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04 馨和小館

上海料理ってこんなにおいしかった?

【お勧めシーン】 3〜4人以上でのご飯と飲み
【こんな人に】 ローカル食好き、賑やか好き、行列でも待てる、辛いの嫌い、地元人気重視


上海料理のおいしい店を探すのは難しい。
上海人に聞いても「ないよ。家で作る料理がいちばんおいしい」「昔はあったけど今はない」などと言う。上海には四川料理店や広東料理店がたくさんあるのに、四川省や広東省に上海料理店はほとんどない。なので、「上海料理、中華のジャンルのなかでいちばん人気ない説」は立証できる気がする。
でも、そんななか最近「これは!」と思ったのが「馨和小館」の上海料理。全部おいしかった。
上海料理というと、色が濃いのにそんなにしょっぱくない老抽という醤油を使った甘辛料理が多いのだが、この店はどれも甘すぎずさらっとしていて、でもご飯もお酒も進む味に仕上げていて、素材の味もちゃんとしている。
いちばんのお勧めは「葱油蛤蜊熗猪肝」(48元)。上海料理でいちばんおいしいと思うのが「葱油(刻み青ネギ甘醤油味)」なのだが、それで豚レバーとアサリを煮込んだもの。「何この組み合わせ」と思いつつ、箸が止まらなかった。

「葱油蛤蜊熗猪肝」(48元)。アサリ醤油だしとレバーの意外な融合。

あとは「魚頭湯」(78元)。普段淡水魚系は積極的に頼まないが、これは別。魚の旨味が凝縮された白濁スープが絶品。臭みゼロ。
日本語で表現できる味覚は甘い、辛い、酸っぱい、しょっぱい、苦いの5種が基本で(旨味を入れて6種とも言われるけど)、それ以降はプリプリとかふわふわとか食感での表現しかない。でも中国は「肥」とか「香」とかもう少し表現があって、この魚スープは多分その中の「鮮」。「鮮」がどんな味なのかわかるスープ。


<これもお勧め>

「魚頭湯」(78元)。白濁淡水魚スープ。さらさらなのに濃厚。
「花彫酔鶏」(38元)。身がふっくらの酔っ払い鶏。
「糖酢排骨」(26元)。定番上海料理のなかではいちばん好きかも。揚げ豚スペアリブの甘酢和え。
「精品蟹粉豆腐」(78元)。秋冬なら蟹味噌豆腐。黒酢で味変しながら。

<DATA>
上海市普陀区新会路410-422号 ※ほか上海市内に3店舗
地下鉄7、13号線「長寿路」駅6号出口から徒歩約2分
11:00-14:00 16:30-21:00
☆『大衆点評』で整理券を取って待つのが確実。平日19:30以降は並ばず済むことも。

(掲載日:2023年11月5日)
※メニュー内容、メニュー名、値段、店舗の外観や内装は掲載日の時点のものです。

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