バレエをもっと気軽に観劇できる世の中になって欲しい~ダンサーの育成と同時に観客の育成もお願いします!
円高だったかつて、週末にバレエかオペラ見に行きたいなぁ~とふわっと思って、調べたら、都内か静岡辺りまで範囲を広げればどこかで公演があって、5000円位で観に行くことができた時代があった。
そんなにたくさん観劇した事がある訳でもないし、熱心なクラシックファンでもないので、数える程だけど、そういうことを願ったら、ちゃんと叶う土壌があった。
今、円安で、何もかもの来日公演が減っていると思う。あと、戦争という社会情勢で、ロシアのバレエ団が来日しない。
あと、チケットがべらぼうに高い。1万なんて軽く超えるし、気楽にふわっと行ける存在ではなくなってしまった。
供給不足だ。
バレエもオペラも、元々海外の文化なので、円安の影響で、来日公演が減ったり、チケットの価格が上昇するのは仕方の無いことだと思う。
でも、日本は、こんな所にもこんな会場あったのね、と思うくらい、クラシックのコンサートや、バレエやオペラの公演に充分に耐えうる会場が色んな所にあるという、インフラの面では、恵まれている土壌があると思う。
2000人規模のホールから、数百のホールまで、各地に様々ある。
でも、日本人主催の公演はそんなにない。
熊川哲也とか、名前でチケットが捌けると確実か、劇団四季みたいに、定期公演で必ずチケットが捌けるか、クラシックのコンサートだけなら、まあ探して無いことはないんだけど、バレエやオペラとなると、とんと公演がなくなる。私はクラシックの音楽だけのコンサートより、ストーリーがあるバレエとかオペラの公演の方が好きだ。行きたい。
では、演者の方はどうか?というと、子どもの習い事にバレエは割とポピュラーだし、音大を進路に選ぶ人も少なくない。
つまり、国内で、もっと市民バレエ団主催みたいな、プロのチケット代を取るのはちょっと難しいけど、その半額位で一般に公開して欲しいなぁと思う。
バレエ教室の発表会は、父兄の方の費用負担で、父兄の方にお見せして終わってしまう。
私はなんでも、生で観劇するのが好きなので、ライブパフォーマンスには行っている方だと思うのだけと、バレエもオペラも、日本人主催で、もっと手軽に公演が増えて欲しいなぁという、欲求がある。
週末なんか見に行きたいなあと思って調べたら、5000円位の負担で、ふわっと楽しめる公演があって欲しいなぁと思う。
昨日(2024.8.31)、娘が幼少期、少しだけお世話になっていた、松浦かがりバレエアカデミーの公演にお邪魔した。
普通のバレエ教室の発表会では、クラスごとに小品の演目を並べて、発表会して終わりなんだけど、このアカデミーは凄い。
2年前は白鳥の湖全編。今回は、ドンキホーテ全編を魅せてくれた。
身内びいきなのではなく、純粋に良かった!と思った。
普通バレエ教室とか、ピアノ教室とかは、年に1度とかのペースで発表会をする。
何故か?というと、発表会をすれば、お月謝に上乗せして、発表会費を取れるので、お教室としては、経済的に利益があるのだ。
普通2桁万円位、お月謝とは別に費用がかかる。
でも、かがり先生は2年に1度。娘も1度出させていただいたのだが、プレ(1番下の幼稚園児クラス)で参加させていただいて、お月謝の他に徴収されたのは、貸し衣装代位だったと思う。上のクラスになるとわからないけど、発表会と聞いて、ある程度の集金は、親として覚悟してたのだけど、確かなかった。
それで、お教室にプロのカメラマンさんを呼んで、全員分ちゃんとプロマイドを取り、とてもしっかりした紙で、プログラムも刷って下さって、それも頂けた。子どもの出させて貰った会のパンフレットは、未だに大切な宝物のひとつだ。
発表会のために、普段のレッスン以上のお時間を、普段のレッスン場とは違う場所でやったり、全体としての作品の価値を高める為に最大限の事を尽力下さった。普通のお教室で、ここまでやらないし、やるのなら確実に2桁万単位の追加料金がかかる。でもかがり先生は、そんなのおくびにも出さなかった。なんかすげーと思った。
