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揺らぐアイデンティティ

最近のお気に入りの映像作品の一つ。

思春期の少年達の中に芽生えた脆く繊細なアイデンティティ、
その思春期に自分の揺らぐアイデンティを引きずる大人の心情を繊細に描いた物語。

青春とか、マイノリ ティなどという言葉で括りたくない物語だと私は思っている。

なぜなら自分も同じような時期(思春期)を経て、拗れた大人になっているからだ。

時代背景も手伝って、生きづらい人生を随分と長く歩んできた。
自分はこういう人間だと堂々と胸を張って生きる事がようやく認められつつあるこの時代に、私はまだ自分がどういう人間なのか?を模索し続けている。

これからどう生きていきたいのか?
自分とは何なのか?

比較することはとうの昔に辞めた。
自分の感覚に従って生きようと必死にもがいてきた。

言葉では説明しずらい自分のアイデンティティを何度も言語化しようと試みたが、何度も挫折した。

この世界にある言葉で、他者にわかりやすく自分という存在を表現することがここまで難しいとは。

その良くわからない自分を良くわからないままに表現したい。
自分を表現することが私の生きる意味なのだと、ようやく悟り始めた。

表現することで、自分自身を知ることができる。
表現するためには自分と向き合わなくてはいけないからだ。

気が付けば外的要因で悩むことが減った。
メンタルの調子が悪くなる時はいつも自分を見失っている時。

通院の際に先生に伝える事をメモにまとめていた時に気付いた。

「時々、自分が自分じゃないような感覚に陥る」
「自分という肉体から抜け出して自分を俯瞰しているような感覚に襲われる」
「そこから激しい不安と焦りが襲ってくる」

仕事や人間関係で悩んでいたころの自分は今はいない。

心身が不安定であるという事が改善している分けではないが、ようやく前に進んだ気がした。

芸術、マンガ、ドラマ、お芝居。

作り手や登場人物の心情や人生に深く入り込む事で見つけた自分の新たな道。

自分が美しい、素晴らしいと感じるものを感じるがままに摂取することで
この揺らぐアイデンティティと心と共に自分を表現し生きていきたい。

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有坂夏輝(なっちゃん)
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