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【導入事例】書類の多さと時間の制約をハコベルで解決! 緻密なカスタマイズで輸入貨物に対応 セイノーロジックス株式会社

 セイノーロジックス株式会社は、海上混載輸送のパイオニアとして幅広い仕向地を持ち、さまざまなサービスで輸出入のソリューションを提供しています。その業務は海上のみならず、入港した貨物を国内の荷主に届ける部分まで含まれ、通関を含む複数の手続きと同時に陸運を担う配車手配も行う必要があります。
 ここに「ハコベル配車管理」が導入され、輸入貨物の管理・配送に必要な情報や複数の書類のやり取りに活用されています。輸入貨物を扱う配送ならではの課題やその解決について、同社海外物流部 カスタマーサービス課 課長 アジア物流担当の河合正和さん、同部署の茶山翔太郎さん、加藤奈実さんにお話をうかがいました(以下、敬称略)。

(ハコベルを選んだ理由)
(1) スピードの問われる配車業務を効率化したい
(2) 運送会社ごとに異なる情報のやり取りを統一し脱・属人化したい
(3) 配車業務における手作業による情報管理を効率化したい

速さが強みの「フェリー輸入」は、配車も時間との勝負

——今回「ハコベル配車管理」をご導入いただいたアジア物流ご担当部門は、どのようなサービスを提供されているのでしょうか。

河合:当社は大きく輸入部門と輸出部門に分かれており、私たちの部署は輸入部門の中でも特にフェリーを使った中国・韓国からの輸入を専門にしています。海上貨物は通常大型のコンテナ船を使用し、入港から貨物の出荷(国内荷主への陸運)まで3〜4日かかるのが一般的ですが、フェリーは即日通関・即日出荷できる速さが特徴です。それを国内輸送してお客様へ届けるところまでが私たちのサービスです。

河合さんは「輸入貨物を扱う特性に最適化するための改善を重ねることができ、全体工数は大幅に削減した」と語る

輸入貨物を国内で輸送するには、いったん保税地域へ搬入し、輸入(納税)申告を行い、税関の輸入許可書を取得する必要があります。その間、船荷証券(B/L)・荷渡指図書(Delivery Order: D/O)・インボイス(貨物の明細)など、複数の手続きのためにさまざまな書類が求められ、手続き自体はコンテナ船の場合と何も変わるところはありません。唯一違うのはスピード感です。

——その国内輸送の部分で配車業務を行っていらっしゃるのですね。現場ではどのような課題があったのでしょうか。

加藤:B/Lが届いたら河合と茶山がお客様に連絡し、貨物の内容や納期・納品先などを確認します。私はその情報を受け取ってトラックを手配する配車業務を担当しています。以前は運送会社への連絡をほとんど電話・FAXで行っていて、さらに依頼先が決まったら引き取り書・納品書などの書類をFAXで送って…と、1件依頼するために何度も連絡が必要でした。それが毎日何十件もあり、ほぼ午前中の3時間で手配しなくてはならないので、本当に1分1秒が惜しい状況でした。

茶山:当日の案件はExcelでまとめた「配車表」ファイルで共有していたのですが、その入力も手作業でしたし、配車表の情報を自分の作業に落とし込むのもまた手作業で、要所要所で時間を取られる業務が多かったですね。

河合:運送会社さんによって配車依頼の連絡手段が違ったり、ドライバーさんに引き取り書類を渡すためにコンビニFAXサービスを使ったりと、やり方が一定ではなく、慣れや属人的なノウハウが必要な部分がかなりありました。それをシンプル化して、誰かが休んでもバックアップしやすい形に改善していきたい、という点も考えていました。

午前中に完了すべきトラック手配にFAXを使わなくなったことで「時間減だけでなく依頼状況が可視化できた」と語る加藤さん

業務にあわせたシステム改修を重ね、1年かけて全面導入へ

——毎日お忙しい中で新しいシステムを導入するのは大変だったと思いますが、どのように進めてこられたのでしょうか?

河合:輸入貨物を扱う特性上、最初から完全にフィットした形にはならないとわかっていたので、実際に使う中で課題点を洗い出し、ハコベルさんに相談しては改善してもらうことを繰り返して調整していきました。うちの部署は曜日によって忙しさがかなり違うため、最初はあまり忙しくない曜日から使い始め、段階を踏んで「これなら使える」というところまで持って行き、最後に一番忙しい曜日にも導入できるところまで、1年近くかかったと思います。ハコベルさんとは毎週のようにミーティングしたり、訪問していただいたりしましたね。

——もっとも時間がかかったのはどんな部分でしたか?

茶山:お互いに情報交換したり理解を深めたりする部分で、最初は少し時間が必要でした。ハコベルはもともと国内チャーター貨物の手配をベースにしたシステムということで、国際物流で扱うさまざまな書類の取り扱いや、B/Lナンバーでの管理など、違いに対応するためのカスタマイズが必要だったのです。

河合:管理単位が違う点は大きかったかもしれません。ハコベルはトラック1台を単位に管理していきますが、私たちの仕事はB/L 1件を単位に管理しています。1件の貨物を2カ所に納品したり、2件の貨物を1台に積んだりすることもあり、そのあたりは時間をかけて調整にご対応いただきました。

リアルタイムの情報共有が可能になり、心理的負担も軽く

——ハコベルを全面的に導入した後、業務はどのように変わりましたか?