Facebookのアカウントをフォローしており、たびたびそのご活躍は拝見していたけど(海外にアカデミー生が留学される話等)、あんまりFacebook自体も見てないのだが、たまたま開いた時に、ドンキホーテ全編をやる。一般にも席を解放する。という告知を拝見して、いいタイミングで応募する事ができた。そして、お席をご用意頂き、観劇してきた。
きっと保護者の方だと思うんだけど、受け付けをちゃんとして下さり、名前を言うだけで、チケットとパンフレットを受け取れて、無料で、ドンキホーテを観ることができた。
プロのバレエ団は、もちろんオーディションを経て、選ばれた人で構成される。
一般的に、バレリーナは、身長が高く、手足が長い方が、ダイナミックで、いいとされる。
でも、かがり先生のバレエアカデミーは、本当に小さいお子さんから、成人したプロとして活躍する演者まで、体格差はそれぞれなのだ。
かがり先生は、本当に、その年齢ごとの良さを知っていらっしゃる方だと思っていて、お教室で指定される、レッスン着もご自身でデザインされていて、その年齢の魅力をわかって、プレクラスなら、プレの子が最も魅力的に見えるレッスン着だと思う。
子どもとしての可愛らしさもあり、バレリーナとしての上品さもある。
バレエを噛んだ事のある人なら、Chacottをわかって貰えると思うんだけど、レッスン着はChacottの特注だった。
でもそんな手が届かない程、高額な訳でもない(当時確か1万円しなかった)。
薄ピンクのプレクラスの練習着はどのお子さんにも似合っていた。
レッスンに使うシューズ等の用品も、全てChacottで揃えられた。
練習着の指定のないバレエ教室も多いと思うんだけど、プレクラスから、ちゃんと指定の練習着があって、それを身にまとったお子さんたちは、とても魅力的に見えた。可愛い集団だった。
1度だけ、発表会に出させて頂いた時、振り付けが決まって、保護者は、みんなそれをビデオに撮る。家で復習できるように、みんな撮影するのだ。それをみながら、こんなの無理だ、覚えられないし、私も教えられない。こりゃ発表会前に辞めるかもしれんな…。
と1人思った。
でも子はちゃんとレッスンを通じて、振りを覚えたし、位置の移動も覚えた。
めちゃくちゃに体の硬い私から生まれた子なので、無理だと思ったけど、柔軟(えびぞりでつま先とおでこを着ける)もいつの間にかできるようになっていた。
あー、自分の子だから、そんなの無理だと、親が勝手に天井を作ってはいけない。そんな事を思う日々だった。
小学校受験で、通う学校が決まり、アカデミーのある所から、住まいが離れる事になった。私としては、アカデミーのレッスンを続けて欲しかったけど、夫婦仲も完全に終了していたので、現実的に無理だった。
バレエをやる子は、シニオン(前髪オールバックにして高い位置で頭の形に沿ったキレイなお団子)をするために前髪を伸ばさなくちゃいけない。完全に伸びきってしまえば、楽になるのだが、途中はシニオンをしないと(シニオンをするにはワックスとかジェルでガチガチに固めるので、普段はしない)どうしてもだらしなくなってしまう。
まだ、アカデミーを辞めると、確定してないのに、義母の所に娘を預けたら、私になんの断りもなく、前髪オンザの、おかっぱになって帰ってきた。
美容院に連れて行ってないわけじゃない。どれだけ苦労して、シニオンができるように、髪の毛を伸ばして来たのか、本当に頭にきた。
現実的にかがり先生のアカデミーを辞めなくちゃ行けないとしても、引っ越し先で、別のバレエ教室に通う選択肢もあったし、だらしなく見えるという、義母の意向と義母の趣味だけで、必死で伸ばしていた髪の毛をバッサリやられるというのは、本当に酷い。
せめて、アカデミーに、最後に挨拶に行くときまで、シニオンでいて欲しかった。
そんなにバッサリ髪の毛を切るのに、母親の私に一言の断りもないなんて、本当に舐められていたのだなと思う。
という訳で、かがり先生に、受験の結果報告と、最後のご挨拶に行ったとき、不本意にも、子どもはおかっぱだった。
バレエをしているお子さんは、シニオンをするために、みんな髪型を我慢している。そういう長い髪の生徒さんの中、おかっぱで行くのは、他のお子さんに申し訳がたたない。裏切り行為だ。義実家のやってくれたな、エピソードはいっぱいあるけど、このシニオン出来ない髪の毛バッサリ事件は、私の中に深く刻まれている。
