結婚における負の ”のれん” ~非モテ男性が結婚すると不幸になる理由~
非モテ男性は、結婚したら不幸になる
男女関係に関わるインフルエンサーである小山氏が、「非モテ男は結婚しても不幸になる」といっていた。
小山氏は、非モテ男性が結婚して不幸になるのは、女性の扱い方を知らないからだと述べている。
前提条件として、男女が結婚に求めるものには違いがある。男性は「つながり」を求め、女性は「カネ」を求める。お互いに、結婚に対して求めるものがすれ違っているのだから、男性と女性の間には、必然的にもめ事が発生する。
ここで、非モテ男は女性の取り扱い方を知らない。それゆえ、女性を怒らせてしまい、精神的・物理的なDVによりサンドバッグのようにボコボコにされ、奴隷のような存在に零落していく。
この点について、資本主義の観点から、もう少し補足したい。
我々、21世紀の日本人は、頭の先からつま先まで、どっぷりと資本主義に漬かっている。資本主義社会において、”公正(フェア)”という概念は非常に重要だ。
この”公正(フェア)” を女性視点で考えると、「非モテ男が結婚して不幸になる」現象を、より理解しやすくなる。
さらに、”公正(フェア)”の視点を導入することで、ドメスティックバイオレンス(DV)など家庭内の紛争において、客観的に見れば女性が純然たる加害者であるにもかかわらず、女性には被害者としての自覚しかない事例がある。この現象が発生する理由についても説明できる。
女性視点での ”公正”(フェア)な取引
非モテ男が、結婚して不幸になるのは、女性視点での ”公正”(フェア)な取引を理解してないからだ。
結婚は、ある種の取引であるといえる。
結婚相談所で婚活する女性も、”自分” と ”相手” が釣り合っているかどうかを、常に判断している。
この”取引”は ”公正(フェア)”なものだろうか?と
女性は、自分自身の性的魅力と、男性の性的魅力を比較して、男性の性的魅力が少ない場合、その差額に相当する ”財・サービス”を受け取らないと”公正(フェア)”じゃない、と感じる。
この感覚自体は、否定することができない。ほとんどすべての人間が備える認知機能の演算結果だからだ。
若くてかわいい嫁が来てくれたら、大切に優しくするのが当然だ。そこそこの嫁であれば、普通に接すれば大丈夫だ。
ほとんどすべての人間が、この種の計算を(タテマエを別にすれば)、脳内で一瞬ではじき出す。(望ましくないからといって、この機能を除去することはできない。認知機能の変更を行うためには、教育だけでは不十分で、サピエンスをDNAレベルで品種改良する必要がある)
それゆえ、つり合いが取れていないと感じた場合、女性は、以下のように考える。
「目の前の非モテ男は、自分と比較して性的魅力が劣っているのだから、この性的魅力の差を何らかの形で補うべきだ」
女性は、男性が高価なプレゼントを送るなり、料理・洗濯・掃除などの家事をたくさん負担するなど、対価を支払ってようやく、公正(フェア)だと感じることができる。
※女性視点では、ほとんどの男性の性的魅力は低く映るため、性的魅力の差 ”のれん”は、男性が女性に、一方的に支払うべきものになる。男性からみてマイナスになるから、負の”のれん”と表現している。
※ ”のれん”は、会計用語である。会社がM&Aで別の会社を買収したときに、その会社がもつ資産と買収金額の差を”のれん”として会計書類に記載する。実物資産がないのにもかかわらず、会計上は確かに存在する”カネ”のことだ。
男性と女性の性的魅力の差についても、実態がない。だが確かに存在し、男女関係に多大な影響を及ぼす。この点が似ているから ”のれん”という表現をつかった。
元カレとの比較
現実には、女性は自分自身の客観的な性的魅力と、男性の客観的な性的魅力を、公正に比較するわけではない。男女の性的魅力を比較することは、性別の差が存在するので、難しいからだ。
ほとんどの女性は、もっと簡単に比較を行う。
女性は、自分自身の性的魅力の基準値として、元カレの性的魅力を採用する。
女性は、元カレの性的魅力と、目の前の男性の性的魅力を、主観的に比較し、どのくらい差があるのかをもって男性が支払うべき ”のれん”を計算する。
婚活する非モテ男性の立場からみると、女性が過去付き合ってきた元カレを基準として、その元カレとの性的魅力の差が、自分自身が負担すべき負の ”のれん”になるのだから、理不尽な話である。
この、元カレ基準と負の”のれん” の関係について、Note作家の0日婚する子さんが、「これが、恋愛弱者でこじらせ女の頭の中です。」という記事で赤裸々に述べている。
