10年前に書いた映画短評に、自らコメントしてみる その2
以前書いた記事の、その2です。
『ばかもの』
成宮寛貴さん演じる秀成が、内田有紀さん演じる額子に童貞を奪われ、最初の30分間どっぷり溺れる。
その後、額子に捨てられた秀成がアルコール依存症になる。
学校とかで教育目的で見せられそうな転落ストーリー映像が続く。
それで、色々ありながら…という話。
何だ、これ。
何だ、終盤の画の無駄な美しさ。
離婚してからの内田有紀さんは、強くて、キレイ。
【コメント】
作品名で検索をかけて、画像を見たり、あらすじを読んだりしたけど、この映画を観た記憶がまったく蘇らない。
次に観る機会があれば、はじめましての気持ちで観られるな。
『ガタカ』
あまり好きではないジャンルのSF。
でも、CGをバンバン使って、ハイテク凄いでしょ的なものではなさそうだったので観ました。
扱っているのは遺伝子操作、もう片足つっこんだくらいの近未来の話。
イーサン・ホーク、ジュード・ロウ、ユマ・サーマンという顔ぶれ。
ほとんどの映画では、未来の設定を、さまざまなシーンで少しずつ理解させようとするけど、この作品は序盤にびっくりするくらいナレーションで説明しまくります。
勝手な推測ですが、形式より、伝えたいテーマに重点を置いたから。
もしくは、単純に時間とお金の節約。
派手さのない、エンタテインメント性の薄い内容でした。
「健全さ」や「人間性」とは何か考えてほしいって、ただそれを言っている映画だと理解しました。
【コメント】
ハイテクものを嫌って観ておいて、「派手さがない」なんて…。
クレーマーか、10年前の僕は。
『パンドラの匣』
太宰治の小説が原作。
太宰治の作品の中でも、珍しくポップな話だということで鑑賞。
人間の感情の揺れ動きを描いていて、視点も太宰っぽくて、納得。
ただし、妙に小難しくしようとしてる気がしてる。
何を狙っているのかしら。
原作を読むことがあれば、比べてみたい。
ちなみに小説の『人間失格』は好き。
【コメント】
「小説の『人間失格』は好き」とか言って、すごく本を読んでいる風に見えるけど、実際にはほとんど小説を読んだことがありません。
10年ほど前に誤解を招く表現をしたこと、お詫びして訂正いたします。
『96時間』
あまり期待せずに観ていたせいか、面白かった。
なので、その理由を分析してみました。
大切な人を救助するために男が奮闘する、設定としてはベタ中のベタ。
娘を助けに行くおとっちゃんが、べらぼうに強い。
手段を選ばないし、容赦しないし、判断は早いし、無駄なジョークを言わない。
人の感情が揺れるとか、大ドンデン返しとか、社会に訴えるメッセージとか、そういうのはない。
ただただ、おとっちゃんが強くて、すごい。
娘を助けることしか考えていない。
そのシンプルさが気持ちが良かったのだと思います。
【コメント】
こういうことって、あります。
テーマ重めの社会派映画や、おしゃれな映画を名作だとしがちだけど、エンタメ丸出しの楽しいやつが名作だったりするんです。
10年前の好き勝手言っている自分も参考にしながら、今後の映画選びの参考にしたいと思いました。
過去の感想文はまだまだあるので、またやってみます。