でも、かがり先生は、そんな私に、どうしても辛くなったら、いつでも電話していらっしゃい。身体が動くうちは続けているから、と、他の先生と談笑しながら言ってくれた。その頃何歳になってるだろうねと至極気持ちよく送り出して下さった。実際に頼った事は無いけれど、そういう言葉を掛けてくれる存在があるというのは、心の支えになる。
かがり先生のアカデミーを選んだのは、子の「バレエ習いたい」が最初だった。先生のアカデミーを検索すれば、場所はわかってしまうのだけど、自転車で通える範囲の全てのバレエ教室を調べて、一番本気でバレエをやっていると思ったので、先生のアカデミーにお世話になる事にした。その選択は間違いじゃなかったと、昨日の公演を見て思った。
アカデミーを10年15年続けた生徒さんを、発表会の前に表彰するのだけど、子と同じクラスだったお子さんが居て、見まごう程に、立派なバレリーナになっていた。小学校受験しなくて、公立のままあの土地で、育ったら、もしかしたら、子もあんな風にバレリーナになれてたのかもしれない世界線を考えると、込み上げるものがあった。
せめてあと3年続けられたら、体にバレリーナとしての根幹が残せたのにな…。と思った。
柔軟に始まり、体の魅せ方が、バレエをしてる人としてない人では明らかに違う。
今回の公演でも、プレクラスは、可愛さが勝っていたけど、その上のクラスからは、全員しっかりバレリーナだった。所作が美しい。
さて子育ての話題にそれてしまったのだけど本題に戻ろう。
私は、ドンキホーテ初観劇だったけど、本当に良かった。
登場するバレリーナは、端から端まで、全員しっかりとバレリーナだった。頭の先から指先、つま先まで、神経が研ぎ澄まされた、バレリーナだった。
最初に村祭りみたいなシーンがあるんだけど、そこで賑やかに、バックダンスする、身長の低い現実のお子さんのダンサーとしての魅力。
あれは、身体の小さいバレリーナが居るからこそできる演出だった。オーディションで全ての演者を決める劇団にはできない演出だ。
森の妖精さんの2人もとても良かった。プロのドンキホーテを見た事がないので、普通の演出なのか知らないけど、様々な年齢層が在籍する、かがり先生のアカデミーだからこそできる演出だと思った。
低い身長の近いペアを踊らせる演出もよかったし、身長順に高低がある演出もよかった。
森のシーンで、全員がしっかり揃ってポアント(つま先立ちで小刻みにバランスを取って維持する)のまま、幕が降りたのも、鳥肌が立った。
アカデミーの底力というか、平均的能力を普段のレッスンで、しっかり底上げされてる、日頃のアカデミー生の努力をまざまざと感じた。
あとかがり先生の衣装とか、美術のセンスがめちゃくちゃよい。安っぽさがない。
国内のバレエ団の価格設定低めの公演に行くと、ひたすらキラキラさせていて、落ち着きがないというか上品さに欠けると思う時がある。私は宝塚行ったことないし、その魅力わからないんだけど、広告の写真見ただけでお腹いっぱいになってしまう。宝塚を否定したいわけじゃないんだけど、オーバー(過剰)すぎる衣装や、美術装飾にあまり魅力を感じない。かがり先生の公演だって、ちゃんと舞台用のメイクをしているし、演出はちゃんとあるんだけど、なんというか…。品がある。キラキラ過ぎる衣装を着なくたって、演技や佇まいで、ダンサーとしての魅力は滲み出る。そういう所もいいわー、と観客として思う。
そして、繰り返すけど、これはオーディションで選ばれたメンツではないのだ。演目の為にオーディションで選抜されメンバーではない。
もちろんアカデミー内での、選抜はあったと思う。でも、ゲストは成人男性のバレリーナのみ。外部の人は男性ダンサーだけなのだ。
どのシーンでも、メインメンバーの活躍はもちろんだけど、バックに揃う演者も、それぞれの役割をしっかり担っていた。いやー凄い。
これが、いわゆるお教室の発表会…。そんなレベルじゃない。タダで観させて貰うことが、気が引ける程素晴らしかった。
あのー…。2日公演にして、1日目は普段通りご父兄さん向けに…。2日目はチケットを販売して、一般向けに公開しては貰えないだろうか?
ss席6000円。s席5000円。A席3~4000円位で販売して、バレエ公演をして貰えないだろうか?
