院試を念頭においた通信制大学最短卒業計画|公認心理師コース
心理職・心理学研究を目指そうと決めたところで、私は通信制大学の心理学科に3年次編入をしました。
私が決めた通信制大学は、公認心理師を目指すには最低65単位の取得が必須であり、最短2年間で卒業できる学校です。
他大学に比べて自分で心理実習先を探すのが魅力的だなと考え、編入を決めました。
4月に入学し、2年後の4月には大学院に通っているイメージを持ちながら、編入時に学習計画を練りました。
この記事では、それを3年次4月からの履修科目を時系列的に示します。(2024年9月現在)
印象に残っている科目には、少しコメントも添えます。
3年次4月
・心理学統計法(レポート提出)
課題:指定解答用紙2枚分の問題を解く
教科書を読み、課題を解いて提出しました。
指定教科書が非常にわかりやすく、練習問題も豊富なので、その後院試対策でも一時期練習問題を活用していました。
・発達心理学Ⅰ(レポート提出)
課題:指定解答用紙1枚分の問題を解く
教科書を読み、課題を解いて提出しました。
発達心理学Ⅰはその後のスクーリングの成績とレポートの成績を平均して総合成績が出されます。
・臨床心理学概論(レポート提出)
課題:レポート課題2題(各1600字)提出
教科書を読みながら要点をまとめ、それを元にレポートを作成しました。
臨床心理学概論もスクーリングがあり、発達心理学Ⅰと同様にスクーリング成績とレポート成績の平均が総合成績になります。
3年次5月
※心理実習の事前学習申込みがあります。
※7月の科目終了試験の申込みがあります。
・心理学研究法(レポート提出)
課題:レポート課題4題(各1600字)
重いと噂の研究法です。特に第4課題は研究計画を練るもので、じっくり考える必要があると思います。
・心理学概論(レポート提出)
課題:指定解答用紙3枚分の問題を解く
教科書を読みながら該当箇所を見つけて、選択肢を解いていくような形式でした(2023年)。心理学概論もスクーリングがあり、スクーリング成績とレポート成績の平均が総合成績になります。
・精神疾患とその治療(レポート提出)
課題:指定解答用紙1枚?2枚の問題を解く
非常に簡単な内容だったのが印象深いです。その後のスクーリングもシンプルでした。
・心理的アセスメントⅠ(レポート提出)
課題:指定解答用紙1枚の問題を解く・論述レポート1題
課題はちょっと難しく感じますが、一冊の指定教科書内にすべて答えがあります。教科書の内容が非常に豊富で、整理されており、その後のアセスⅡ・Ⅲの授業に合わせて暗記しました。
・心理学的支援法Ⅰ(レポート提出)
課題:指定解答用紙の課題を解く
課題の正誤問題に非常に苦戦し、その模範解答を作成するのに試行錯誤したのが学びを深めるきっかけになりました。
3年次6月
・公認心理師の職責(レポート提出)
課題:指定解答用紙1枚、論述レポート1題
教科書をまとめた上で、公認心理師の倫理ってなんだ?と考えて論述レポートを作成しました。
・学習・言語心理学Ⅰ(レポート提出)
課題:穴埋め問題、正誤問題の解答用紙を解く
教科書が基本的な内容をていねいに追ってくれているので、基礎的な理解ができる授業でした。行動療法につながる知識にしたいな、と思ったので、追加で『グラフィック学習心理学』も読みました。
・知覚・認知心理学Ⅰ(レポート提出)
課題:レポート2題(1600字を4本)
教科書内容はちょっとむずかしく、レポート課題が多いのでハードルを感じるのですが、評価がやさしいのでまずはやってみるといい科目でした。
認知心理学に興味があったのでその後選択科目でⅡも履修しました。
3年次7月
・神経・生理心理学Ⅰ(レポート提出)
課題:レポート2題(1600字を2本)
認知心理学と合わせて、現代の心理学を支える大切な科目だと思います。脳の部位を英語と合わせて暗記しようと頑張りました。
・感情・人格心理学Ⅰ(レポート提出)
課題:レポート2題(1600字を4本)
認知心理学と関連させながら学ぶと、動機づけ・人格論など納得できることが多かったように思います。パーソナリティ心理学は「ポテンシャル パーソナリティ心理学」を使って理解を深めました。
・発達心理学Ⅱ(レポート提出)
課題:指定解答用紙2枚分を解く
