何度読んでも関心してしまう本
本を読むことは好きですか?
私は学生時代、本を買って読むことは、ほとんどありませんでした。
周囲の大人たちは、ことあるごとに「本を読んだらいい」という趣旨のメッセージを送ってきましたが、学生身分の自分にはピンときていなかったことを覚えています。
また当時は、毎月の食費をバイトで稼ぐ貧乏学生だったこともあり、「本」という腹の足しにならないものを買う行為には、いささか疑問を感じていたのも覚えています。
※ 当時は、ブックオフのような本のリサイクルショップは、世の中に浸透しておらず、本は”買う”か”借りる”かの2択でした。
読書は楽しみだった
本は買えなかった(買わなかった)のですが、立ち読みは日常茶飯事になっていて、朝日ソノラマ文庫(現代で言えば”ライトノベル”のジャンル)の人気作品を見つけては、むさぼり読むのが、貧乏学生の唯一の趣味となっていました(『クラッシャージョウ』『吸血鬼ハンターD』『ARIEL』など)
あの当時は、本屋さんには、迷惑をおかけしてすみませんでした (--)
時間の価値
読書のために本を購入することが習慣になったきっかけは、社会人になった後、尊敬する先輩との会話からでした。
当時の会話はこんな感じ。
私:「本ですか?ええ。読みますよ、趣味系雑誌や、技術系雑誌、文庫とか、ビジネス本やエッセイも、たまには読みますね」
先輩:「毎月、いくらぐらい(費用が)掛かっているの?」
私:「本は高いから買いませんよ? まあ 1冊 500円以下なら買うかも」
先輩「えっ!? 本を買わないで、全部立ち読みするのか?時間がもったいないだろ?」
社会人になったばかりの私は、時間というものに価値があるとは、まったく考えておらず、先輩の言葉には、不思議な感覚を覚えました。
値段(Price) と 価値(Value) について、考えるようになったのも、この出来事がきっかけだったのではないかと思います。
推薦図書
さて、今回は、noteのお題企画 #推薦図書 に合わせて書いてみました。
推薦図書はこちら 『思考の整理学』です。
発刊がだいぶ古い本なのですが、先日、偶然にも近所の本屋で平積みされているところを見かけたので、今回紹介しています。
私がこの本に出合ったのは、確か25年くらい前だと記憶しています。
当時、私はナレッジ型のデータベースを扱う業務システムを構築しており、雑多な情報をいかに上手に扱うか?ということがテーマになっていました。
本の内容は、よくある技術書のような、コンピューターシステムに関するネタは、ほとんど出てこないのですが、データ管理のための発想や手法は、実はデジタル化された思考になっています。
私が関心するポイントは、この本の内容が、現代のようにコンピューターシステムが一般化される前に考えられていることです。
おそらく、筆者は普段の生活の中で膨大な知識をデータとして管理する必要があったのでしょう。本を読み進めると筆者が実践を通して学んだことが、ひしひしと伝わってきます。
もし、コンピューターをつかわず紙で、何かしらナレッジ系の情報を管理しようとした経験のある人なら(例えば、システム手帳を駆使した経験のあるかたなら)、筆者が当時の利用可能な技術を活用して、データ管理システムのアーキテクチャを模索している様子が感じられるかと思います。
考えるということ
ただ、この本の難点は、深読みしないとこの本の面白さはわからない本だということです。
文章の表面だけ読むと、整理のテクニックや方法論に見えます。
この本が面白いと感じるには、その背景にある時代や、技術レベル、筆者の置かれている状況など加味して「なぜ、その方法に至ったか?」という観点が必要になります。
「より軽く」、「より薄く」、「より短く」、「より小さく」を求められる現代では、この本は、万人向けではないのかもしれません。
とはいえ、アフターコロナについて模索がはじまっている時代に変わりました。
こんな時代だからこそ、本のタイトル通り「思考・・」ついて改めて学ぶことは大事なのではないでしょうか。
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