実際私は、後部座席にお席を頂いたのだけど、半分はシニオンガール(他でバレエをやっているお子さんと保護者)だったけど、私みたいに純粋なバレエファンも来てると思った。
2年後は、是非そうして欲しい。
バレエファンとして、強く強く願う。
今回の一般解放告知だって、Facebookで、数日しただけ。ちゃんと広告して、2ヶ月前位から、チケット販売すれば、充分に捌けると思う。会場は1100のキャパ。この価格帯なら、全然チケット捌けると思う。
あと、バレエとかオペラは、観に行く立場としては3分の1位は音楽も楽しみにしてるので、音源の規模より、小さくなると思うけど、生のオーケストラも入れて欲しい。
隣の駅に、桐朋がせっかくあるんだし、そこに要請すれば、そんなにコストかからず、オーケストラとの共演はできると思う。
きりともの学生さんも、バレエのオーケストラで演奏するという経験を積みたいと思っている生徒さんも多いんじゃないかと思う。
国内の状況はバレエにしろ、楽器演奏にしろ、演者としての力はありつつ、発表する機会に恵まれず、持て余してると思う。
円安や社会情勢で、来日公演が少なくなる。でも、国内で、こんなにも素晴らしい資源がある。もっと知られて欲しいし、もっと色んな機会が持てる国であって欲しい。
あと保護者的視線でいうと、有料公演をして、確かにこの価格設定だと、美術、衣装、色んなもので、完全にプラスにするのは難しいと思う。ご父兄さんの支え無しに、プラスにする事は難しいと思う。
でも2年に1回の公演として、1日目をご父兄さん向けにする事で、経費の部分見てもらって、2日目は会場費位のマイナスと考えて、演者のアカデミーの生徒さんに、いくばくかでも、ギャランティを払ってあげて欲しいと思う。
私は小学校長野で、6年生になると、児童会の会計が完全に子どもに任された。春から山菜を取って売ったり、野菜を育てて売ったり、春に仕込んだキノコ(なめこ打ちとかしらんじゃろ?)を秋に収穫して売ったり、どくだみを取ってきて、乾燥させてお茶に出来る状態にして売ったり、とにかく山にあるものに値段を付けて、利益を出すって事をやって、本当に学びが多かった。
お金を稼ぐ難しさも知れたし、逆にこのくらい頑張るとこのくらいの収益が得られるのか、という基準を持てた。そして、1年掛けて貯めたお金を予算に、冬にお祭りをして、地元の人をもてなすという習慣があった。
お金を使う前に稼ぐという価値観はこの時の経験で体で学んだ。
だから、アカデミーの生徒さんに、一生懸命頑張ると、ギャランティが貰えるという経験もして欲しい。
小中校生にとって、親から貰うお小遣いの他に、初めての収入になると思うし、自分の得られた初めての外貨は、バレエを頑張ったからだ、と一生の思い出になると思う。
自分が一生懸命した事が、誰かの為になって、ギャランティと形を変えて、お金が貰えた。そんな経験をアカデミーの生徒さんにして欲しいと思う。
とにかく昨日のドンキホーテは、素晴らしくて、有償チケットにしても、耐えうる内容だったと思う。本当にタダで観させて貰うのが忍びなかった。
是非2年後は、2日公演にして、一般にチケット販売してください。国内でも演者が輝ける場所を、どうか身内だけに独り占めせず、一般の観客にもチャンスをください。かがり先生のアカデミーだけじゃなく、国内のバレリーナをたくさん持つ質の高いお教室はたくさんあると思うので、身内だけじゃなく、一般にも楽しめる機会をください。
あー今月はあそこのバレエ教室の公演があるのかー。行ってみようかな?とバレエ観劇ファンの欲にも応えてください。
バレエは供給不足です。本当に。
もうちょっと手軽な値段で、サクッと楽しめる文化が、国内で、できると、嬉しいなと思います。
価格設定で、チケットは捌けると思うし、若手のダンサーにも、チャンスがいっぱいある世の中になって欲しいです。
チケットの販売方法なんて山ほどあって、解放する座席表を出すだけで、ぴあでも、他の発券代行でもチケット代+300円位の経費(買う方が負担する)で、普通に販売できます。特に手間はありません。
ちな、熊川哲也のチケット代はこんな感じです。人気でチケット取れないし、しかも高すぎます!
6~5000円位で、バレエが観れたらいいよねー。そのくらいの価格帯なら、名前がなくても、バレエみにいこう~♪って選択肢が生まれるんじゃないかと思います。
ダンサーの育成も大事ですが、観客の育成も同時にして貰えると、ダンサーの将来を支える、お金を払ってバレエを観に行く観客の母数も増えるんじゃないかと思います。
そんな事を外野から、つらつらと…。
言うは易し、行うは難しと言いますので、かがり先生のご苦労が増えると存じますが、是非お願いしたいです。
あードンキホーテ面白かった。
次はくるみ割り人形かな、ロミジュリかな、眠れる森の美女かな、もしかしてラミゼもありうるかな。2年後が楽しみだなぁ。順当に行くとくるみ割り人形だけど、私は個人的にモーツァルトが好きなので、レプティリアンが見たいっす。あんまりやられないので見てみたい。
どうか、ダンサーの育成と同時に、観客の育成もお願いします!
2年に一度はかがり先生のバレエを観に行くという楽しい目的ができると、観客も育つんじゃないか?と思います。
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