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【乙武洋匡の教育連載 vol.5】なるほど、「学力」ってそういうことだったのか。
今年1月から開始した教育連載。今回のテーマは「学力」だ。教育とは何のためにあるのかと言われれば、まず「学力をつけること」と言えるだろう。しかし、この「学力」の正体をきちんと理解できている人はそう多くない。「学力を身につけよう」とか「学力低下が叫ばれている」という言葉自体はよく耳にするが、そもそも「学力」とは何かをしっかり定義しなければ、次の議論に進んでいくことができない。
こういうとき、私はすぐ辞書を引く。
なるほど、「学習して得た知識と能力」か。しかも、「学校教育を通して身につけた能力」とあるのも興味深い。だが、これだけではわかったような、わからないような……。
教科書に書いてあることをひたすら覚えさせられる「詰め込み教育」を受けてきた私からすると、前者の「知識」に関しては、たしかにイメージが湧きやすい。テストではまさに「知識=暗記した内容」が問われ、そこで高得点を取れれば「学力が高い」と言われる時代に育ってきたからだ。
しかし後者となると、いまひとつピンと来ない。「能力」とは、いったいどんな能力なのだろうか。逆上がりができること? 大きな声で音読ができること? 理科の実験器具を正しく扱えること? おそらく狭義ではそれらも学力と呼ばれるのかもしれないが、広義としてはもっと別の能力を指しているような気もする。
その「能力」が何を指すのか。私は文科省が出している資料のなかに、何かヒントとなるものがないかと探してみた。すると、あったではないか。その資料のなかには、とてもはっきりと、具体的に、その「能力」の意味するところが示されていた。
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