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「〇〇は食べちゃダメ」は好きじゃない

SNSを使っていると、栄養療法について熱心な人の投稿を目にすることがあります。
病気と栄養療法はけっこう結びつきが強いみたいで、強迫性障害を含む精神疾患の分野も、食事についての知識やアドバイスを絡めたツイートを見かけます。

私は栄養についてはほとんど無知で、
発酵食品が体にいいとか、炭水化物の食べ過ぎに注意とか、寝る3時間前は食事を控えるとか、本当にその程度。(しかも寝る3時間前でも食べてる)

まず栄養療法って、どこまでを指すのでしょうかね?
保険適用外の、専門家によるサプリメントや指導を含むようなものも栄養療法だし
SNSでは、体に良いとされるものを個人が選択して取り入れることも俗的に栄養療法と呼んでいる気がします。
この時点でやっぱり私はよく分かっていませんね。ざっくりとしたニュアンスのまま言っててすみません…笑

そんな私ですが、たまにタイムラインにあらわれる「この成分のお茶が自律神経におススメ!」「〇〇の成分を摂ると気持ちが落ち着くよ」などのお役立ち情報がけっこう好きだったりします。
たまたま自分が食べているものだったら嬉しいし、取り入れやすい食材だったらちょっと興味がわきます。
オシャレな薬膳茶とか、ついつい形から入って楽しみたくなっちゃう。
気持ちが沈んだときはこのツボを押すといい!などの生活お役立ちtipsも、見ているだけで明るい気持ちになれます。

でも、栄養療法関連の投稿で、私が、ウッ…と感じるものがあります。
それが今回のタイトル、「〇〇は食べちゃダメ」系の内容です。

たとえば
炭酸飲料は〇〇が入っているので体を破壊します、小麦粉をやめましょう、〇〇が含まれているものは良くありません、〇〇の食べ過ぎは鬱を悪化させます…などです。
全体的に脅し口調といいますか、いわゆる主語がデカい系の言い回しでもありますね。

これらが苦手なのは、私なりの理由があります。

私は、強迫性障害を患っている中で、食べること自体にとても苦労した時期がありました。
菌やウイルスが恐怖対象なので、スープに浸されたものでなければ食べられなかったり(水で死滅するウイルスの場合です)
人の素手を介したものや、出来たてが怖くて、あえて工場生産っぽいものを買ったり、冷凍食品を買ったりして凌いでいました。
自炊するにも、野菜の袋を洗って、その手をまた洗って…と、何時間あっても足りない。なので、お弁当やカップ麺に頼っていました。
外食は、やはりラーメンなどの汁物の商品しか選べず。
まわりのお客や店員さんの動きを気にして、座席でも汚れがないか確認して、メニュー表も自分では触れない…
コップの水も、ストロー無しでは飲めませんでした。

正直、食べ物の成分に気を回す余裕なんて1ミリもなかったんです。

もし、あの時の私が、SNSでそういう投稿を見ていたら、「もう何も食べられない」と、ますます病んでいたと思います。
特に強迫性障害を患っている人は、いろいろなことに対して「こうでなければいけない」と思い詰める傾向です。
そういう、食生活に制限をつけるような言い回しは、相性が悪いような気がするのです。

摂取のし過ぎで体に悪影響を及ぼすものがあるのは分かります。(突き詰めればどんな食べ物もそうかもしれませんね)
だけど、
「好きなときに好きなものが食べられる」
それが幸福なことだと、身をもって知りました。

病気を抱えている人は、経済的にも体力的にも余裕がない場合があります。
理想的な形の栄養がとれない人もいることでしょう。
でも、どんな食事も、よほど偏っていたりしなければ、その人にとっての大切な営みであり、生きる上での救いなんじゃないかな?と思うんです。

だから、「否定」「脅し」「制限」こういったニュアンスの論じ方は、私は苦手です。

栄養の力を否定するような書き方になっていたらごめんなさい。そういう意図はありません。
知識に富んだ人が、自分に必要な栄養を取捨選択して気持ちよく過ごすのは素晴らしいことだと思います。
実践することで、身体や精神面の調子が上向くこともあるでしょう。私も、体に良いものを食べた後は元気になる気がします。
だけど、あくまで自己満足の範疇で済ませるものではないか…と。
医者でもない人が、むやみに「〇〇はダメ」と決めつけて啓蒙する行為は、なんだか怖いです。
※「○○が体に合わないから○○を食べています」などの経験談は、何も思いませんし、むしろ参考になります。

私は、そういう圧のある投稿をする人はSNSで関わらないことにしたので、今は見てはいません。
時々「嫌だったなぁ」と思い出すので、私個人の気持ちの吐き出しとして書きました。

先にも書きましたが、栄養お役立ち情報は大好きです。
ここまで来て何ですが、結局は私の中では言い方の問題かもしれませんね…笑
これからも、Twitterでは皆さんのリポストや呟きで知識を深めていけたらなぁと思います。

食事が美味しくて、しかも楽しいと思えたら本当に幸せなことです。
行動療法の甲斐あって、一時期に比べればマシになりましたが、今でも食事は緊張します。
強迫性障害になる前のように、また何も考えずに全力で食事に向き合えるようになりたいな。