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農業の繁忙期と閑散期と経営は、三位一体

農業における繁忙期もしくは閑散期という言葉は農業関係者であれば、今までもよく耳にした言葉であると思います。少し前の時代と比べても、今の時代そしてこれからの時代は農業者人口が加速度的に減り、一見すると農業がやりづらい環境になっているんだと、我々農業者だけでなく一般の消費者の方々にもなんとなく伝わっている部分があるかと思います。ここで言う、いわゆる農業における繁忙期は、米、野菜、果樹、そしてお茶等においても、それぞれ通常の管理に加えて一番大切な収穫の時期が重なる時期が当然あり、その時期をいわゆる繁忙期と呼びます。いわゆる繁忙期においては、普段の作業に加えて「収穫をする作業」、そして「収穫したものを加工する作業」、さらにそれを「販売する作業」とべらぼうに忙しくなります(家庭で言うと普段、家事をしない私のような夫が、いきなりワンオペで家事をするような感覚の忙しさのレベル)。

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そんな時期に「農家さんに忙しいですか?」などと気軽に声をかけると①血走った目でそんなことないですよとやせ我慢する人、②元から話しかけるなオーラを出す人、など通常の心理状態とは違う新たな一面の農家さんの表情が見れるかと思います(あくまで、個人的偏見による見解)。この点に関して言えば、同じ人であっても、閑散期(決して暇なわけではない、本当に)に話しかけると非常に穏やかで柔和な顔される方であっても、歌舞伎役者のような、「農業者のにらみ」の熟成された表情を見ることができます。これは、個の場合もチームの場合も経営においても人の感情は、認知とは別の感情の理論を含めた上での経営マネジメントの話に通じると思います。

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「感情のメカニズムを理解してこそ、組織は動きだす」という「世界標準の経営理論」※入山章栄氏著書の内容も非常に参考になります。

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そうでなければ、TPOに合わせた業務の進め方によって、投入した経営資源の利活用もしくは人材の最大限のパフォーマンスを発揮する機会を失ってしまうのかもしれません。そう、いつものように話はそれましたが、農業は他の業種とは異なり、天候という特異的な要素も含めた不安定な繁忙期において集約型の労働が必要になる事業構造になっているのであります。という事は、この点に関してのボトルネックをクリアすると農業生産法人として飛躍的に産業として成長する可能性があります。しかもこのIOTの発達した、この時代において農業においてIT、IOTの技術活用はかなりのレベルでマッチングが進んでおります。

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加えて、すべての技術を自社でマッチングしたり開発したり活用したりというような考え方ではなく、協業する部分は協業する、委託する部分は委託する、などして産業構造や自社の農業生産法人が最大限にかつ最短の道で進めるためのシナリオや道筋を考えて行動に移せる時代なんです(やったらやった分だけの成果が返ってくる時代、裏を介せば、何もせずに留まれば、うもれてしまう時代)。ですから、今、この時代は、ほんの少し前(数年前)までは繁忙期だけでは人材の雇用が難しくなり年間で雇用を考えていく必要が出てきました。

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がしかし、海外研修生制度、シェアリング、スマート農業、協業、「地域内の農業における繁忙期と閑散期の平準化」、さらに言えば「地域内における産業の繁忙期と閑散期の平準化」、そしてそれをオーガナイズする行政や民間企業がシェアリングという観点で協業することがリアルにIOTツールを使ったビジネスマッチングで行える時代なんです。つまり、これまで働ける人が今までは見えないところで、実際は余っていた事実が顕在化し、これまでよりも良い意味で無駄なくムラなく、働く人も気持ちよく働けるという需要と共有がシナジーできる時代です。例えば、介護離職をした方々においても次の仕事を時間単位、数日単位で、仕事のリスタートのきっかけを作ることができればお互いに助かると思います。

