見出し画像

医師と確定申告②-ふるさと納税-

前回確定申告について記事にさせていただきました。
その続きを書いてみようかなと思います。


ふるさと納税って今や知らない人の方が少ないですよね。
制度について一度振り返ってみましょう。

ふるさと納税とは

総務省のHPより引用してみます。

「納税」という言葉がついているふるさと納税。
実際には、都道府県、市区町村への「寄附」です。
一般的に自治体に寄附をした場合には、確定申告を行うことで、その寄附金額の一部が所得税及び住民税から控除されます。ですが、ふるさと納税では原則として自己負担額の2,000円を除いた全額が控除の対象となります。

例えば、年収700万円の給与所得者の方で扶養家族が配偶者のみの場合、30,000円のふるさと納税を行うと、2,000円を超える部分である28,000円(30,000円-2,000円)が所得税と住民税から控除されます。

総務省HP
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/about/

自治体へ寄付した金額-2000円が翌年の所得税と住民税から引かれるよーってことですね。シミュレーションしたことある方はわかると思いますが、この計算は意外と複雑です。


所得税からの控除 = (ふるさと納税額-2,000円)×「所得税の税率」
所得税からの控除額は、上記(1)の計算式で決まります。
なお、控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額等の40%が上限です。

令和19年中の寄附までは、所得税の税率は復興特別所得税の税率を加えた率となります。

所得税の税率は、課税所得の増加に応じて高くなるように設定されており、その納税者に適用される税率を用います。
所得税の税率について(国税庁)別ウィンドウで開きます

住民税からの控除には「基本分」と「特例分」があり、それぞれ以下のように決まります。

(2)
住民税からの控除(基本分) = (ふるさと納税額-2,000円)×10%
住民税からの控除の基本分は、上記(2)の計算式で決まります。
なお、控除の対象となるふるさと納税額は、総所得金額等の30%が上限です。
(3)
住民税からの控除(特例分) = (ふるさと納税額 - 2,000円)×(100% - 10%(基本分) - 所得税の税率)
住民税からの控除の特例分は、この特例分が住民税所得割額の2割を超えない場合は、上記(3)の計算式で決まります。
上記(3)における所得税の税率は、個人住民税の課税所得金額から人的控除差調整額を差し引いた金額により求めた所得税の税率であり、上記(1)の所得税の税率と異なる場合があります。
(3)'
住民税からの控除(特例分) = (住民税所得割額)×20%
特例分((3)で計算した場合の特例分)が住民税所得割額の2割を超える場合は、上記(3)'の計算式となります。
この場合、(1)、(2)及び(3)'の3つの控除を合計しても(ふるさと納税額-2,000円)の全額が控除されず、実質負担額は2,000円を超えます。

具体的な計算は、お住まいの市区町村にお問い合わせください。
(ただし、お住まいの自治体によって、控除の対象となるふるさと納税額の上限はお答えできない場合があります。控除上限額については下記に掲載している表や「寄附金控除額の計算シミュレーション」もご利用ください。)

総務省HP
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html

まあ具体的に知る必要はありませんが、この計算を考慮して自身の収入を元にふるさと納税で控除できる金額の上限が決まるわけですね。

上限額ってどうやって計算したらいいの?

結論から申し上げると、バイトなどの収入がある医師は正確な上限を試算することは困難と思います。その年の1-12月の所得を正確に予測できれば可能ですが、難しいですよね。バイト先の給与明細を全て参照して計算すればできるんでしょうが・・・・
その年によって勤務先が変わったりする方も多いと思います。私も前年の所得を参照してざっくり計算しています

ふるさと納税って本当に得?

これはあくまで私の考えですので、異論は否定しません。
以前はふるさと納税という制度は得しかなく、やらないことが損と感じていましたが、最近は必ずしも得とは言えない面が二つあるなと思います。

まず一つ。2000円の自己負担があるということ
ふるさと納税をしなければ返礼品はもらえませんが、2000円の手出しは必要ありません。納税額にもよると思いますが、年間数万円の納税額だと2000円という額はそんなに小さな割合ではありません。

二つ目は、税金の先払いをしなければならないということ。
ふるさと納税で寄付した額は、翌年の税金から引かれるわけですが、これって前年に前払いしていることになりますよね。投資を行っていると現金が手元から出ていくことが先延ばしになるということ自体が利益になる場面があります。10万円、20万円という金額を半年以上も前に支払う必要があるという視点は重要です。

ただ、総じてお得な制度だと思います。
私自身も利用していますが、寄付先には注意が必要です。

こんなふるさと納税はやめておけ

なんとも過激な表題ですが、これも私の勝手な考えです。

ふるさと納税のサイトを開くと、普段食べない高級なフルーツやお肉など魅力的な食料品ってたくさんあって目移りしますよね。私自身も当初はちょっといい牛肉を頼んで喜んでいた時期がありました。
しかしながらこれは非常に損な行動だと感じ、見直しました。

それはなぜか。
ふるさと納税は何も損がないわけではないからです。
自己負担額もある、手元の資金も前倒しで取られてしまう。その負担を背負ってなお、贅沢品に消費することは得策ではないでしょう

私はことことに気がついてから、ふるさと納税は全て、日常での必需品を頼むようにしています。幸い日用品を返礼品として扱っている自治体は無数にあります。トイレットペーパー、ティッシュペーパーなどどの家庭でも必ず必要で購入するものを選んだ方が賢い選択だと考えています。

そして、その浮いたお金で消費をするなり投資をするなりというやり方の方が選択肢が広がりませんか?


ふるさと納税は賢く利用しましょう。



いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集