性的魅力が低いが、この男なら一方的にわたしに尽してくれるだろう。この男ならば、わきまえをもって”のれん”をきちんと支払ってくれるだろう。私からみて、公正(フェア)な取引をすることができるだろう。だったら、取引してもよい。
という女性からみた心境を赤裸々に記載してくれている。
(おそらく、これがほとんどの女性に共通する思いなんだろうなと、背筋に冷たいものを感じながら拝読した。)
元カレ基準の問題点~女性の不当な自己評価
女性が、元カレを基準に自分自身の性的魅力を計算すると、自分自身の性的魅力を、不当に高く評価することになる。
自由恋愛環境では、男性の上位層が複数の女性と付き合う現象が発生する。それゆえ、女性が元カレを基準にすると、大半の男性が基準以下の水準になってしまう。
つまり、上位 2割を除く大半の男性にとって、女性に”公正(フェア)”だと感じてもらうために必要な”のれん”は、一方的に支払う負の”のれん”となる。
結局のところ、恋愛の自由化が大きな問題を引き起こしている。
非モテ男が、結婚で不幸になる理由
非モテ男が結婚で不幸になるのは、女性視点で、公正(フェア)とみなしてもらえるまで、支払うべき ”のれん” が大きくなるからだ。
とある女性のケースを考える。
この女性が、今まで付き合ってきた元カレの性的魅力が、100だったとしよう。
並行世界において、学歴・年収・勤務先がまったく同等の婚活男性Aと婚活男性Bが、女性の結婚相手として出現したとする。
男性Aと男性Bとで唯一違うのは、性的魅力だけであり、男性Aの性的魅力は70、男性Bの性的魅力は30だ。
この女性が婚活男性 A と結婚した場合、負の”のれん”が30発生する。
一方、この女性と婚活男性Bが結婚した場合、負の”のれん”は70発生する。
男性Aと男性Bは、両者ともに、この女性に対してやさしく、丁寧に接した。男性Aも男性Bも、女性に対して、”50” に相当するだけの”カネ”や”労力”を一方的に提供したとする。
男性Aと結婚した世界では、女性視点ではプラス20の利益が生じている。期待した水準より男性Aはやさしく、頼りがいがある。女性は、結婚してよかったと感じる。
男性Bと結婚した世界では、女性視点ではマイナス20の損失が生じている。男性Bは、やさしく、頼りがいがあり、金銭・労力面で女性に尽している。だが、女性は満足することができない。
女性は、残る20 相当の、”カネ”や”労力”を提供してもらわなければ、”公正(フェア)”じゃないと感じてしまう。
女性が不満を感じれば、当然ながら不機嫌になり、夫にたいしてお小遣いを削減する、洗濯ものを洗ってあげない、些細なことにいちゃもんをつけて攻撃をする、などいじわる行為をするだろう。あるいは、少しでも損失を取り戻そうと、浮気などの不貞行為に走るかもしれない。
当然ながら、女性には加害者の自覚などはなく、むしろ自分は不公正(アンフェア)な取引により損害を受けた被害者なのだと、そう意識することだろう。被害者だと信じる女性に手加減はない。物理的・精神的なDVは加速し、男性Bを追い詰めるだろう。
最終的に、男性Bは死ぬまでATM奴隷として女性に献身するか、自殺するか、賠償金を女性に支払って離婚してもらうか、いずれかの未来を選ばなければならない。男性Bは、結婚したことで、かなり不幸になるように見える。
ここで注目すべきは、男性Aと男性Bにおいて、行動を含めて性的魅力以外の差が全くないことだ。男性Aと男性Bは、女性に対して、同じだけやさしく、同じように接し、同じように貢献している。
ただ、男性Bの性的魅力が低いだけだ。
性的魅力の差だけで、男性Aは幸福な結婚生活を獲得し、男性Bは不幸のどん底に追い込まれた。
男性Bの視点からみると(男性Aの視点からも)、何が何だか理解できないだろう。男性Aと全く同じことをしているにもかかわらず、妻は常に不機嫌で、物理的・精神的なDVで攻撃されて、そのうえ隠れて浮気までされてしまうのだ。
男性Aの妻は、概ね上機嫌で、結婚生活に満足しており、DVなどよその世界のお話だ。
だが、男性Aの妻と男性Bの妻は、同一人物なのである。
一人のまったく同じ女性が、性的魅力が比較的高い男性Aと結婚することで、常に上機嫌な理想的な奥様になり、性的魅力が比較的低い男性Bと結婚することで、常に不機嫌でDVを繰り返す鬼嫁に進化するのである。
以上が、非モテが結婚すると不幸になる理由である。
非モテ男性が、結婚して幸せになるための心構え
幸せな結婚をするためのコツは、両者がお互いの取引に納得することである。女性が一方的に不満を蓄積するような関係では、幸せにはなれない。
だから、非モテ男性は、負の”のれん”に相当する分の財・サービスを女性に提供する必要がある。女性が期待する財・サービスに相当するもの、つまり、高価なプレゼントを送るなり、料理・洗濯など家事を男性がたくさん負担するなどだ。
