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ホームメイド・スコーンとクロテッドクリームのレシピ

私が普段よく作っているスコーンのレシピを紹介する。
スコーンへの思いは前回の記事(ホームメイド・スコーンを楽しむ)をご覧いただきたい。

クロテッドクリームの作り方

クロテッドクリームは乳脂肪分の高い生クリームを70度で8時間加熱して、脂肪分を分離させることで作る。ホットクックに加熱を任せることで、一般家庭でも簡単にクロテッドクリームを作ることができる。

我が家のホットクックは1.6Lタイプだが、他のサイズでも問題ないだろう。ただし、内釜に生クリームを入れたときに表面積が大きいほど、出来上がるクロテッドクリームの量も増えるため、一度にたくさん作りたければなるべく大きい容量の方が良い。

材料

  • 乳脂肪分45%以上の生クリーム……1パック

今回は「タカナシ 特選 北海道純生クリーム47」を使用した。

一般的なスーパーでも簡単に手に入れられる生クリーム。

手順

(1)生クリーム1パックをホットクックの内釜に入れる。

ただ入れただけ

(2)手動で作る→発酵・低温調理をする→70℃→8時間に設定し加熱スタート(可能であれば2〜3時間経った頃にそっと蓋を開け、蓋裏の水滴を取る)
(3)加熱時間終了後、内釜を外に出し、蓋をせずにしばらく室温で粗熱を取る(内釜を動かすときはなるべく揺らしたり傾けたりしないこと!)

取り出してすぐの状態

(4)冷めたら蓋をして冷蔵庫に入れる
(5)完全に冷たくなったら、クラスト(表面の黄色い膜)とその下にあるクリーム状になっている部分をそっと掬い取り、別の容器に移して冷蔵庫で保管する(この後冷えるともう少し固くなるので、適宜液体も一緒に移しておく)

端からめくって掬い取る

(6)余った液体はスコーンを作るときに使えるので取っておく

だいたい半分(100ml)残った

スコーンの作り方

材料(約12個分)

  • 薄力粉……………………………220g

  • 強力粉……………………………100g

  • ベーキングパウダー………10g

  • 塩…………………………………小さじ1/4

  • 無塩バター……………………80g

  • 砂糖………………………………40g

  • 牛乳………………………………150ml

材料一覧

薄力粉、強力粉は日清製粉のもの、砂糖はきび砂糖、バターは食塩不使用よつ葉バター、牛乳はよつ葉牛乳(100ml分はクロテッドクリームを作った残りの液)を使用した。これらは近所のスーパーで買える。
いつもはよつ葉の無塩発酵バターを使うが、たまたま切らしていた。

ベーキングパウダーはラムフォードのものを使用した。一般的なスーパーによく置いてあるアイコクという会社のものでも良いのだが、ラムフォードの方がフワッとした食感に仕上がる気がする。ムギュっとしたスコーンの方が好みであれば、アイコクのベーキングパウダーを使う方が良いかもしれない。
ちなみに、ラムフォードのベーキングパウダーは製菓用品店や高級スーパーでよく見かける。

バターはよく冷やしておく。パイブレンダーがなければ、バターは包丁で1〜2cm角くらいのサイコロ状に刻んで、冷蔵庫に入れてよく冷やしておく。

道具

  • 大きめのボウル(直径26cm程度のものを使用)

  • 泡立て器

  • パイブレンダー(あれば)

  • カード

  • 抜き型(直径6cm程度の丸型もしくは菊型、切れ味のいいもの)

  • ハケ(牛乳をスコーン表面に塗る用。なければスプーンか指で)

  • キッチンスケール

  • クッキングシート

  • ケーキクーラー(なければ適当な網)

  • オーブン

パイブレンダー(右)とカード(左)

「パイブレンダー」はおそらく一般家庭には無いかもしれないが、スコーンをよく作るのであれば購入をおすすめする。これがあることでバターを粉と混ぜながら小さく切ることができ、前もってバターを包丁でチマチマと切り刻む手間がなくなる。
私は合羽橋の道具屋で700円くらいで購入したが、おそらくネットでも買える。
スコーン作りの他にも、じゃがいもを刻んでポテトサラダを作ったり、ゆで卵を刻んでたまごサンドを作ったりできて「なくてもなんとかなるがあれば便利」な道具である。

