手技やコンセプトに拘らず徒手的な介入をしてるならそれはもう徒手理学療法と言えるのでは
こんにちは。
これまで様々な徒手理学療法のコンセプトを紹介してきました。
他にもまだまだたくさんの素晴らしいコンセプトがありますので、私が知っている一部をご紹介しますね。
①Fascial manipulation
「筋膜マニピュレーション」の方が馴染み深いでしょうか。
痛みや機能障害にはFacia(≒筋膜)の異常が関与しており、それを治療することで症状を解決していくコンセプトです。
Fascial manipulationの特徴は、既往歴に基づきFasciaの異常を探る独自のクリニカルリーズニング方法と、痛みのある場所から離れた部位も治療する点です。
肩が痛いのに、ヒザから治療して治っちゃった!とかザラにあります。
まるで魔法のようですが、解剖学に基づいて体系化されたFasciaの理論がきちんと存在し、本当にすごいです。
(考えついたイタリアの理学療法士、Luigi Stecco先生、まじで天才だと思います!!)
コンセプトについてはこちらの書籍に詳しく掲載されています。
カラーで大変見やすいですが、本を読んだだけではFacial manipulationは扱えないと思います。
というか、私がそうでした。
本をめちゃくちゃ読み込んだので、結構できる気になってましたが、実際の講習会を受けて考え方もタッチの仕方も全然違いました。
やはり、ちゃんと考え方や技術を身につけるには素直に正規の講習会に行ってから、書籍で復習しましょうね。
ちなみに、筋膜関係では他にもアナトミートレインやロルフィング、マイオファッシャルリリース、IASTM(器具を使う系)などなど、たくさんのコンセプトや治療法もありますが、また別な機会でお話します(というかあまり知らないのでもう少し勉強します)。
②リンパドレナージュ
え、リンパって誰でもできんじゃね??
と思われるかもしれません。
確かにリンパケア検定とか、民間で色々な資格や講習会があると思います。
が、徒手理学療法としてのリンパドレナージュは、それとは考え方が違うよ!!という話を聞いてください!(別に理学療法士以外の方々やセミナーをダメと言っている訳ではないですよ汗)
リンパドレナージュの手技にもVodder、Leduc、Foldiなどいくつか流派があるようで、一般的には美容関係で、医療的にはリンパ浮腫など病気の改善に用いられることで知られています。
徒手理学療法の視点で考えてみたいのですが、リンパドレナージュにより老廃物の排出を促すとその部位の質量が減るので、関節にかかる負担を軽減します。
その結果、痛みや動きの改善が期待できるかもしれません。
具体的には、リンパドレナージュで頭の重みが減って首の痛みがなくなるとか、体重が減ってヒザの痛みがなくなるとか。
私はリンパドレナージュをちゃんと学んでおりませんが、リンパドレナージュができる先輩理学療法士の話では、数回の治療で体重が10キロ近く減って痛みが改善するもいるそうです。
そんなことある!??って思いましたが、確かにドレナージュ後に頭の周りや足の太さが細くなってるんですよね。
「小顔や減量のためのリンパドレナージュ」は理学療法ではないですが、「頭の重みを減らして首の痛みを軽減して動きやすくするリンパドレナージュ(おまけに減量して小顔になれるかも!ラッキー⭐︎)」は理学療法です。
興味がある方は調べてみてください。
リンパドレナージュに関する書籍は、この辺がしっかりしてますね。
上記はフランス発祥のリンパドレナージュ、DVTMの教科書にもなっています。
一般書や医療従事者でない方が書いたわかりやすい書籍もたくさんありますが、「オレ、ホンモノを知ってるから(´ー`)」とカッコつけたい人(笑)は是非読んでみてください。
③MSIアプローチ
アメリカの理学療法士、Shirley Sahrmannによって体系化されたコンセプトです。
疼痛などの障害に対して姿勢や運動の方略、マッスルインバランスを検査し、独自の病態分類に基づき治療を進めていきます。
マッスルインバランスというと、Jandaアプローチとかもありますよね。
このあたりのコンセプトについて成り立ちをよく知りませんが、似ている考え方なのかもしれません。
徒手理学療法に分類されることもありますが、個人的にはエクササイズがメインな印象です。
日本でもちょこちょこ講習会が開かれている上、オンラインでも学習することが可能です。
また、書籍も2冊出版されています。
ちなみに、アメリカのワシントン大学では、MSIアプローチの認定コースができました。
興味があり、英語が堪能な方は認定資格も視野に入れてはいかがでしょうか。
次回、ここまで説明してきた徒手理学療法について簡単に総括します。
では、また。