私のころは課題の出題内容と指定教科書の内容があっていませんでした。おかげで、一念発起して、解答を作成するために、発達心理学全般を勉強するきっかけになりました。
参考に、「発達心理学Ⅰ」の指定教科書と、『よくわかる臨床心理学』『よくわかる発達心理学』を使いました。
・人体の構造と機能及び疾患(レポート提出)
課題:指定解答用紙1枚を解く
非常に基本的な内容を問われる課題だったので、指定教科書は好きなように読めました。
▶︎心理学統計法(試験)
難易度:1/5
レポートを見直し、指定教科書の練習問題を解いておけば対応できる問題の難易度でした。
▶︎心理学研究法(試験)
難易度:3/5
指定教科書を最初から最後までじっくり読んでおく必要がありました。
3年次8月
※心理実習事前学習の試聴を行う必要があります。
・社会・集団・家族心理学Ⅰ(レポート提出)
課題:レポート課題2題(1600字を2本)
・関係行政論(レポート提出)
課題:指定解答用紙2枚を解く
関係行政論は、福祉心理学と合わせて実際の支援活動において必須の知識を支えてくれる科目です。今でも教科書をよく読み直します。
・社会・集団・家族心理学Ⅲ(レポート提出)
課題:レポート課題2題(1600字を2本)
教科書だけだと知識を整頓するには足りないかもしれません。
『家族心理学 第2版』(有斐閣ブックス)を読むと、指定教科書でわからなかった行間が、実際の事例とともにわかりやすくなるかもしれません。
▶︎心理学支援法Ⅰ(試験)
難易度 3/5
レポートの正答を求め、しっかりまとめられていれば点数が取れます。
▶︎公認心理師の職責(試験)
難易度 3/5
▶︎心理的アセスメントⅠ(試験)
難易度 3/5
指定教科書から該当の箇所を見つけられれば点数が取れます。
⬜︎心理学概論(スクーリング)
難易度 3/5
⬜︎発達心理学Ⅰ(スクーリング)
難易度 5/5
タイムアタックで非常に厳しかったです。
⬜︎精神疾患とその治療Ⅰ(スクーリング)
難易度 1/5
⬜︎臨床心理学概論(スクーリング)
難易度 3/5
3年次9月
心理実習の実習先開拓をしました。
3年次に履修できる全科目のレポートを提出しました。
・障害者・障害児心理学(レポート提出)
課題:レポート課題2題(1600字を2本)
指定教科書がいろいろな「障害」を扱ってくれているので、その理解に努めました。レポートは、障害という状態像を客観的に理解しているかどうかが問われているという印象を受けました。
・教育・学校心理学Ⅰ(レポート提出)
課題:指定解答用紙1枚とレポート課題1題(1600字)
指定教科書が非常に優れており、学校心理学で必須の知識が網羅されていると感じました。より深い理解のために、文部科学省のホームページをよく調べていました。
・福祉心理学(レポート提出)
課題:レポート課題小問5題
指定教科書が網羅的に「福祉」を紹介してくれているので、厚生労働省のホームページをよく調べて、わからないことを補いながら読みました。教科書に書かれている内容は、関与させていただいている支援活動で非常に役立っています。
・司法・犯罪心理学Ⅰ(レポート提出)
課題:レポート課題2題(1600字を2本)
個人的に犯罪事例報告を読むのが苦手で、指定教科書を読み進めるのが非常につらかったです。結果的に、いろいろな論文を調べて読んでレポートを作成しました。レポート添削がていねいで、参考になりました。
・産業・組織心理学Ⅰ(レポート提出)
課題:レポート課題2題(1600字を2本)
レポートを厳しく添削してくださいます。添削コメントが非常に参考になり、その後の論述力向上のきっかけになったと思っています。
指定教科書には労働分野の支援方法のことも書いてあって、CBTの技法に興味を持つ窓口にもなります。私にはもともと馴染みのない範囲だったので、厚生労働省の支援策を調べながら学習を進めました。
▶︎学習・言語心理学Ⅰ(試験)
難易度 2/5
テキスト通りに出題されていました。
▶︎知覚・認知心理学Ⅰ(試験)
難易度 2/5
しっかり論述したことを汲み取ってくださって、評価していただけます。
▶︎神経・生理心理学Ⅰ(試験)
難易度 2/5
しっかり論述したことを汲み取ってくださって、評価していただけます。
3年次10月
院試を意識した勉強をちょっとずつ始めました。
