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会社の目指す方向と自分のやりたいことが一致すると、パフォーマンスはさらに高まる!好循環を生み出す環境が魅力

 興味関心のある仕事を、企業風土やカルチャーも自分の価値観と一致した環境で従事できたら人は成長できるーー。いきいきといまの仕事について話す池松からは、改めてそうした「人と組織」の関係性について考えさせられます。難しさのなかに面白みを感じ、やがては「スペシャリストになりたい」と語る、若手エンジニアの現在の仕事についてご紹介します。

システム開発部 軽貨物運送手配システムグループ
池松 大志 Taishi Ikematsu
新卒でエヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社に入社し、SIer部署においてグループのシステム開発を請け負う。のべ7年の在籍期間のなかで研究開発部へ異動ののち、ディープラーニングや画像認識技術、機械学習技術を用いたプロダクト開発に従事した。その後、ゲーム会社を経て、システムプロダクト企業に入社。メインプロダクトのシステムサービス開発にあたるバックエンド側を担当し、システムのリプレース業務にも携わる。2021年8月、ハコベル株式会社に入社し、「ハコベル配車計画」のシステム開発を担当した後、2024年6月より現職。

お客様に深く接した体験が「現場のつらさをなんとかしてあげたい」という原動力に!

—— 池松さんは最近異動したばかりなんですよね。これまでと現在に従事したお仕事についてお聞かせください。

 現在は軽貨物の「ハコベル運送手配」のシステム開発チームに異動しており、それ以前は「ハコベル配車計画」の担当でした。「荷主企業の配車担当者のかたがどう荷物を運ぶのか、このトラックにどの納品先の荷物をどれだけ積んで、その組み合わせをどのようにして…」というようなことを考える必要があります。そうした配車業務は属人化されていることで課題も多く、その辺りを最適化するプロダクトをつくっていました。

 私が「ハコベル配車計画」に参画したタイミングは、最初にベースとなる試作版に当たるものができてから、「これから本格的にプロダクト版をつくりますよ」という段階でしたので、良いタイミングだったと思います。

 そこでは深くお客様と関わる機会を初めて体験させていただいたことで、配車業務の複雑さやお客様のつらさ、大変さについてをまざまざと体験することができました。これが非常に解像度が上がった良い機会でもありましたし、現場のかたがリアルに感じている課題感を生で体験したことで「なんとか改善してあげたい」という気持ちにすごくなったんですよね。とても貴重な経験だったといまでも思っています。

—— 最前線でお客様のニーズを感じ取ってプロダクトづくりに活かすのですね。さて異動先の「ハコベル運送手配」は9年ほど運用されているシステムなんですよね。

 そうです、システムが既に長年運用されているということは、リリース当時はそれでよかったものがだんだんとサービスが拡充されていくに連れ、開発がつらくなる側面があるものなんです。「これをいじって果たして大丈夫なのか?」と心配に駆られるというか。経年によって、どこでなにが動いているかわかりづらい状態になってくることも出てくるからです。
 
 たとえば最近で手がけているのが、ある業務をシステム間で連携するという仕事です。その場合、異なる複数のシステムがそれぞれのロジックを持っていたりして、それぞれで運用が進んでいたりしますと、ダブルメンテナンスが発生したり、そもそもが複雑なロジックになっていることも発見されたりと、全体像の把握に時間と労力がかかってくることがあるんですね。

 ですので、これらを紐解きつつ保守しやすいかたちに持っていき、一部を切り出してリファクターという、外部から見たときの挙動は変えることなくプログラムの内部構造を一部切り出して整理していくことを進めています。

—— ゼロベースから新規でつくる自由度に対して、9年の運用実績があるシステムですから、お客様も多いのでプレッシャーも大きいですよね。

  その点はまさにそうです。ひとつ問題を起こすと実に多くのお客様に影響が出てしまいますので、慎重さが重要です。基本的には移行期間を設け、安全にミスなくリリースできるように開発を進めていきます。これは内部的な仕組み・構造の部分ですから、お客様としてはご存知ないところで進めていくわけです。

 ハコベルのプロダクトは、物流の最前線の場で使用いただいていますので、お客様のお仕事が止まってしまうことは「物流を止める」ことにもつながってしまいます。こうした責任やプレッシャーのある状況で自分の仕事を進めることは、嫌いではないかもしれません(笑)。楽しいとは言い切りにくいところがありますが、一方でパズルを解いていくようなところがプログラム全体としてありますし、お掃除している感覚に近いかもしれません。家をきれいにできたときって「ヤッター!」って気持ちいいじゃないですか(笑)。きれいになったな、と思えた瞬間が楽しさとして感じられるのだと思っています。

