ゆく年くる年のあわいに|ひかり
間もなく冬至を迎えようとしている、2024年の終わりと2025年が始まるあわいの中にいる今、もくもくと立ちあがる”予感”のような高まりを含んだムードを感じている。
2024年を振り返ってみると、たくさんの新しいスタートがあった。
新しい仕事を始めたこと、畑を始めたこと、リレーエッセイを始めたこと。
そのスタートに伴い、新しい暮らし方と出会いがあった。
自然のリズムを肌で感じられるところに身をおいて、仕事と遊びの境界を作らないで暮らしたい目標を立て、山に近い場所で週3日で働くようになり、仕事は仕事ではなくなった。
そして、両立するように、畑仕事をする。
こうした毎日からは、暮らしを積み重ねていく手応えを受け取り、一枚いちまい自分の手でページをめくるように、今日まで過ごすことができている。
その積み重ねた、まだ文字のないページを、仲間と共にリレーエッセイとして書き起こすことで、平面から何層にも膨らんだ日々の体験となり、しっかりと、からだとこころに刻みこまれ、一生忘れることはないであろう特別な年となった。
それからもう一つ、2024年を思い返した時に浮かんできたのが、街に暮らす方々との交流だった。
一世帯から一人出席すればいいという地域清掃には、家族で参加したりして、何でそんなに意気込めるのかと珍しがられるが、地元の方と話をしたり、土地に根ざした暮らしぶりを眺められるのが楽しく、意気揚々と参加させてもらっている。
畑を教えていただいている先輩との出会いも大きく、愛と懐の深さから、畑のノウハウ以上のこともたくさん受け取っている。
事務的な用事があって訪ねれば、必ずお茶とお菓子をご馳走になり、帰りにはパン粉までついたとんかつ、熟練の漬物、野菜など両手いっぱいに持たせてくれる。
地元の方達はみんなそうで、必ず一緒にお茶をと誘ってくれて、たわいない話をしたりする。
その流れが本当に自然で、遠慮する必要がないと思える心地よさがある。
聞いた話だが、昔の優れた茶人というのは、常に湯が沸いている家だとされていたそうで、その心を地元の方達の暮らしに重ね合わせることができて、粋だなといつも感動する。
毎日変化する自然の壮大なリズムと、新しい刺激のバトンをいただいたHAKKOUのみなさんと、心地よく街に暮らすみなさんから、たくさんのギフトをいただけて、目まぐるしくも、ぎゅっと抱きしめておきたい喜びがたくさんあった。
みなさんとの出会いに改めて深い感謝を感じながら、2025年へ向けて、始まりの予感のムードを楽しみたいと思う。