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夏至から冬至を経て 2024|茉記
12月に入ると
「1年前に、いまの自分を想像できた?」
と、お互いの2024年をふり返ることがある。先日も友人たちと真っ赤な辛い鍋を囲みながら、そんな話をした。想像もしていなかったことや、いつかこうなったらいいなと思っていたこと。踏み出したおおきな一歩。友人たちの暮らしにもドラマがあった。頻繁に会えるわけではないから、前回会った時の様子が記憶に残る。また会った瞬間に纏う気配にそれぞれのドラマの展開を想像し、答え合わせのように話に引き込まれる。
「茉記さんも?」と友人がかけてくれたひとことから、2024年をふり返った。
リレーエッセイを始めたことで、心も暮らしもおおきく動いたように感じている。そのスタートまでていねいに回を重ねたミーティングは、いまもとても色濃くわたしの内側に残っている。「書く」ことからずっと距離を置いていたわたしにとっては、ある方の言葉をお借りすると“使っていなかった筋肉の筋トレ“のような日々。すこしずつでも美しい筋肉が育っていて欲しい。
エッセイがスタートしてから、“薬草の小さな花束“というワークショップや、ライアーを弾きながら歌うなど、はじめての表現の場が続いた。どちらもご一緒させていただいた方々、おきもちを寄せてくださった方々の存在があり、終えることができた。仲間のエッセイに綴られた言葉に触れ、自分が発した言葉にハッとして、かけられた言葉に癒されたり、ふるえたり、魔法をかけられたみたいにうれしくなった。これまでにないほど、言葉のちからと響きを感じた年だった。
ここ数年、夕暮れ時に「こんな美しい空、見たことない」としばらく見惚れてしまう日がある。見惚れているうちに、空はどんどん姿を変える。写真におさめたくても、見たままの美しさを捉えることはむずかしい。自然が、空が見せてくれる瞬間瞬間の美しさのように、ふだんの暮らしのどんな瞬間も、変化していく美しさを秘めているように感じている。
夏至からスタートしたHAKKOUは、人々や自然が内側へと向かう冬至までの時を経て、これからどんなバトンを繋いでいくのだろう。
(写真はあまりの迫力と美しさに立ちすくんでしまった今年の秋の夕陽 材木座にて)
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#19巡2番目
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