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夢を抱くこと

僕は夢を抱くことができる人が羨ましい

世の中の誰もが経験しているであろう、小学生の卒業文集での「将来の夢」というタイトルでの作文。それを小学生の僕も書くことになった。

周りの友達は「サッカー選手になりたい」、「お嫁さんになりたい」、「お金持ちになりたい」などいかにも小学生らしい、でもとても純粋で今の自分ではバカにできないような素直な夢を書いていた。

僕は何を書いたかというと

何も書けなかった。

何も書けなかったと言うと語弊があるかもしれない。

正しくは「何も将来の夢が思い浮かばなかった」である。

当時12歳の僕は夢が無かった。(というか結局大学を卒業する時点になっても夢を持ったことがないままだったのだが‥‥‥)

生まれた時からいわゆる普通の家庭で育てられ、友だちも少なくはない方だったと思う。小学3年生からはバレーボールを始めて、6年生の時はキャプテンなども任せられていた。勉強も塾などには通っていなかったものの結構成績はいい方だったと思う。放課後にはよく友だちとゲームをして遊んだりもしていた普通の小学生だったはずである。

でも夢はなかった。周りのみんなは何かしらの夢を持っているのにである。

その状況は中学、高校、大学を卒業しても変わらなかった。

学生時代を過ごす中で色んなものに触れてきた。

中学では始めて恋人ができたり、モンハンを何時間もやったり、初めて塾に通ったり、学年委員長(学年で一番のまとめ役みたいなもの)を任されたり、猛勉強の末、第一志望の高校にも合格出来た。

高校では様々な刺激的な体験をした。コスプレをして大声を出しながら街中を歩いたり、朝から夜の9時まで運動祭をしたり、パンツ一枚で校庭でサッカーをしたり、授業をサボって校庭で焼き芋を焼いたり、焼き肉を食べたりしていた。(かなり個性的な高校でした‥‥)

高校では部活(バレー)にほとんどの時間を取られていて、勉強なんかマジでしていなかったので1年浪人して東京の私立大学へ入学した。東北に住んでいたので、上京するのはかなりワクワクしていたのを覚えている。上京してからは本当に楽しかったし、成長できることが多かったと思う。色んな国へ旅行に行ったり、先輩にフェスに連れて行かれて音楽の素晴らしさに気付いたり、吐くまで酒を飲んで潰れたり、25キロのダイエットに成功したり、大学の後輩(元風俗嬢)に恋をしたり、初めてバイトをしてお金を稼ぐ大変さを知ったり、ビジネスコンテストで賞をもらったり、ゼミの研究で文部科学大臣賞を頂いたりした。

本当に色んな人との出会いがあり、成長の機会があったと思う。大学生活で関わってくれた全ての人に感謝したいです。

でも夢はなかった。

もちろん色んな経験を通じて「ああいうことしたいな」とか「こんなことしてみたいな」という気持ちを抱くことはあるが、情熱が足りないのだ。

色んな興味や関心が湧き上がってくるがすぐにどこかへ消え去ってしまう。

夢をどうやって抱くのかそもそも分からないのだ。

大学3年になった僕はなんとなく就活をして、(色んな幸運はあるのだが)難関と言われるコンサルティングファームに内定を頂き、今も働かせて頂いている。

コンサルというのは激務で知られている。僕の会社も例外ではなく、僕も研修が終わった後からは残業が月50時間近くになることがほとんどであり、なかなかしんどいなぁと思っている。そんな中で先輩が病んでしまい突然来なくなったり、退職したりする様子も間近で見た。新卒1年目からそんな様子を見てしまった僕は、「社会人はここまで精神や生活を犠牲にしてまで働くものなのか」と絶望に近い感情を抱いているところである。コンサルは高い給料を頂けるのだが、高い給料よりも自分らしく生きられる生活を優先させるべきだと個人的に感じている。

そういった目まぐるしい日々の中で「自由に生きたいなぁ」と感じることが多くなった。毎日朝日を浴びてコーヒーを飲み、空をゆっくり眺められるような日々を送りたいと思うようになった。

そして「自由に生きたい」という思いは、「夢」なのかもしれないと気づいた。

人生で初めて抱いた「夢」である。

何が自由かも分からない、自由に生きていけるかも分からない

でも強く感じているのである。慌ただしい日々の中で。

また明日から息が詰まるような1週間が始まる。でも「夢」がある。

自由になるためにもう少し色んなことにチャレンジする必要があると思う。

このnoteを書いているのも自由への何かのきっかけになるかもしれないと思って書いている。

僕と同じような人生を歩んでいる人がいればその人に届くと嬉しいと思う。


Twitter:@masa_note8


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