もっと詳しく知りたい方は下記参照)。
逆に言えば、分子量1000以上の物質は単純に皮膚上に貼付しただけでは体内に吸収されないということです。ただし、近年の技術発展はすさまじく、実は最新技術によって分子量が大きい物質も体内に吸収できるのですがそれはまた次の記事にて。
分子量1000以下、1000以上の代表例
はい、ようやく本記事の核心に入ります。どの成分であれば体内に吸収されるのかについてです。代表的な成分を箇条書きでまとめてみました。
・1000以下()内は分子量です
ニコチン (162)
ビタミンA (286)
ビタミンC (176)
クルクミン(368)
ビタミンE (430)
葉酸 (441)
βカロチン (536)
コエンザイムQ10 (863)
・1000以上
コラーゲン (10万~30万)
ヒアルロン酸 (80万~120万)
見ていただいてわかる通り私たちが日常的に食物から摂取している栄養素って実はそのほとんどを肌から吸収できるんです!!冒頭で記載していたニコチンも分子量162でしっかり分子量1000以下です。
へえ~ってなりません?すごいですよねこれ!もちろんその他諸条件はありますが、理論上は肌から栄養摂取できるんです!!
逆に多くの化粧品に含まれているコラーゲン、ヒアルロン酸は最初に説明した皮膚の表皮さえもすり抜けられず、真皮にさえ届かないのです!必死にヒアルロン酸入りの化粧水や乳液を塗りまくっていた過去の自分に教えてあげたい、、、
まとめ
「肌から吸収するためには分子量の大きさが関係している。分子量1000以下の栄養素は肌から吸収されると考えてよい」
肌から栄養を吸収するような商品が出てくる未来も近いような気がしています!!!
本日はここまで!
次は記事中にあった分子量の大きい物質を皮膚から無理やり体内に吸収させる最新技術についてお話します!!
いただいたサポートはさらなる肌研究費として活用させていただきます!!