「物流課題」という大きな目標の手前にある業務上の課題を解決したかった!機能的効率よく働ける喜び
大手物流企業で豊富な現場経験を持つ石高。一般的に目に見えていない部分でドライバー様がなさっている大変な業務を経験しているからこそ、課題解決の必要性を痛感していました。さまざまな理由からハコベルへ転じて「本当に面白い」と語る、その理由や背景について迫ります。
大手物流企業「現場と本社」での経験。複雑で難易度の問われる「荷物の積み込み」業務の知られざる過酷さ
—— 石高さんは物流業界ご出身とのこと。これまでどんなご経験をなさってきたのでしょうか。
大手総合物流事業者の路線会社に新卒から11年間在籍していました。路線会社ですから混載便を扱っており、その領域で営業や既存顧客対応、現場管理、配車管理、それらの業務をひととおり経験したあと、次に本社部門に異動になりました。そこからは全国の拠点管理に従事しまして、そこではコンプライアンス観点での管理をはじめ、車両や荷役車両の購入を判断したりシステム面の改修や設計他、その他事業における意思決定や拠点への指示・判断や細かいところで保険等領域も含みますね。実に多岐にわたった業務部門といわれる、会社の中核に当たる部門で勤務をしていました。
そのあとはさらに現場と本社の間にあたる部門に配属となり、配下の現場拠点管理をしていました。結果として「現場から管理部門まで」、物流の幅広い業務を経験してきたことになります。まあでも、私は現場がけっこう好きだったんですよ。もちろん大変なのですが。
「現場」ってひと口に言いましてもあまり知られていないと思いますが、自分で荷物を仕分けることは当たり前のようにありますし、私はフォークリフトの免許をもってますので、4t、10t、トレーラーなどが集荷から帰ってきた荷物を終日にわたってフォークリフトに乗って荷積み荷卸しであるとか。卸したものを各荷捌き場へ運搬して仕分けを行います。それが終わると全国に向けて発送となるので、10t車トラックに積み込むのですが私はけっこう積み込み作業が好きでしたね。
—— 想像していたよりガッツリ現場業務に従事なさっていたのですね。そしてお好きだった「積み込み」作業、気になります。
ある種ブロックパズルゲームの感覚で天井まで荷物を積んで、いかにトラック1台を効率良く満載にするかという作業になります。混載便ですから、1台に積めば積むほどお金に直結しますので、いかにすき間なく荷物積んでいくか?ということを課すのが自分なりに達成感がありました。あとは後輩と競って「今日は何トン積んだぜ!」みたいな感じでやっていたりしました(笑)。
言葉でいうより積み込みは大変な業務。より多く積むことが重要ではありますが、もちろん絶対に荷物を壊してはいけません。荷物の特性によっては少しでも他の荷物と接触することで破れてしまうこともありますし、また、一般的な形状とちがう積みにくい荷物がときにはあり、たとえば鉄の塊が荷物でそのままパレット上に置いてあったり、コイルだのタイヤだのもあったり、電化製品から食品ケースまでいろんな形状の荷物が混載便にはありまして。それをうまく積み上げていくことではじめて「一車を積み上げられる」となるのですが、けっこう慣れが必要なんですよ。
そうしたいわば経験と専門的なスキルが問われることを現場ではやってきまして、意外と楽しかったなと思っています。3年ほどはそうした積み込み等、現場管理に従事していました。
—— 複雑な「積み込み」業務も、石高さんは楽しんで従事していたのですね。ふだん知る機会が少ないのでもう少しお聞きしたいです。
そうですね。発送した荷物は当然受け取る店として到着店があります。そこでラストワンマイルとして、荷物を配送していきます。2t・4tとか軽貨物車両に積むんですが、そこもやはり同様に効率的に積んでいくことが重要です。配送ルートを考えながら積むので、最初に降ろすものはできるだけ後ろに積む。そして一番最後に配達行くものは一番前に積む、というのを考えながら積んでいくわけです。しかもそれを満載にしないとなりません。ですから途中で配送のルート順番が変わると、「いや、その荷物は一番前にあるから取り出せないよ」という話になってくるんですよね。そういった面ではものすごく大変な仕事です。
そうしたルートに加えて個々のお客様の時間指定が関わってきますから、たとえば「午前中指定のお荷物で、だけど(ルート的に)最終の時間帯で行きたかった」という場合に、積みにくくなりますが、後ろのほうにすることも考えながら積み込む必要があります。それらを壊さないように、潰さないように積むことは前提ですから、簡単なことと思われがちですが、考えながらやらないとなりませんので集配は奥が深いのです。
最近、「2024年問題」が広くニュースで取り上げられるようになり、世間一般の方々も少しずつ意識するようになってきました。しかし、配送や輸送の効率を考えた積み込みや荷卸しの難しさは、まだ多くの人には見えにくい部分です。ドライバーの仕事には、積載率を意識しながら効率的かつ安全で、損傷がないように積み付けを行うことも含まれています。一口に積み込みと言っても、混載便と貸切便では求められるスキルが異なりますし、配送だけでなく集荷もあります。また、「降ろしを考えながら積む」ということも、常に念頭に置いて進める必要があるのです。