「カード」はパンを作る方なら持っているものだと思う。粉を混ぜたり寄せ集めたりするのに大変便利である。自分のものはどこで買ったのか覚えていないが、以前100円ショップで売っているのを見かけたことがある。

抜き型のサイズはこれより多少大きくても大丈夫だが、必ず切れ味のいいものを使うこと。切れ味が悪い抜き型を使うと、スコーンの断面が潰れてしまい、焼いたときにうまく膨らまなくなってしまう。

手順

(1)作り始める前に、全ての材料を計量しておく。パイブレンダーを使わない場合は、バターを1〜2cm角程度に刻んで冷やしておく。
(2)薄力粉、強力粉、ベーキングパウダー、塩を大きめのボウルに全て入れ、泡立て器で混ぜる。

泡立て器で混ぜることで粉をふるうのと大体同じ効果が得られる

(3)ボウルに冷たいバターを入れ、バターをカードもしくはパイブレンダーで刻みながら粉と混ぜる。

パイブレンダーを使うと一気にバターを切り刻める

(4)バターが小指の爪先ほどの小ささになってきたら、指先でバターを潰しながら粉と馴染ませる。

バターが溶け切らないうちにササっとやる

(5)粉が全体的にパン粉や粉チーズのような見た目になってきたら、砂糖をボウルに入れて混ぜ合わせ、真ん中にくぼみをつくる。

意味深なくぼみ

(6)くぼみの中に牛乳を100mlほど入れ、粉を周りからかけて粉に牛乳を吸わせる。絶対に捏ねないで!!

カードを使ってサッサとかける

(7)残りの牛乳を全体にまわしかけて、さらに粉に牛乳を吸わせる。

かたまりができてくる

(8)大きな粉のかたまりがあればカードで切って、断面に粉をつける。少し粉っぽいくらいになったら、粉のかたまり同士を一か所にまとめ、おにぎりを握るくらいの力でまとめる。表面が粉っぽいところがあれば、周りから生地を寄せて被せるようにして内側に入れ込む。なるべく捏ねないで!

必ずまとまるので自分を信じて

(9)生地を手で適当に伸ばして半分に折り畳む。3回ほど繰り返す。

伸ばす厚さに決まりはない。半分に畳められればOK。

(10)天板にクッキングシートをセットする。
(11)生地を2cm程度の厚さに手で伸ばし(丁寧な方は麺棒を使っても可)、抜き型で抜き、クッキングシートに並べる。スコーンの側面はなるべく触らないで!!
(12)このくらいのタイミングで、オーブンを210度で余熱しはじめる。
(13)抜き型で抜ける場所がなくなったら、生地の断面同士を合わせるようにしてもう一度生地をまとめる。できれば表面がなめらかになるように、生地を内側に入れ込むようにする。まとめたら、(11)と同じようにして型で抜く。

あまり深く考えずにまとめよう
我が家ではクッキングシートではなくシルパンを使用

(14)スコーンの上面にハケで牛乳(分量外)を塗る。スコーンの側面に牛乳が流れないように注意!!

ハケがなければ指でもいい

(15)余熱が終わったオーブンにスコーンを入れ、15分程度焼く。
(16)焼き上がったらケーキクーラー(なければ適当な網)の上にスコーンを移動させて冷ます

横半分に割れ目(オオカミの口)があると良い

ポイント

  • 生地をこねるとグルテンが発生し、サクフワ感が失われていくため、なるべくこねないで作る。

  • 一つ一つの作業にこだわり始めて時間がかかるとバターが溶けてしまうため、細かいことは気にせずどんどん作業する。

うまくいかないとき

膨らみがたりない

生地をこねすぎているかもしれない。また、小麦粉によっては(特に外国産の小麦粉を使う場合)強力粉の割合が多すぎるかもしれないので、強力粉を減らす。何をやっても解決しなければ、ベーキングパウダーの量を増やして力技で膨らましてしまおう。

斜めに膨らんでしまう

抜き型の切れ味が悪いか、抜いた後に側面を触りすぎかもしれない。また、型で抜くときに手のひら全体で上から抑えつけてしまうと、生地の上部に溜まった空気の逃げ場がなくなって生地がゆがんでしまう。型は指先だけで押さえつけるようにする。

膨らみすぎてしまう

ベーキングパウダーを減らしてみよう。

焦げる/生焼け

まずは焼き時間を調節しよう。焦げる場合は、途中でアルミホイルをかぶせることで防止することができる。