ソランちゃん。
ドリルです。
僕は 歩くのが好きだ。
会社の行き帰りもバスに乗らず35分程かけて駅まで歩く。
会社から帰る35分の間に 日課のように妻の携帯に 今から帰ります電話を架ける。
『プププッ…プププッ…トゥルル ル………トゥルルル………』
『ガチャ』
「あっ、もしもし。今から帰るわぁ。なんか買って帰るもんとかある?」
「もしもし?う〜ん 別にないかな?」『ぅええ〜………ぅえええ〜』
「あれ?ひまり泣いてない?なんかあったん?」
「うん、去年のクリスマスにあげた人形あるやん?アレにシールとかいっぱい貼ってて 気持ち悪いから外してって言うたら『パパに見せたいから そのままにしとくの!』って言うて聞かへんねん。」
「えっ?なんなん?めっちゃ かわいいやん?ちょっと ひまりに電話代わってよ!」
「うん。…はい、ひまり。パパやで。」
「えっ?パパ?…パパァ、ひまりね、パパにね、よろこんでね、もらおうと思って、ソランちゃんにシール貼ったの。」
「そうか、そうか、ほな、パパが帰ったら見せてな。ママには パパから そのままにしとくように言うとくから。あと 1時間位で帰ると思うよ。」
「うん!パパァ…だから、かえり つみっコぐらしのバスボール かってきてな。」
「わかった!任せといて!ママには パパから言うとくから!ママに代わってくれる?」
「うん!」
『プツッ…………ツー………ツー……………』
切っとるやんけ!
まぁ、良いけど…しかし、かわいいなぁ 例え すみっコぐらしのバスボールが欲しい為とはいえ 僕が喜ぶ為に一所懸命 何かしてくれたと思うと…まぁ、「うんことパパどっちが好き?」って聞いたら ためらわず「うんこ」って言うてたから うんこには 負けてるけど やっぱりパパの事が好きなんやな……でも、ママとお兄ちゃんは うんこに勝ってたもんなぁ……ジィジも うんこに負けてたな…フフッ…かわいそうに…………でも、若干のためらいは あったなぁ……色々聞いた結果 ゴキブリよりは パパの事好きって言うてくれてたから………
ママ≧お兄ちゃん>うんこ>G>パパ>G
って感じかな。
なんて考えているうちに家に着いたので鍵を開け洗面所でウガイと手洗いわをしてリビングのドアを開けると、
「ウっヒャー!!パパァ!!」
と、娘が満面の笑顔で抱きついてくる。
「パパァ!バスボール買ってきた?」
「もちろんやん!買ってきたよ!パパのこと好き?」
「うん!」
「うんこ とどっちが好き?」
「うんこ!」
「そうか…あっ!そういえば パパの為に ソランちゃんに一所懸命 シール貼ってくれたんちゃうの?」
「そやで!ひまりね、バスボールね、欲しいから ね、いっしょんけんめい シール貼ったよ!見せてあげてもいいよ!見るぅ?」
「みるみる!見せて!」
「じゃ〜あぁ、こっちきて!」
そう言われて 手を引かれて ひまりちゃんについて行く…
……………
………………
………………………
…………………
………………………
「…………気持ちわるッッ!!!!」
「えっ?なんなんこれ?ひまりちゃん 大丈夫?ソランちゃん何でこんな事なってんの?」
「ヘヘッ、ソランちゃんね、おっちょこちょいやねん。」
「あぁー、なるほど。おっちょこちょいなんかぁ………っておっちょこちょいの次元が異次元やで!!取り敢えず マスクしろ!!いや、ツッコむとこそこじゃないよな!?だって これ、仮にパパがやったっていうたら病院 勧められるレベルじゃない?」
「そうやねん、ソランちゃん おっちょこちょいやからケガしてんねん!」
「いや、人の話ちゃんと聞け!」
この話 本当度 100%
いや、マジでドン引きしました。トイストーリーに出てくるシドを彷彿とさせる出来でした。しかし、よく考えたら僕も高校生くらいの時 似たような事してたなぁ……みんな、同じような事してるんか……と納得できました。それはともかく なぜこれを見て僕が喜ぶと思ったんでしょうか。
おっちょこちょい…………か。