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【シニアライフ】兼業起業のススメ
最近、兼業による過剰な労働が原因で自殺された方に、過労死による労災認定が出ました。僕と同じ年齢の方です。大変痛ましいことです。
僕も兼業で会社経営をしていますが、以前に比べて忙しくはなっていません。むしろ労働環境は改善しました。おそらく裁量労働制と兼業と起業を組み合わせたおかげだと思います。
これまで職場に拘束される時間が余った場合、あまり意味のない資料作りや部屋の片付けをしていたが、今は自分の会社の業務に充てて有効活用できるようになった。
本業、兼業とも、勤務時間よりも業務を効率よく進めることを優先した結果、トータルの業務量と業務時間が減った。
経理や決算業務に不安を感じていたが、現物出資したソフトウエアの減価償却によって経常収支が大幅なマイナスになり、法人税が定額分のみで税務が非常にシンプルになっている(税理士費用が安い)。しかもこの欠損金は10年も繰り越せる。
物を売っていないので、当然消費税もゼロ。インボイスも物が売れるようになってから考えればよいと思っている。
自分で自分を雇いながら、給料0で働いているおかげで、給与計算や源泉徴収の手続きがほとんどない(半年に一度の0円報告のみ)。雇用保険や社会保険料業務は本業の方がやってくれる。
これまで暗号資産のマイニング報酬を個人で確定申告していたが、自分の会社の経費と相殺できるようになり、法人税としてまとめることができた(ただし、マイニング報酬が少なすぎて、個人で確定申告するより支払う税額は増えている)。
物を売らず、儲からない会社を作ることに意味があるのかと問われれば、あると思います。特に兼業での会社経営は、本業で生活を支えながら、自分の裁量で新しいことにチャレンジするのが目的。しかも、無理して物を売らず、賃金も発生しないとなれば、会社の雑用は極少で済みます。
おそらく、どんな分野でも起業から3〜5年は赤字決算が続くと思います。その間、兼業という低リスクで経営不安を抱えることなく会社を育てていけます。VCから出資を受けたり、銀行から融資を受けて事業を始めると、3年後には資金が尽きて、続けるか否かの決断を迫られるでしょう。のんびりした経営はできませんよね。
そして、死ぬ気で頑張ればなんとかなると思っていると、本当に死にます。成功する経営者は、常に心に余裕を持っていて、最悪の事態でも倒れないだけの資産があります。兼業の場合は本業での収入や、これまでの実績や信頼がこれに当たります。ちなみに本業で十分な成果が上がっていなければ、兼業なんて普通やらせてもらえません。
最近、窓際FIREという言葉を知りました。いくつも解説動画や記事が上がっているので、ここでは細かな説明を省きますが、兼業しながらの起業はひとつの理想的な形になります。そして、現代では経営や資産運用についての知識は強い武器になるため、本業にも活かすことができます。僕もどういうわけか、兼業し始めてから本業の調子が良く、給料が上がりました。
本業での過剰な頑張りによる体調不良と、リストラという不運が重なり、窓際族になったおかげで、新しいことにチャレンジできるようになりました。あえて兼業起業というリスクとしか思えないことに挑戦してみたら、これが案外うまくいってホッとしています。
今のところ、儲かりそうな気配はありませんが、もし年間収支がプラス1000万円を超える算段がついたら、自分に役員報酬を支払い、インボイスも登録して、本格的な会社経営を始めるつもりです。本業はあと5年で定年なので、いつでも早期退職できるし、これまでの暗黒時代が長かっただけに、これからが少し楽しみな気分です。
ちなみに僕が作った会社はこちら。https://shizuilab.com/