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その他にも育児離職、パートナー転職離職、たまたまな事故離職など、本人の仕事を続けたい意思とは別に仕事を離れた方は、たくさんいらっしゃると思います。そういった方々の再就職への入り口を広く柔らかく準備するできる環境が顕在化しようとしています。

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そのきっかけの1つが農業であってほしいですし、それが良いかと思います。そしてその農業においても、単純な農作業ももちろん大事ですか、農業生産法人自体は、これから企業として生き残るために、もしくは家族経営であっても永続的に家業を続けていくために、「生産製造販売サービス」といった6次産業化な要素も必要な業務となる場合が多いです(我が家の米を自ら譲渡≒広告宣伝もしくは販売するなど)。そしてその過程の中で農業生産法人にしても、家族経営体にしても、それぞれの立ち位置の中で規模の維持拡大をしていかないといけません(じゃないと埋もれてしまいます)。そしてこれからの日本の農業もお客様として、相手にするエンドユーザーは国内に限らず海外の人にも目を向けていかなければなりません。

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そういった6次産業化、規模維持拡大、海外輸出、インバウンドなど、いわゆる、これまでの農業ではひとくくりにできない仕事、業務がたくさんあります。農業は他の産業界からは、恵まれてまして、1からのものづくり、それも人の口に入る食、命に関わることのできる、個人の自己満足を許容しつつの、とても社会的にも意義のある職業だと個人的には、思っております。農業は、産業における全ての成果を注ぎ込んで行うことによって循環型の社会の一役を担う役割を背負っているとも思っでます。

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なんで、このことを自分たちも含めて最終の消費者、世界中の人々に理解共有してもらうことが、これから世界における環境問題や人口問題や世界平和などに必要な基本的なベースとなる知識、情報、倫理観といったみんなでモノやコトを話す前に必要な、全体の共通認識になり得るんじゃないかなと思っています(フェイクニュースな要素を削ぎ落として)。

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話はどんどんそれていきますが、つまり繁忙期と閑散期について農業的視点でコトを進めるにあたっては経営的視点は外せません。年間で人を雇うために、今の品目とは全く関連性をつかめない品目を閑散期に行うことには仮に短期的にやる分には勉強にはなりますが、中長期的に見ると経営における資源の「選択と集中」を阻害している行為になってしまいますので、あまり個人的にはお勧めできないです。

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何かしら取引先や手持ちの設備等での、経営資産の有効活用であれば考える余地があり、年間雇用の人材に対しての活用方法の「数あるうちの1つ」としてはみれるかもしれません。本来ならば、年間で雇用した上でメインとしている品目が経営として成り立つ世界を目標として収益性を改善するにはどのような施策があるか考えるべきです。

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ただ残念ながら、茶業界も全体で見た場合に、需要と供給のバランスが崩れ(ポジティブに外的要因のせいにします!)、収入源の大半を占めている1番茶の価格が大幅に崩れ、これまでの体制作りができていたところでも、厳しい経営状況に追い込まれているのは確かです。そういった意味での、その産地における副業経営と言うものは茶業の延長線上ではなく、初めから複合経営の視点で経営を考える事については、1つの選択肢なんだと理解しています。そもそも6次産業化なんて、まさにそれですし。

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まとめると、①「繁忙期と閑散期と経営は一対で考えるべき」、②「年間で人を雇うという考え方から、地域、その他産業と協業してシェアリングをする、それは働く人が気持ちよく働ける環境づくりを行う、という意味で、働く人本人を中心に考えたシェアグリと言う働き方を受け入れる体制を企業として作る。それが、繁忙期であっても、そうじゃなくても、接してくれる人に対して「農業者のにらみ」をきかせない位に、心に余裕を持った会社経営をしていきましょう。って、話しです。すべてはうちの奥さん亜矢子さんからいつも言われていることです。



お茶を通じて大隅半島から盛り上げていきます。お茶を一服する行為を世界中にいる人たちの人生のひとときの豊かさに。遊び心もね。インプットとしてのコーヒーそしてアウトプットとしてのお茶。