「夜まで働いてなんとか回す」スタイルの限界、いま目の前の課題を解決したかった
—— 貴重なお話です。さて、石高さんはそうした現場、本社、そして現場と本社の間でお仕事をしてこられたわけですから、キャリアパスも描きやすかったのでは。
各領域で従事したことで視野や解像度は非常に拡がりました。実際、管理職候補としてお引き立てもいただいていましたが、一方で働き方や将来的なことを考えるといろいろと悩みも出てきましたね。大きな企業ですと個人の思惑だけでどうにもならないことが多いですし、政治的な動きやしがらみといったものも当然にあるわけです。現場にいたころに感じていた課題を本社に行けばどのくらい解決できるだろう?と当初思っていました。実際は多少着手できた実感もありますが次第に「これって暫定的な対処療法だよなぁ」と思うようになり、根本的な解決にはほど遠いことを実感する日々だったのです。
「課題感は見えているのにここにいる限り難しい」と感じていたのもあって、解決が可能な環境があるんじゃないか?と思い始めました。それと、極端な言い方をすると「朝から晩まで24時間」働いてやっと回るような環境にいることに、将来を見据えたときに獏とした不安がずっとつきまとってもいました。
自分の仕事が終わったからと言って、明らかに回らなくなる現場を見ておいて「じゃあ、あとはよろしくね」とはできません。配達が遅れると集荷が遅れて、集荷が遅れると発送が遅れて、発送が遅れると到着が遅れて配達が遅れるというように負の連鎖が続いていくわけです。そうすると繁忙期などはやはり朝から翌朝まで勤務、ということも現実として起きてしまっているのが現場なのです。
—— 折しもお子さんも誕生されたタイミングでいらしたとか。いろいろと考えさせられますね。
そうなんですよ、夜まで働いてなんとか現場を回す、というわけにもいかなくなって。働いていることで見えてくる課題は山のようにあるのに、解決する手段を考えて上司を説得し実装していく時間はまるで取れないのです。変えたくても変えられないわけです。
そのように働いている人がいて、初めてみんなが当たり前に荷物を受け取れているという現実があり、そういった物流事業の現場と本社などそれぞれのところからみた課題感であるとか、こうしたほうがいいんだろうと思うけどできない理由もわかるというのを、それこそたくさん抱えながら2023年8月にハコベルへ転職したのです。
—— いわばご自身のライフステージの変化と、課題の解決ができる環境を求められたわけですね。
もともとITやシステムに対して苦手意識はなかったため、前職でも社内システムに関する対応が必要な際には、システム対応者や拠点のITヘルプデスク管理者としての役割を担っていました。それもあってハコベルを知ったとき、「物流 × IT」と聞いて「まさにこれだ!」というのもあり、興味を持ちました。
そこでハコベルが課題としている多重下請け構造の解消や、非効率なアナログ業務の支援という事業内容を知り、まさに私のこれまでの経験を活かせるだろうと思ったのです。なおかつ、自分が思っている生産性を上げるために効率化する、アナログさを無くしてデジタル化していこうという動きは、前職で推進して私が担当だったことでもありました。まさにそれが活かせる環境だと思いを強くしました。
ハコベルでは軽貨物事業部に配属され、最初は一般貨物事業部での経験を活かせるかどうか不安もありましたが、改めて考えると、これまで培ってきた一般貨物の知識や経験が軽貨物事業にも活かせると感じています。特に、一般貨物での広範な物流ネットワークや効率的な配送管理の経験が、軽貨物のオペレーションや顧客対応において大いに役立つと確信しました。
変えるべきことが変えられないジレンマが解消!体感4倍のスピードで物事が進む
—— 改めて、ハコベルでの仕事はどういった内容なのでしょうか。
ハコベルの軽貨物事業部のオペレーショングループに配属され、運送マッチングプラットフォーム事業ですから、その基盤の運営に該当する業務です。ご利用になるお客様や運送会社のお問い合わせ対応や、実際に運行するドライバー様との引き合わせ調整など、そういったマッチング業務が主です。あとは運送会社様との交渉業務ですかね。そういったところを入社からはまずは担当させてもらい、「マッチングプラットフォームとは」といったところの運営に携わりながら経験を積んできました。
これまでの配車経験を活かし、案件の配車のような業務も暮れの繁忙期に担当させてもらいました。それなりにできたかなと思いまして、やっぱり経験が活かせるんだなと心から実感がありましたね。1月にはリーダーのポジションをいただき、4月にはマネージャーとなり、月次日次の予実モニタリングや、日々の課題解決や様々なトラブル対応や、オペレーション上の新たな課題の設計を立てたり各メンバーのKPI設定などが現在の仕事内容ですね。
お客様からの日々のお問い合わせ対応をするチーム、ドライバー様とのマッチング交渉からの問い合わせ対応や細かい調整をするチームがいわば主体となっており、バックヤードにハコベルのパートナードライバーとなっていただく審査のチームや入出金管理をする総務経理チームなどで構成されているのがオペレーショングループです。プラットフォーム事業を成り立たせるうえで欠かせない布陣です。
—— 前職と比較して、ハコベルのサービスについてどのような感想をお持ちですか?
