「普通」を克服する
とある場所で「はあちゅうさんは、気持ちを変えたい時にどんなことをされますか?」と聞かれたことがある。
私の気晴らしと言えば、読書とシャワーと散歩とご飯と睡眠。あと買い物。可愛い雑貨を買うとテンションが上がる。
でも、そう答えたら、相手は不満そうな顔で「もっと、なんか、ものすごく気が変わって、やる気が起こるようなこととかないですか?」とおっしゃった。
残念ながら無い。
たぶん先方は、私だけが知っている即効性のある気分の変え方、しかも他の人は絶対にやってなくて自分に応用できちゃうやつをここだけの話、あなただけへの特典として聞きたかったんだろうな、と思う。
でもそんなすごい方法なんて知らない。
嫌な気持ちになることや集中力が切れることややる気が湧かない時なんて人間だからいくらでもある。回復に時間がかかることももちろんあるし、どっちかというと気分の変わりやすい人間で、落ち込みやすいし、なかなか立ち直れない方だと思う。
人前に立つ人間や本を出す人間や有名人だからと言って、人間としての質が違うわけでは決してない。
そういえば受験の時、「1日13時間数学を勉強した」と言ったら「伊藤さんだから出来たんですね」と言われたことがある。
伊藤さんだから出来たわけではなく、国語70、英語70、数学35という驚異の偏差値で(偏差値に30台とかあるのかよ感)先生に「伊藤は数学の偏差値を10上げないとまじでまずい」と言われたからにはマジでそうしないと受からないと思ったから、毎日絶望の心境で、世界と受験という制度を恨みまくりながらとにかく机の前に冬休みの二週間、座り続けた。
「一生分の数学を今やって、二度と数学には手をつけるもんか」と思いながら
問題を解いた。(ぶっちゃけほぼ解けなかったから、解答を13時間ひたすら写経するだけのマシーンだった)
「伊藤さん」はそんなに、生まれつき努力が出来るとか努力が好きとかじゃなくて、「やらなきゃ」がきわまったからそうなったのです…。
たぶんみんなそうで、みんな有名な社長に会ったり講演会に行って、何か普通じゃないことを聞きたがるし、そうやって「自分とは違うあの人たち」という
ポジションになりたがろうとするけれど、あの人たちと私たちの違いは一つ。
普通であることを認めて、克服したかどうか。
みんな、魔法使いじゃないから奇跡は起こせないんだよ。でもそんな普通の自分が奇跡を起こすために、「えい」っておなかに力入れるしかないんだよ…。
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