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おやすみなさいの呪文

楽しい夢を見れますように、おやすみなさい

長女が2歳の頃から毎晩ベッドで唱える呪文だ。
いつも通り寝かしつけをして、ウトウトしたほんの少しの間にこわい夢を見たらしく、彼女の人生で初めてのことだったし、ひどく泣いた。

夢を見たんやね。こわかったね。
次の夢はこわくありませんように。
きっと大丈夫、遊園地で遊ぶ夢か、アンパンマンに会える夢やといいね。

そして「こわい夢を見ませんように」とお願いをしてから寝るようになった。 

それがいつしか「楽しい夢を見れますように」に変わり、呪文を唱える前に何の夢を見たいかを発表するようになった。


長女は寝るのが少し苦手だったのかもしれない。
お昼寝はベビーカーに乗せてウロウロ歩き回ってる間だけだった。


寝つくまでの間におやすみを60回言っていた。
おやすみにはおやすみで返さないと泣く。平均120回のおやすみが寝室で言われていた。白目向きそう。

下の子が産まれてもそれは続き、末っ子が産まれてもそれは続き、長女が今月11才になる今も続いている。


今でも長女は、静まり返って15分くらいでまだ眠れなかったら「もう朝まで寝れないかもしれない」と絶望的な声でみんなを起こす。

いつまで、いつまでと思うのだけど、もしかしたらもっと続けてもよかったなぁと後々に思い返すかもしれないから、まだまだこうやってみんなで寝る日々は続きそう。