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【連載】D2C Design Studio Talk vol.4 – D2C Design Studioが 提唱するD2Cブランド開発プロセス –

こんにちは!

博報堂ブランド・イノベーションデザインの岡安穂香です。

Vol.3では、企業がD2Cブランドなど新たな事業・サービスを立ち上げる際に留意すべきポイントについてお話しさせて頂きました。

とはいえ、いざ事業創造に挑戦しようとしても「進め方が分からない」「そもそも何から始めるべきかわからない」など不安が多いかと思います。そこで、Vol.4では、D2C design studioが提唱する新たな市場を開拓するための開発プロセスについてお伝えしていきたいと思います。

既存市場の最適化ではなく、未知の市場の創造をするには


市場が成熟化し技術進化が行き詰まってくると、これまでの分析的アプローチでは成果が出にくくなり、新しい市場をゼロベースで創造することが必要とされます。

まだ存在しない新たな市場では、取り組むべき問題が不明確で、定量的なデータ収集が難しい場合も少なくないです。そうした場面において、いわゆる定量調査・分析といった慣れ親しんだやり方をいったん脇に置き、新しい市場を創造するための糸口を探す必要があります。

つまり既存市場の最適化ではなく、未知の市場の創造をするためには、要素分解・分析、優先順位づけするといった、仮説検証型のマーケティングリサーチではなく、観察から仮説を作り仮説をもとに発想する、機会発見型のデザインリサーチが必要です。また、そこで得た仮説をもとにデータに基づいた意思決定をするのではなく、共感ドリブンで意思決定者の心を動かす選択をすることが重要です。つまり革新的な製品・サービスを開発するためには、機会発見的アプローチが必要です。

そこで、いままでにない新しい製品・サービス・事業をつくるには具体的にどのような進め方をする必要があるのか、D2C design studioが提唱する開発プロセスについてお伝えしていきます。

0からワンストップでD2C開発を支援するプログラム

図1

D2C Design Studioでは、0からワンストップでの事業開発プロセスを提唱しています。構想から実装までをワンストップで行うことで、D2Cブランド開発において重要な強いブランドストーリーとサービス、 顧客獲得・維持の為の仕組みが高次元に融合したブランドを開発します。

そこで、ブランド構築やサービス設計に必要な一般的なブランド開発とは異なる視点について「機会発見」「CX(顧客体験)・サービスデザイン」「プロトタイピング・テストマーケ」の3つのフェーズに分けて、お伝えしていきます。


1.  機会発見フェーズ

図2

機会発見フェーズにおいては、フィールドリサーチをはじめとする「デザインリサーチ」を行います。リサーチと聞くと、いわゆる「市場調査」や「マーケットリサーチ」をイメージする人が多いかもしれないですが、デザインリサーチは、目的と方法が異なります。

マーケットリサーチは、仮説検証が目的なのに対し、デザインリサーチは、新たなアイデアを創出することが目的です。そのため、マーケットをセグメント毎に見るのではなく、N=1、個々に着目し主観と共感を重要視しています。

その手法の一つが「エクストリームユーザーインタビュー」です。エクストリームユーザーインタビューとは、極端なニーズや極端な使い方、極端な環境などで商品・サービスを使用する「極端な人」に対して行う調査です。「極端な人」にインタビューすることで、一般消費者にヒアリングを行うマーケットリサーチとは異なり、平均的なニーズから離れた気づきを得ることが出来ます。エクストリームユーザーから得られるニーズは、生活者のほとんどが気づいていない潜在的なニーズであり、それを起点として新規商品・サービス開発における0→1のプロセスに生かすことができるのです。

このように、デザインリサーチを取り入れることで、既存のサービスでは未だ解決されていない新しい機会を見つけ出すことができます。

2.  CX(顧客体験)・サービスデザインフェーズ

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CX(顧客体験)・サービスデザインフェーズでは、機会発見フェーズで発見した顧客の潜在的なニーズから理想の顧客体験設計を描き、そこから収益デザインなどサービスの裏側を含めた設計を行います。

CX(顧客体験)・サービスデザインフェーズにおいて特に重要なのは、理想の顧客体験を設計した上でサービス開発を進めることです

ユーザーの価値軸も所有から体験へと変化しており、特定のシーンだけに着目せず、サービスを経験する一連の流れを設計することで、ユーザーの潜在的ニーズをきちんと捉えたサービスになります。

サービス・プロダクト開発に入る前に象徴的なペルソナ像を描き、理想のカスタマージャーニーマップを策定、俯瞰的にユーザーの行動・思考・感情を含めた体験設計をすることで、自分たちの製品・サービスが持つ価値とユーザーの本質的なニーズとの共通項を見つけ出すことができます。

このように、理想のCX(顧客体験)を設計することで、顧客にとって本当に価値のあるD2Cブランドをスピーディーに開発します。

3. プロトタイピング・テストマーケフェーズ

図3

プロトタイピング・テストマーケフェーズでは、生活者の声や関係者の要件を素早く反映しながら開発を進めるアジャイルプロセスとプロトタイピングを重視しています。

アジャイルプロセスとは、短期間で素早くテストや実装を繰り返していく開発方法です。プロトタイプしたものをもとに顧客からフィードバックもらい、改善、再び顧客に提供するというサイクルをアジャイルで回していくことで、新規事業の成功率を飛躍的に高めることができます。

D2C design studioの事業開発プロセスでは、ブランドのあるべき姿をビジュアル化して、そこからの逆算でイノベーティブなブランドをデザインしていく「サービスエビデンシング」という手法を取り入れています。「サービスエビデンシング」を行うことで、ブランドのあるべき姿をビジュアル化し、早期段階で顧客から最大のフィードバックを得ることができます。

このように、D2C design studioでは、デザインリサーチをはじめとする一般的なブランディングとは異なる新たな市場を開拓するプロセスを通じて、顧客にとって本当に価値のあるブランド開発を支援します。

この記事を読んでD2C design studioに興味を持っていただけたらお気軽にご相談ください!


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次回予告


魅力的なD2Cブランドには、Vol.1でもお話しさせて頂いた「強いブランドストーリー」に代表されるように、そのブランド独自の世界観が存在しています。生活者目線で考えた際にも、Vol.2で触れたように、ブランドが持つ世界観に共感するかどうかが、製品の購買や支持に対して、とても重要な役割を果たしています。そこで次回は、そもそもD2Cブランドの世界観とは何なのか、そして、どのように世界観を作っていけばいいのかについて考えていきたいと思います。

ライター紹介

岡安穂香 | 法政大学デザイン工学部システムデザイン学科にてプロダクトデザインを専攻。 2019年博報堂に入社し、博報堂ブランド・イノベーションデザインに所属。 イノベーションプラナーとして、ブランドのアクティベーション施策や新規事業開発支援、D2Cブランドのプロダクトデザインなどを担当。

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