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人事評価のための目標設定は、言葉遊びになってしまいがち?

ご質問

「上司から若手育成のためという理由から、評価シートを渡されており、目標管理や1 on 1 ミーティングを通じて人事評価することを要求されています。
若手と目標設定する場面で良く目にするフレーズとして、
”業務において〇〇を明確化する”や”△△の〇〇を具体化させる”など
抽象的な言葉をよく見るのですが、どれも違いがなく、なんだか不毛な言葉遊びをしているような嫌な気分に陥ってしまいます。

目標設定において、このようなあいまいな表現は、どうしたらよいのでしょうか?



ご返答

一般的には人事評価制度において、「評価対象の明確化」と「評価対象の具体化」は、どちらも評価の精度と公平性を高めるために重要な要素ですが、それぞれ異なる意味合いを持っています。

1. 評価対象の明確化


これは、何を評価するのかを明確にすることです。 曖昧な基準ではなく、具体的な行動や成果を評価の対象として設定することで、評価者によって解釈が異なることを防ぎ、評価の公平性を担保します。

  • 例:「業務遂行能力」を評価対象とする場合、「期日までに業務を完了させる」「正確に業務を遂行する」「問題解決能力を発揮する」など、具体的な行動目標を明確化します。

2. 評価対象の具体化

これは、どのように評価するのかを具体的に示すことです。 各評価項目に対して、具体的な行動指標や成果指標、レベル分けなどを設定することで、評価の客観性を高め、評価者と被評価者の双方にとって納得感のある評価を実現します。

  • 例:「正確に業務を遂行する」という評価項目を具体化する場合、「1ヶ月間に発生したミスの回数」「顧客からのクレーム件数」などを指標として設定し、さらに「ミスが0件であればS評価、1~2件であればA評価…」のようにレベル分けを行います。

違いを簡潔にまとめると

  • 明確化: 何を評価するか? → 評価の対象を明確にする

  • 具体化: どのように評価するか? → 評価基準を具体的に示す

このように、「評価対象の明確化」と「評価対象の具体化」は、それぞれ評価の軸と尺度を定める役割を担っており、両方を適切に行うことで、より効果的な人事評価制度を構築することができます。

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