体のすみずみまで大調査『輪切り図鑑クロスセクション 人体断面図鑑』
『輪切り図鑑クロスセクション 人体断面図鑑』
スティーブン・ビースティー 画
リチャード・プラット 文
宮坂宏美 訳
あすなろ書房
2021年5月
「輪切り図鑑クロスセクション」シリーズの第3弾。今回取り上げるのは「人体」です。
目、耳、脳、脊髄と神経、骨格、皮ふと筋肉、口と消化器、リンパ液と血液、腎臓・膀胱・生殖器、心臓、鼻と肺。それぞれを輪切りにして、これまで同様、詳しくユーモラスに解説しています。
特にユニークなのは、ふたりの探検家が体内を調査するという設定になっている点と、「筋肉チーム」「ホルモンチーム」「免疫チーム」などが体の中で働きながら会話している点。
「おい、流し目にしてやろうぜ!」と言って筋肉チームが目の筋肉の束を引っ張ったり、「また別のが来たから、写真と指紋をとろう」と言って免疫チームが病原体を記録したり。
おかげで、体の中がどうなっているかだけでなく、中でどんなことがおこなわれているかがよくわかります。
熱が出るのはなぜか、ワクチンはどうして効くのか、「免疫ができる」とはどういうことか、体のすみずみまで酸素が行きわたる仕組みとは?
訳していて、人間の体ってほんとによくできてるなあと感心し、なんだか自分の体が愛おしくなってきました。
一家に一冊、置いておいて損のない図鑑だと思います!
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▼シリーズ第2弾『帆船軍艦』のnote記事はこちらです。