—— ほとんどゼロからの立ち上げと、パフォーマンスをチューニングする業務とを担当してきたのですね。ハコベルに入社する以前はどういった経験をなさってきましたか。

 新卒で入社したのはNTTコムウェアという、NTTグループのシステム開発的なものをSIerと呼ばれる部署で、基本的には上流工程から業務分析をし、課題解決に向けたシステム開発、運用や保守までを担うのですが、そこに7年ほど所属していました。最初の2~3年が経つとさらにもう少しプログラムを触るような、実際に手を動かす仕事への希望が沸いてきたのです。そこで、会社のなかの研究開発部に異動が叶い、ディープラーニングや画像認識技術、いまのAIのような機械学習技術を用いたプロダクト開発に従事するようになりました。

 そこではデータベースを使ってWebサービスづくりのようなことを体験させてもらいました。それからですね、Webシステムをつくっていくことが楽しいな、と感じるようになったのは。ただ、母体が大きいとどうしてもスピード感で課題が出てくるものです。ユーザーの要望に対して「スピーディーにクイックに返していけるような環境でつくってみたい」という気持ちが次第に芽生えてきまして、次はゲーム会社に転職したんです。

 もともとゲームが好きだったのでいいかなと思ったのですが、なんとゲームづくりが合わなかったんです。けっこう人気のある有名なゲーム開発に携わっていたのですが、会社の文化的にちょっとしんどかった部分がありまして、別の事業会社に転職をしました。メインプロダクトのシステムサービス開発のようなバックエンド側を担当させてもらい、システムのリプレース業務を担当していました。

業界に統一されたフォーマットがまだないこと。難しさと同時に面白さも実感

—— 実に幅広いご経験!そこでさらにハコベルでのチャレンジを考えたのはどういった背景がありますか。

 前職ではプロダクト自体はとても好きでありつつも、会社の進むべき方向性においては少し合わない部分がありました。事業成長戦略もそうなのですが、なによりテック、エンジニア側の意見が尊重されない文化が多少ならずありました。たとえば、事業側からどんどん降りてくるいろいろな要求を受けることはできるんですが、それを実装したことによって先々に大変な苦労をすることが想定できる状態にあって、開発側の意向は完全に無視して押し進めようとする企業風土があったのです。

 無理を承知でどうしても実装すると決めるのならば、もうちょっとスピードをスローダウンしてでも継続的に良いサービスをつくっていける環境にしてからサービスを育てていくべきなのではないか、と考えるようになりました。ですが、そういった開発側の声が届かないうえに長い目でプロダクトを育てていこうというスタンスでもなかったことに、つらいものを感じていました。
 
 そんなときにハコベルの面接を受けて、価値観にすごく共感できると思いましたし、テックに対する理解というのをとても感じることができました。ものづくりをする環境として、きちんと尊重されているんだな、と感じたことが「ハコベルに行ってみたい」と思えた理由でした。

—— カルチャーがフィットするか?という問いは池松さんにとっても、とても重要なポイントだということがわかりました。さて、エンジニアとして物流業界の面白さはどのようなところで感じますか。

 業界にまだ「統一されたフォーマットがない」ということ。面白みとしてはこれが大きいですね。物流の現場では、お客様によって情報や業務を管理する形態や方法がそれぞれで違うんですよ。我々はSaaSをつくっていますので、性質上「誰か特定のひとりのためのもの」を目指すものではないですよね。さまざまなお客様のなかで、どう必要な機能を抽出していくか?どれを切り捨ててどれを採用するか?といったところがもっとも難しい。たくさんあるお声の最大公約数を取ればいい、という話でもありませんから。

 統一されたフォーマットがないからこそ、ハコベルが業界標準を目指す意味合いは大きく、そうなったら本当に楽になりますよね。さらに、たとえばですが荷主様も運送会社様も同じハコベルのシステムを使用していれば、リアルタイムに更新される状況がわかるので、荷主様も楽になります。一方で運送会社様としてはシステム入力などの手間がかかってしまうのは事実ですが、多様な荷主企業ごとにいろんなシステムを使い分けるとなったらさらに面倒です。それがすべて、ハコベルで一本化となれば、運送会社様もきっと「これ使うとすごく楽だね」と実感いただけるはずなんです。