ITプラットフォームでの物流サービスっていう観点で、懸念があった物流ルートの最適化 や空車率の解消を含め、ドライバー様のすき間時間に仕事ができることなど、ハコベルのプラットフォームが可能とすることで社会全体に影響があると改めて感じています。実に多様な観点から貢献できる事業です。
荷物を運びたい人がいます、届けたい人がいます、ここをうまくマッチングすることが主な業務であり、マッチングが増えることで空車率が減り、それによりCO2削減にも寄与し、社会貢献度にもつながる仕事です。ハコベルの環境でいうと、やはりITベンチャーなので大企業に比べ意思決定が早い。技術やサービス導入のスピードも速いですし、一番良い点は自分たちの意見がシステム開発側にすぐ届いて、お客様からの要望でこうしたい、生産性向上のためにこの機能を作りたいということを変えられることです。
ドライバー様や荷主様のご意見から、より良い改善やサービスの進化を自分たちの力で実現できるというところが非常に面白いですし、やりがいにもつながっています。もちろんいろいろと失敗することもあるはずなのですが、そうした経験を込みでステップアップできるのが良いところかなと感じています。
これまで「変えるべきことを変えられないジレンマ」のなかで働いていたので、体感4倍くらいのスピード感で改善ができるので本当に面白いですよ。
自由闊達に役職問わず意見が言えることの喜び。忙しさを「祭り」と言って盛り上げる社風が好き
—— 石高さんのやりたかったことが実現できているのですね。では、ハコベルの環境・組織はどんな特徴があると感じていますか。
社員同士のコミュニケーションにおいて、垣根がなく環境自体がオープンですね。だから社長からメンバーまでフラットじゃないですけど、それなりにフラットに話せる環境で、ちょっとしたことがディスカッションし合える。縦の序列が強い企業にいると、根回しが必要であったり上の人に物申すみたいなこと言うと雰囲気が悪くなったり、意見自体が通らないとかがあると思うのですがハコベルにはそれがありません。
現場の一般社員が支店の長や役員に話す機会ってほとんどないし、社長と直接話すなんてさらに稀ですよね。でも、ハコベルでは部門や役職に関係なく意見が言えるからこそ、意思決定のスピードが早いんだと感じています。アイデアレベルで発言しても、誰も否定することなく、「そういう意見もあるよね、いいよね」と、建設的な会話で前向きに進んでいく環境が本当に良いところだと思います。あと、チームで仕事をするからこそ、チームワークの大切さや繁忙期を「祭り感」で盛り上げる雰囲気もすごく良いですね。
「繁忙期だから大変だな」ではなくて、「そこを乗り切っていこうぜ!」と一致団結するところとか、「祭りが終わったら飲みに行こうぜ」といったところなどは前職ではなかった部分です。年齢構成も前職とは大きく違うので、アクティブな活力も影響しているのかもしれませんね。
—— どういうかたですとハコベルでさらに輝けるでしょうか。
「物流課題を解決する」という大きな目標の前段階でも全然良いと思っています。もっと目の前にある業務を改善したい、とか。私が死ぬほどアナログな作業をやってきたので、ハコベルに入って日常業務の細部に至るまで効率化された各種ツールを用いて仕事ができるのは非常にカルチャーショックだったんですよね。ですので、大きな目標を改善するためにある目の前の業務を、もっと効率化したいと考えている人にはすごく良い環境だと思っています。私はそれがすごく楽しかったので。
また、裁量と責任をもって仕事をしたいかたや専門性を追求したいかたも活躍しやすいのではないでしょうか。プラットフォーム事業ではひとつのことに集中してスペシャリストとしてのキャリアを追求することができると思っています。たとえば配車業務を追求してみたい人や、効率化を極めたい人、またはルーティン業務だけを徹底したい、みたいなことも面白いのではないでしょうか。なにしろキャリアの展望を描くのも自由ですから、幅広い業務に従事してみたいでも良いですし、深くせまく究めたい、でも全然OKだと思っています。