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hannah【ゆるイラスト/小話】
2015年5月19日 00:04
ツツジっておどろおどろしい感じがする。という人は少数派だと大人になって気がついた。私はその少数派だ。なんていうか、花の色がどぎつい感じがしちゃうんだよね。と思いつつ、他の花なら気にはならぬ。思い出した、ある光景。それはかくれんぼうをしていた5月。神社にはたくさんのツツジの花が咲き乱れ、私は埋もれるように花の裏に隠れた。友だちは私をなかなか見つけられず、ドキドキしながら潜んで
2014年11月3日 23:27
ヒールの高い靴で歩く気力を何とか奮い起こして、エミはエレベーターから降りて廊下を歩いた。シミだらけのカーペットもすぐギシギシいうベッドもエミの仕事場のようなものだ。 どうか、変な人じゃありませんように。部屋のドアをノックすると、生真面目そうな男が少しだけドアを開け、エミを上から下まで眺めた。 「ババアかよ」投げつけられた言葉だけが廊下に残されて、エミは閉ざされたドアに目を向けた。
2014年9月12日 19:22
はんせいしなさいっておまわりさんがさっきから言うの。すごいこわい顔で怒ってるの。スーパーでパンを買おうとしてたの。でも、いつの間にかパンのことを忘れてて、ジュースを買おうかなっておもって、ジュースを持って、で、パンをそうだ買わなくちゃとおもいだして、バタバタしながら、レジをとおりすぎたら、おばさんにウデをつかまれたの。あなた、ジュースのお金はらってないでしょうって。ジュースのことはす
2014年9月12日 21:00
「467番、差入れだ」いつもよくしてくれる担当さんが私にお菓子の袋を渡した。たけのこの里ときのこの山が小袋にたくさん入っていた。「弁護士さんからですかね?」「いや、そうじゃない。大久保さんっていう人だけど、467番は知ってる人?」「いいえ」