口撃と暴力。
ドリルです。
僕は 小学生の頃 全然 勉強しませんでした。すみません嘘をつきました。小学生だけでなく小中高 ずっと学生の間 勉強はしていません。授業中も ほとんどノートを とらず 教科書に落書きしたり 前の子にちょっかいを出したり して遊んでいました。
小学4年生の時 窓際の後ろから2番目に座ってる僕は 後ろから3番目に座っているセイ君に いつものように授業中にも関わらず 鉛筆で背中を突いたりして遊んでいました。
セイ君は 塾に通っていて勉強も出来るので 授業なんて聞かなくても余裕でついていけます。なので、ノートなんか も取らず 僕の相手をしてくれる心優しい少年でした。
そんな、授業に集中していない2人を見て 担任の山口先生が イラッとして、注意する。
山口先生は 丸いメガネを掛けた長身で肩の辺りまで髪を下ろした ハイジに出てくる ロッテンマイヤーさんのような厳しい雰囲気の女性の先生でした。
「セイ君とドリル君!ちゃんとノート取ってんの!!」
そう言われて 正直 授業なんて聞かなくても余裕のセイ君は、
「ノートなんて取らなくても テストなんか余裕で良い点が取れるから取ってませーん。」
……………なんて言うはずもなく 、
「ハイ。取ってます!」
と、言ってごまかす。
僕も それに つられて………
「と、取ってます!」
と 少しぎこちなく答える。
すると 山口先生が、
「じゃあ、後ろから全員ノート集めてきて。」
『…………!な、なんやて!そんなん今まで一度もした事ないや おまへんか!そら、あまりにも殺生や!あんた!ホンマは わてらがノート取ってないのわかってはるやろ!』
と、僕がいくら心の中で叫んでも 後ろの席から無慈悲にノートは 回収される…………。
そして、休み時間に 僕達二人は 呼び出され 山口の尋問が始まる。
「セイ君?ドリル君?なんで アンタら ノート取ってないの?」
「す、すみません。先生………つい、遊んでてノートとってま……………」
っと、話してる途中で セイ君が 遮り、
「だって、授業オモンナイし 別に先生の話し聞かんでも わかるから 取っても無駄やと思いました。」
(オイオイオイ!セイ君?セイよ!これって連帯責任っぽくない?お前は そうでも僕は そんな頭の良い感じちゃうよ?ある種 正論かも知らんけど 何でそんな炎に油ドバドバ入れちゃってんのん!?)
と、僕の心の声は 虚しく響き 更にセイ君が 山口に 追い討ちをかける!
「それに、あれでしょ?テストで良い点さえ取れば問題無いんじゃないんですか?」
『ブチッ!!』
なんて音は 実際してないですが 確かに僕は 聞こえました。
怒りゲージがMAXに なった YAMAGUCHIのガード不能 超必殺技がセイ君に襲いかかる!!
YAMAGUCHIは 左手でセイ君の右の頬をつねると同時に 左の頬を連続ビンタするという終わりのない凄まじい連続コンボを放ちます!!
「いはい!いはい!へんへい、こめんなはい!!」
何を言ってるかは 分かりませんが 間違いなく謝罪の言葉をのべてるのは 分かりましたが、先生は…
「はぁ?何言うてるか わからんなぁ!!」
勿論 頬をつねられながらビンタをくらっていては まともに喋れるわけがありません。
僕は それを見て、『めちゃくちゃや……まるで山○組やんか…4年1組YAMAGUCHI先生のクラスは、言うてる事 山○組やんか ややこしいけど……キリストさんは こんな時どうするんやろ?次に差し出すホホが見当たらへん時はどうするんやろ!』なんて 考えながら 次は 僕の番だと思うと ただただ ガタガタと震えて その場に立ちすくんでいました。
が、このままでは セイ君の ほっぺたが完全に使い物にならなくなると思った僕は ありもしない勇気を振り絞って、
「先生!セイ君に先にちょっかい出したんは 僕です!」
……………と、先生の手が止まる。
「ハァ?ほなアンタが悪いんか?」
僕は ビビった!ビビりまくった!結果………。
「い、いや、確かに最初に誘ったのは 僕ですが セイ君も一緒になって遊んでたんで 2人とも悪いと思います。ほんで、セイ君は もう十分罰を受けたと思います。僕の分まで罰を受けてくれました。だから もう許してあげて下さい。」
「あんた……………最低やな!!怒る気も 失せたわ!」
そう言ってYAMA口先生は 聖母のような慈悲で 僕達2人を許してくれました。
この話の本当度 80%
今だと絶対アウトな体罰ですが 昔は 割と普通にあったと思います。決して体罰を擁護するわけでは ないですが先生は 怖い お父さんは 怖い そんな事が もう お伽話のようになってしまっていて 少し淋しいような気もします。まぁ、そんなん 言うてる 僕は 親にも先生にも幸いな事に殴られた事は ないんですけどね……………。