この辺りは試験のことをあまり覚えておりません。
▶︎感情・人格心理学Ⅰ(試験)
▶︎発達心理学Ⅱ(試験)
▶︎社会・集団・家族心理学Ⅰ(試験)
3年次11月
同じ時期に院試を受ける予定の通信制大学の仲間と勉強会を始めました。
▶︎教育・学校心理学Ⅰ(試験)
難易度 4/5
毎回問題が変わるので非常にヒヤヒヤしながら論述しました。
▶︎福祉心理学(試験)
難易度 4/5
問題数が多いので難易度4にしましたが、問題内容はシンプルです。
▶︎司法・犯罪心理学(試験)
難易度 3/5
問題のバリエーションが多いですが、教科書に書いてあることが出題されます。
3年次12月
▶︎産業・組織心理学Ⅰ(試験)
難易度 4/5
毎回問題が違うのでドキドキするのですが、評価はやさしいと思います。
⬜︎聖徳教育(スクーリング)
興味深く受講しました(オンライン)。聖徳では校歌が授業チャイムなので、2〜3月にかけて馴染みが深くなりました。
⬜︎(選択科目)知覚・認知心理学Ⅱ(スクーリング)
難易度の高く感じた「知覚・認知心理学Ⅰ」の指定教科書をていねいに肉声で説明していただけるので、私は認知心理学の理解が深まったと感じました。受講した価値ありで、大変満足でした。
3年次2・3月
スクーリング盛りだくさんで大変な時期でした。アセスⅡ・Ⅲに先立って『心理的アセスメント』のテキストを丸覚えしました。加えて、指定テキストの『心理検査の実施の初歩』をはじめとした参考図書もできるだけ読み、アセスメントの基礎知識がために注力した時期です。
⬜︎人体の構造と機能および疾患(スクーリング)
⬜︎心理的アセスメントⅡ(スクーリング)
⬜︎心理的アセスメントⅢ(スクーリング)
⬜︎心理演習(スクーリング)
⬜︎(選択科目)社会・集団・家族心理学Ⅳ(スクーリング)
4年次4・5月
※4年次に指定された科目を受講し始めました。
※5月に心理実習に行きました。その後のアンケートで、事後実習の日程希望を提出し、7月の事後実習を申し込みました。
・健康・医療心理学Ⅰ(レポート提出)
課題:興味のあるテーマを論述2テーマ
心理実習で興味を持った医療関係のテーマについて論述しました。気軽に書いて出した感じです。
⬜︎心理学実験Ⅰ(スクーリング)
⬜︎心理学統計法演習(スクーリング)
◯心理実習(8日間)
4年次7月
⬜︎心理実習事後学習(スクーリング)
4年次8月
▶︎健康・医療心理学Ⅰ(試験)
難易度 3/5
論述3題でした。院試の練習のつもりで、何も資料を持たずに1200字程度を論理的に展開することを目指してみました。
4年次11月
⬜︎心理学実験Ⅱ(スクーリング予定)
まとめ
ここまでの通信制大学の経過を記録してみました。
院試1年前となる3年次9月に、大学の課題を基軸にした勉強には区切りをつけると決めて、このようになりました。具体的には、3年次の5月・8月・9月に気合を入れました。
通信制大学では、レポートを提出しないとスクーリング・科目終了試験を受けられない場合があります。
第一条件となるレポート提出が済んでいる、というのは、通信制の大学生にとってストレスフリーな生活の基盤になるのではないでしょうか。自分が気合の入れられる時期を前もって見極めておいて、環境づくりからしておくと、自分をスムーズに解放してあげられるかもしれません。
科目終了試験は、1回に3科目まで受けられます。私は最初に慎重モードが発動して2科目にしてしまったのですが、毎回3科目にしていれば11月までで試験は終わるはずです。
人間は習慣づけるとそれに心も体も慣れていくらしいので、3科目を毎月受ける、というつもりでいれば、意外と乗り切れるように思います。
また、ある程度まで心理学の基礎知識が蓄えられてくると、応用的な心理学(教育・労働・福祉など)は吸収がはやくなり、勉強の負荷も相対的に小さくなります。基礎(心理学概論、臨床心理学概論、発達心理学)に力を入れてみる、というのも、合っている人には戦略的にはいいのかもしれないです。
そして何より、似たような進度の同級生と協力することがとても心強い支えになると私は思います。
何らかの手段でお友達を得て、ちょいちょい雑談しながら学習の情報も共有してみるのはどうでしょう。
思った以上にモチベーションも上がり、人間っていいな、とい気持ちを持ち続けることができるような気がします。