 我々も楽になる。物流業界も楽にできる。とにかくシェアを広げていくことがいま、ものすごく重要なんだと考えています。

—— ありがとうございます。池松さんの業務における面白み、難しさはどんなところにありますか。

 私がエンジニアとして大事にしていることは、「業界全体のため」の手前段階にまずありまして、「一緒に働く人がつらくない開発」ということ。入社時にプロダクトを触ってコードを書くときに、過去の前任者が書いたコードでつらい思いをした経験があるんです。それで、エンジニアという職においてそれを絶対に他の人にさせたくないな、と強く思ったんですよね。それ以来、あとの人が触りやすいように保守性の良い、可読性の良い、読みやすいコードを書くためには、どうつくれば良いか?ということを考えるようになったのですが、それがすごく楽しくて。しんどいけど楽しい、私の成長にもなるうえにやりたいことでもあるわけです。

 開発しやすいつくり込み設計をしなくてはならないので、それをどう実現するか。どうつくるのがベストか、ということをメンバーと議論しながら方針を決めていく。私だけが責任を持つのではなく、みんなもしっかり一緒に考えて進める体制なので、この点を大切に焦点を当てています。

 私自身、まだ全然コードが書けるとか、設計をきれいにできているとは思っていません。実際に手を動かしながら自分でつくった結果として「これ全然楽になってないよね」とか、「これはみんなのためにすごくよくできたな」といったことがあると思うのですが、そうした経験を重ねていくことで私自身がより早く、より良い設計ができるだろうと想像しています。最終的にはいろんなサービスを触っていって、私のあとの人が楽をできるような状態にできていたらいいですよね。そうすることで、システムとしてマーケットスピードについていけるような開発を実現できていくと思いますので、そこのスペシャリストとして立てていたらいいな、と考えているんです。

仕事内容だけでなく、会社のカルチャーも働くうえで重要な要素。全社が同じ目線でいることで得られる納得感

—— 池松さんが関わった後のシステムは誰が触っても楽な状態になっている、ということを実現するとスペシャリストになっているわけですね。では次に、もう少し広げて「ハコベルの開発」について、思うところを自由にお聞かせください。

 良いところとして、「議論ができる場」ということがあります。心理的安全性というか、分け隔てなく気軽に思ったことをそのまま闊達に議論することができるんですよ。設計ひとつとっても全員が意見を言えますし、みんなが論理的で、感情的になることなしに最善と思えるものを積み上げていくんです。個人的にもこうした環境、話し合いができる場というのが自分の成長につながっているとすごく実感しています。しかもこれが楽しい。以前は慣れていなかったのでしんどい部分も多少あったのですが、いまはフィットしてきて楽しさを感じるほどになりました。

 また、これは開発チームだけに限らず会社全体に共通する点なのですが、長い目で見てくれると感じています。本当に物流業界を良くしていこうという思いが全社で一貫しているからだと思っていまして。短期的な目線というのはやっぱり物事の本質を見ていないからであって、価値観がずれて、やがて議論の方向もずれていく傾向があるのではないでしょうか。

 その点、ハコベルでは「最終的にはこういうビジョンを目指しているから、現時点でこのように進めた方がいいよね」という意思統一に基づいた組織だからこそ、すごくやりやすいんだと思うんです。会社経営方針を聞いていても、自分たちのやっていることが間違っていないと思いを新たにしたり、納得感を強く持つことができているのです。

—— 企業風土や文化をとても重視している池松さんにとって、ハコベルが働きやすい環境なのですね。その環境を活かして、これからどんなことを実現していきたいですか。

 そこはやはり、「ハコベルを業界のデファクト・スタンダードにしていきたい」というのが1番大きく目指すところ。いまはまだ、どこかに負荷を残していたり、お客様にとって完璧に理想的なサービスかと言えばまだ改善の余地がありますし、いろいろなサービスを使わなくてはいけない運送会社様には逆に負担をかけている部分があります。

 物流業界のすべてのさまざまなプレイヤーにとって効率化を図る、という観点では完璧にフィットできていないという点は大きな改善余地だと思っています。これを解決するには、細かいところを徐々に徐々にリストアップしていき、お客様の手の届くサービスにしつつ、ユーザー数も増やしていくことが必要です。これによって最終的にみんなが「ハコベルを使ったら楽になるよね」という核がちょっとずつ増えて社会に浸透していく…。

 それを実現するために、いま目の前の設計をきっちりやっていくとかそういった日常の仕事を大切にしながら、プラットフォームをしっかりつくっていくといったことが、私の実現したいことなんだと思います。




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