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【スペーシア八王子日光号 乗車記】華やかで静寂な帰り道[2022.4 日光鬼怒川⑤終]


時刻は16時を既に回っており、東武日光の駅には再び観光客の姿が戻ってきた。駅前にあるお土産屋は大変な繁盛を見せているようだ。
さて、本日は列車に乗るのを主食にしている。往路は臨時特急の「スペーシア八王子日光号」に乗ってきたが、帰りの復路も同様である。1本早く出発する新宿行きの「日光号」に乗ることも検討したが、それは毎日走っているものだから、乗ろうと思えばいつでも乗りに行ける。一方、「スペーシア八王子日光号」は年に十数回しか走らず、切符を取るのもなかなか難しい。せっかく空席を見つけたのにもかかわらず、見逃すには忍びないと思った。

東武日光16時38分発の特急日光号

新宿行きの日光号を見送ろうと早めに改札を通った。昼間は晴れ間がのぞいていた時もあったが、現在は雲の層が厚くなってきている。日光号を見送った直後から雨がポツポツと降り始めてきてしまった。これだと車窓があまり楽しめなさそうだと気持ちが落ちかけていたが、そもそも日が暮れてしまうから、あまり気にする必要がない。

17時ちょうどに我が「スペーシア八王子日光号」は東武日光を発つ予定となっているが、16時40分過ぎだっただろうか。その頃に駅に入ってきた。ホーム上に整然と並んでいた客はドアが開くとともに、次々に列車内へと姿を消していく。
発車時刻の前には、私が乗っている号車に限ってではあるが、すべての座席が埋まっていた。事前に購入したお弁当・アルコール類を開く人や思い出話に花を咲かせる人、早速寝てしまう人等々、観光客が乗客のほとんどを占めているように見受けられる。

東武100系 スペーシアの座席は居心地が良すぎる

先ほどから降り出した雨はさらに密度を増してきて、本降りといえる状態になってしまった。窓ガラスに雨が打ち付けている中、時刻どおりに発車。
早速、標高を下げ始める。速度を出し過ぎないように、適宜ブレーキを効かせながらの運転だ。
10分ほどで下今市に着く。ここからは鬼怒川温泉方面から来た客が乗り込んでくるが、先ほど申しあげたとおり、私の号車は既に満席であるために、一人も乗り込んでこなかった。
下今市を出ると、東武線内は新鹿沼と栃木に停まる。快走をしているうちに、段々と車内が静寂に包まれてくる。この時間帯の特急列車は皆このような雰囲気になるのではないか。私もその雰囲気に飲まれてしまった。

目が覚めると、すでに東武線とJR線の接続駅である栗橋を過ぎており、大宮に向けて走っていたところだった。
大宮に到着する旨の放送が流れ始めると、車内はビニール袋の音がガサガサと目立つようになる。しかし、大宮で降りる人はごくわずかだった。この1本前に出発した「日光号」のような毎日走る列車は大宮にも停車する。此処で降りる人はその類に乗っているのだろう。
その考えはどうやら合っていたようで、武蔵野線内に入り、北朝霞・新秋津で合わせて半分ほどが下車した。

中央本線に入ってからは、終着駅である八王子まではあっという間で、再び眠気が襲ってきてウトウトしているうちに、駅へ滑り込み始めていた。テーブルに広げていたメモ帳等を急いでしまいながら、見回りに来る駅員を待たせないように即座にホームへと降り立った。

日帰りでの日光・鬼怒川旅行となったが、今度は宿泊を伴う旅行を執り行えればと思っている。そうしないと見学できない施設・場所があるからだ。既にどのようなルートで行くかというのを考えているうちに、中央快速線の電車が到着してしまった。



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