やっかいなことに、女性は若いときはモテる。だいたいが、格上の男と付き合っている。これが女性の基準になる。ほとんどの男性にとって、”のれん”は支払う側だ。
だが幸いなことに、女性からみて、性的魅力が低すぎて、どう考えても ”のれん”を支払うことができないとみなされれば、結婚自体が成立しないのだ。
結婚できたということは、誠心誠意 女性に尽くすことで負の ”のれん”を支払うことができると、他ならぬ女性から認められたということだ。
非モテでも、彼女に一生懸命 財・サービスを提供することで、良好な関係を構築することができる。
結婚を決めるときは、自分自身の想定される性的魅力と、彼女の元カレ達との性的魅力の差を計算して、その分を埋める覚悟をした上で、結婚を決めることが大切である。
恋愛経験豊富な女性は嫌われる
基本的に、元カレの数が多ければ多いほど、負の”のれん”は増加する。
人間の脳の仕組みとして、強い印象が長く記憶に残る。今までで一番いい男と付き合った記憶は、鮮明に残るだろう。あるいは一番最初に付き合った男、若いときに付き合った男なども強く印象に残るだろう。
であれば、たくさんの男と付き合っていればいるほど、参照される元カレの基準は上昇すると考えられる。
それゆえ、恋愛経験豊富な女性と結婚する男性は、負の”のれん”をたくさん支払わなければならない。
女性たちは、女性の恋愛経験が豊富でも、男性側に実害がないじゃない!器が小さい!などと主張するかもしれないが、とんでもない!
現実として、実害がたくさんあるのだ。
ことあるごとに、心の中で元カレ軍団と比較され、女性視点での負ののれんは増加していき、男性側が差し出さなければならない”対価”が増加する。男性が対価を支払わなければ女性は不満をいだき、不機嫌になり、男性に対していじわるをするだろう。
男性が、結婚するときに、恋愛経験豊富な女性を敬遠するのは合理的である。
恋愛経験豊富な女性と結婚すると、幸せな結婚生活が難しくなるからだ。
結婚はゴールではない
非モテ男性にとって、結婚はゴールではない。
たとえば、非モテ男性が一念発起し、膨大な労力を傾け、マッチングアプリや結婚相談所で結婚相手を探したとしよう。
その精神は、
「たくさんの異性にモテるより、たった一人に愛されることが大事」
というものであった。
このたった一人を探すために、この非モテ男性は数百回に及ぶお見合い、マッチングアプリでの顔合わせ、2回目デートなどを、精力的に実行したとしよう。貯金を使い果たし、休日を捧げ、サハラ砂漠で砂金を探すような苦行の末に、ようやく愛するたった一人の女性を見つけたとしよう。
だがしかし、この女性も、非モテ男性に対して、元カレとの性的魅力の差(のれん)に相当する献身を期待してしまう。この非モテ男性は、結婚契約が満了するまで(離婚しなければ死別するまで)女性に対して、のれんを支払い続けなければならない。
非モテ男性にとって、結婚はゴールではなく、数十年にわたる献身のはじまりである。
もしあなたが、非モテ男性で、婚活を頑張ろうと考えていた場合、「結婚するまで」を目標に頑張るのは、適切ではない。
残酷なことに、「非モテ」という属性は、結婚してからもずっと影響を及ぼす。
まとめ
非モテ男は、結婚すると不幸になる。
結婚において、女性は、男性と元カレとの性的魅力の差(のれん)を計算し、その”のれん”に相当するだけの、財・サービスを男性から提供してもらわなければ、不公正(アンフェア)だと感じるからだ。
結婚した男性側の性的魅力が、低ければ低いほど、結婚後に女性へ支払うべき ”のれん” は高額になる。
非モテ男性は、この構造を理解していない場合が多いので、女性に支払う”のれん”(カネと労力の提供)は、他の男性たちと似たような水準になる。そうすると、女性は不満をため込み男性に対して攻撃的になる。
女性が一方的に不満をため続ける、公正さ(フェアネス)がない状態での結婚生活は、不幸になる。
それゆえ、非モテ男は結婚すると不幸になる。
非モテ男が結婚して幸福になるためには、自分自身が提供できる最大限の財・サービスを女性に提供することだ。そうすれば、女性は公正さ(フェアネス)を感じて、結婚に対して満足感を得ることができる。
女性が満足して、はじめて幸せな結婚生活が可能になる。
非モテ男が結婚するには、自分自身のすべてを彼女に捧げる覚悟が必要だ。
そうでなければ、結婚などしない方がよい。
・・・要するに、非モテ男は結婚などしないほうがよい。
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