加藤:一番大きな違いは、FAXをほとんど使わなくなったことです。必要な書類をハコベルの添付で共有できるようになり、FAX送信の手間だけでなく届かなかった場合のフォローのも含めて負担が軽減されました。それと、いつでも案件を一覧できる点が非常に助かっています。以前は大量に電話をかけていたので件数が多いとどれが依頼済みなのかわからなくなってしまうことがありましたが、ハコベルなら依頼状況がひと目でわかります。

茶山:少し先の案件を抱えたままモヤモヤすることがなくなりましたね。貨物の情報が手元にそろっていても、船積みや入港が遅れた場合は情報通りに手配した配車をキャンセルしなくてはなりません。だから以前は、ちょうどいいタイミングで配車を手配してもらえるよう、加藤に情報を渡すタイミングを見計らうのが難しかったですね。今は情報がそろった時点でハコベルに登録しておけば、早すぎることも手配漏れも心配ありません。

河合:全員がリアルタイムで同じ情報を共有できることで、手間や負担がかなり軽減されています。大阪で業務を行っている同じ部署の者と、以前はExcelファイルを送受信して案件を共有していたのですが、それがハコベルで確実に共有できるようになりました。また、納品に行くトラックの車番をお客様に聞かれた場合も、以前は加藤を経由して確認していたものがハコベル上ですぐにわかります。そういったところで業務の工数が全体的に削減され、電話の回数・時間も短縮され、心理的負担の面でも改善されたと実感しています。

——最初におっしゃった、業務のシンプル化という面ではいかがですか?

河合:もし業務の引き継ぎや教育が必要になった場合、これまでは先輩についてやり方を教えてもらう形でしたが、これからはまずハコベルの使い方を覚えてもらい、それをベースに肉付けしていく形になっていくと思います。これなら誰でも同じように教えられますし、これまでよりはだいぶシンプルに覚えてもらえるのではないかと思います。

——現在、御社でハコベルを使っていらっしゃるのはこちらの部門だけですか?

河合:はい。現在は私たちだけですが、将来的には他の部門での導入も視野に入れています。なぜうちの部署で最初に導入したかというと、配車業務に関して量的にも時間的にももっとも大変な部署だからです。ここで問題なく使えれば他の部門でも問題ないと考えられるので、その最初のテストケースとなったのです。

茶山さんは「国際物流用にカスタマイズする必要があった」とし、それにより手配漏れ等の懸念がなくなったと語る。

繁忙期の選択肢を広げた「ハコベル運送手配サービス」

——ここまでお話をうかがった「ハコベル配車管理」に加えて、ハコベルへトラックを手配する「ハコベル配送手配サービス」もご利用頂いています。導入された背景を教えてください。

河合:繁忙期になるとトラックが手配できず、非常に苦しい状況がありました。フェリーが到着して通関が済めば、お客様側はもう安心と思われるのですが、そこから先の配送が手配できなくてはお届けできません。特に“急ぎ”が強みのサービスですから、トラックが手配できないために運べないとはとても言いにくく、少しでも見つかる確率を上げたいとハコベルさんに相談したところ、「ハコベル配送手配サービス」を紹介してもらいました。

加藤:以前は1社でも多く声をかけようと片っ端から運送会社さんに電話をして、それでも手配できないことがよくありました。手配できたらできたで、今度は声をかけた他の運送会社さんに手配完了の旨を伝えないとダブルブッキングになってしまいます。それがオンラインで手配できるようになり、大変助かっています。

河合:私たちの貨物は入港した当日に通関へ回すので、その日の税関の作業次第でどうしても出荷のタイミングが流動的になってしまいます。2024年問題で待機時間の短縮が課題になっているため、その点で敬遠されてしまうこともあるのです。そんな中、配車手配サービスのおかげで選択肢が広がりました。

倉庫へもシステムを繋げ、一貫したリアルタイム共有を目指す

——現在の課題や、これから取り組んでいきたいことはありますか?

河合:ハコベルのシステムを倉庫側とも繋げて、出荷管理にもリアルタイムで情報を共有していきたいと考えています。現在は当日の出荷リストを加藤が手作業で作成し、昼までに倉庫へ送信しています。倉庫側はそれを元に出荷準備を始めます。その後、運送会社から車番の情報が届いたら送り直し、出荷情報に訂正があればまた送り直す、という作業をしています。これがハコベル上でリアルタイムに共有できれば、こうした作業が必要なくなります。誰かが何か情報を入力・変更したら一斉に共有される状態が理想です。

茶山:現在のチャーター便だけでなく混載便にも対応できるようになれば、手作業での入力やチェックがだいぶ少なくなるはずです。結局、今は一つの貨物に関する情報をあちこちに入力している状態なので、その工数を削減できたら最高ですね。

加藤:倉庫側では、路線便で運ぶための伝票を作成する手間がかなりあると聞いています。それをハコベルで一元管理でき、伝票の出力までできるようになれば、いろいろな人からいい声が聞けるようになると思います。

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